技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

eCTD申請 「-ここまで身近になったeCTD申請-」

eCTD申請 「-ここまで身近になったeCTD申請-」

eCTD申請 「-ここまで身近になったeCTD申請-」の画像

ご案内

 2009年11月に、イーコンプライアンス出版局より、「 eCTD (基礎から応用まで) – eCTDの解説、実務、医薬品開発におけるeCTDの現状と課題 – 」を出版させていただきました。それから2年が経過したわけですが、その間にeCTDを取り巻く環境は大きく変化しました。2009年は、今、振り返るとeCTDにとってターニングポイントであったように思います。eCTD申請時に、それまで必要であった紙CTD (正副3セット) の提出が不要になり、それをきっかけにeCTD正本提出会社が10社以上になった年です。その後、eCTDの普及は着実に進み、現在、20社以上の会社がeCTD正本申請をしており、36社以上がeCTD対応を完了しています。CTD形式申請の70%以上は、eCTD形式になっているのではないでしょうか。まさに、eCTDがde-factになったと考えて良いでしょう。そして、第2の波が押し寄せています。1つは、eCTDの普及が大企業だけでなくなってきたことであり、2つ目はeCTDの次の規格 (eCTD Ver 4.0) がICHで本格的に検討されていることです。
 このような背景の中で、eCTDは特別なものではなく、当たり前の技術になってきました。eCTDをどうやって対応するかから、eCTDをどのように活用するかに移ってきています。eCTDをやるリスクから、eCTDをやらないリスクに変わってきています。
 本書では、4つのメッセージを読者の皆さんにお伝えすることを意図しました。

  1. 電子化、eCTDの意義を俯瞰する
  2. これからeCTD対応する方への対応法
  3. eCTDの品質を再考する
  4. eCTDにおけるPDF

本書を読まれた読者の皆さんが、eCTDの現状を正しく理解され、eCTDを単なる技術だけではなく、eCTDを広い視点で捉えることができるようになり、医薬品開発におけるeCTDや電子化の意義を理解し、実践できることを願っています。
2011年11月
比留間 良一

《1. 電子化、eCTDの意義を俯瞰する》
日本においてeCTDが普及してきたにも関わらず、eCTDに関する書籍は数える程度しかありません。さらに、その多くはeCTDの技術的な面から解説したものばかりであり、eCTDを俯瞰的に捕らえた書籍は皆無です。本書では、医薬品開発における電子化、特に、eCTDの位置づけ、意義について私見も含め、多面的に解説しました。eCTDは手段ではなく、目的です。「他社がやるから、eCTDをやらなければならない」、「FDAがeCTDを推進しているから、EMAがeCTDを義務化したから、日本もeCTDをやらなければならない」というのは一面を示していますが、本質を表していません。eCTDは優れた技術であり、eCTDに対応することによって、我々に様々なメリットをもたらせてくれるものであることを皆さんにご理解いただければと思います。
《2. これからeCTD対応する方への対応法》
バイオ後継薬 (バイオシミラー) は、後発薬であってもCTD形式での申請が必要です。また、 CMC一変 (軽微変更) は、化学合成医薬品であれば、承認申請書の変更で対応可能でしたが、バイオ医薬品ではCTDの提出が必要です。したがって、今後、後発品会社もCTD形式での申請に対応しなければならなくなります。このような背景を考えると、eCTDの裾野が大きく広がっていくようになると思います。逆に言うと、中小会社や後発メーカーは、これまで無関係と考えていたCTDやeCTDへの対応が迫られるということです。この様な背景から、これからeCTDに対応する会社の方がどのようにしたら、簡単に対応できるかを理解いただければと思います。
《3. eCTDの品質を再考する》
eCTDの品質に関する考え方を再考したいと思います。GCPでも最近議論されているOver Qualityの問題です。1番目に、これまで、通知に記載されていることをどうやって対応するかという、「How to」はばかりが考えられていますが、なぜ対応するのかという「why」を考えるというのも重要であることです。ガイドラインなどの規則を、字面でとらえて、「どうやってやるか」ばかり考えるのではなく、「なぜ」ガイドラインなどの規則にはそう書いてあるのかを考えることが重要です。
2番目として、「All or Nothingの考え方」を改めるということです。「通知に100%合わせる、合わないとeCTD申請できない、しない。」という「All or Nothingの考え方」を改めるべきではないかと考えます。そのためには、1番目とも関連しますが、「why」を考えることが重要になると思います。
一方で、最近、極一部の会社と思われますが、通知を無視した低品質のeCTDを提出している会社があるようです。これはOver Qualityとは対極の問題です。私の主張しているeCTDの適切な品質とは、「Over Quality」でも「通知を無視」のいずれでもありません。
誤解を恐れずに、eCTDの品質に関して、これまでにない考え方を記載しました。通知のある行間も含め、皆さんに理解いただければと思います。
《4. eCTDにおけるPDF》
eCTDでも最も重要な要素であるPDFについて、通知の要件やAcrobatの操作方法を解説した書籍はありましたが、PDFの基礎知識やAcrobatの基本機能や基本原理を解説した書籍は皆無です。Acrobatの基本機能や基本原理を理解しないで、単に丸暗記した通知の要件に対応していると、とんでもない無駄な作業や誤った作業をやってしますリスクがあります。皆さんに、PDFの基礎知識やAcrobatの基本機能や基本原理を知っていただきたいと思います。本パートに関しては、日本におけるPDF技術の第一人者であるプラネットファーマソリューションズ
本書を読まれた読者の皆さんが、eCTDの現状を正しく理解され、eCTDを単なる技術だけではなく、eCTDを広い視点で捉えることができるようになり、医薬品開発におけるeCTDや電子化の意義を理解し、実践できることを願っています。 (序文より)

比留間 良一

目次

  • 緒言 (比留間 氏)

第一部 eCTDの最新情報と今後

  • 第1章 なぜ今,電子化なのか? (比留間 氏)
    • 1節 なぜ電子化なのか
    • 2節 医薬品開発における電子化の意義とeCTD
    • 3節 エーザイの電子化の歩み
    • 4節 第1章のまとめ
  • 第2章 eCTDの現状 (比留間 氏)
    • 1節 国内のeCTD普及状況
    • 2節 日本におけるeCTDの位置づけの変化
    • 3節 申請資料の電子化の歩み
    • 4節 海外でのeCTD普及状況
    • 5節 その他地域の状況
    • 6節 第2章のまとめ
  • 第3章 eCTD申請の実際 (比留間 氏)
    • 1節 最近のeCTDに関連した通知・事務連絡,情報
    • 2節 eCTD申請した場合の審査の流れ
    • 3節 第3章のまとめ
  • 第4章 eCTDのメリットとデメリット (比留間 氏)
    • 1節 印刷費用から見たeCTDのメリット
    • 2節 社内保管費用の削減
    • 3節 業務プロセスの効率化
    • 4節 時間的効果から見たeCTDのメリット
    • 5節 審査システム全体から見たeCTDのメリット
    • 6節 ICHにおけるメリット
    • 7節 eCTDのデメリット
    • 8節 第4章のまとめ
  • 第5章 eCTDの品質 (比留間 氏)
    • 1節 eCTDの品質の考え方
    • 2節 PDFの品質
    • 3節 eCTD Over Qualityについて
    • 4節 eCTDのER/ES対応について
    • 5節 eCTD担当者へ伝えたいこと
    • 6節 第5章のまとめ
  • 第6章 eCTD申請への対応 (比留間 氏)
    • 1節 eCTD申請のための準備
    • 2節 内製化によるeCTD作成
    • 3節 アウトソーシングの活用
    • 4節 第6章のまとめ
  • 第7章 eCTDの今後 (比留間 氏)
    • 1節 eCTDの更なる普及における課題
    • 2節 eCTDの新しい潮流
    • 3節 eCTD Ver3.2.2の課題と限界
    • 4節 eCTD NMV
    • 5節 電子化で重要なこと
    • 6節 電子化の光と影
    • 7節 第7章のまとめ

第二部 PDFに関する技術的知識 (深澤 氏)

  • 第1章 PDFに関する技術的知識
  • 第2章 AcrobatとPDFについて
  • 第3章 PC環境での留意点
  • 第4章 リーフファイルの基礎知識
  • 第5章 PDF MakerとRenditionエンジンの違い
  • 第6章 リーフファイルの品質の向上

第三部 これからeCTDに対応される会社の方へのメッセージ

  • あとがき
  • 著者紹介
  • 参考文献

執筆者

比留間 良一

エーザイ株式会社
グローバル・レギュラトリー・ユニット
レギュラトリーオペレーション部
日本サブミッション・マネジメント室

室長

深澤 秀通

プラネットファーマソリューションズ株式会社
代表取締役

出版社

お支払い方法、返品の可否は、必ず注文前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本出版物に関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(出版社への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

体裁・ページ数

A4判 並製本 156ページ

ISBNコード

ISBN978-4-905321-03-3

発行年月

2011年11月

販売元

tech-seminar.jp

価格

17,143円 (税別) / 18,857円 (税込)

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/1/6 開発段階に応じた治験薬GMP対応とICH Q14 (分析法の開発) への取り組み オンライン
2025/1/6 中小製薬企業のためのテーマ創出・研究開発・製品戦略の策定・推進 オンライン
2025/1/6 EU規制をベースにしたPharmacovigilance監査の基礎 オンライン
2025/1/7 医薬品モダリティ (抗体/核酸/中分子/再生医療) の実用化とDDS技術の特許戦略 オンライン
2025/1/8 アレニウス式加速試験におけるプロット作成と予測値の取扱い オンライン
2025/1/8 GMP教育とQuality Culture醸成のポイント オンライン
2025/1/8 滅菌製品および無菌医薬品における微生物試験の実務とバリデーションのポイント オンライン
2025/1/8 薬価申請・原価計算方法の実際と交渉で有効なデータ取得・資料作成のポイント オンライン
2025/1/9 注射剤の異物検査の方法と基準設定及び異物低減方法 オンライン
2025/1/9 承認申請・メディカルライティングコース オンライン
2025/1/9 CTD/照会回答書作成のためのメディカルライティング オンライン
2025/1/9 原薬GMP基礎講座 オンライン
2025/1/10 NPV (Net Present Value) 計算による医薬品事業性評価の基礎知識 オンライン
2025/1/10 インド・中国における医薬品薬事戦略と現地対応ノウハウ オンライン
2025/1/14 日米欧当局のプロセスバリデーションにおける要求事項と承認申請にむけた準備について オンライン
2025/1/14 承認申請パッケージにおける海外データ利用と開発戦略 オンライン
2025/1/14 承認申請にむけた個別症例安全性報告 (ICSR) の取り扱いと評価 オンライン
2025/1/14 QA業務 (GMP監査・自己点検) 入門講座 オンライン
2025/1/15 ファージセラピーの最新開発動向と次世代耐性菌対策への展望 オンライン
2025/1/15 体外診断用医薬品における承認申請書作成ノウハウおよびPMDA相談のポイント オンライン

関連する出版物

発行年月
2013/2/5 放射線医療(癌診断・治療) 技術開発実態分析調査報告書
2013/1/28 造粒・打錠プロセスにおけるトラブル対策とスケールアップの進め方
2012/3/29 治験中 / 市販後における3極安全性情報の収集・報告・評価実務と相違
2012/3/13 超入門 GMP基礎セミナー
2012/3/5 育毛剤・発毛剤 技術開発実態分析調査報告書
2012/2/16 システムの適格性確認および回顧的バリデーションの具体的実施方法
2012/2/14 LIMS導入に関する導入の留意点セミナー
2012/2/9 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応のための「回顧的バリデーション」および「リスクアセスメント」実施方法
2012/1/20 24年度診療報酬改定におけるDPC評価の全貌
2011/12/22 光学活性医薬品開発とキラルプロセス化学技術
2011/12/14 QCラボにおける厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応セミナー
2011/12/10 製薬大手5社 技術開発実態分析調査報告書
2011/9/1 厚労省ER/ES指針対応実施の手引き
2011/8/29 グローバルスタンダード対応のためのCSV実施方法
2011/8/24 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応 "SOP作成"実践講座
2011/8/3 「回顧的バリデーション」および「リスクアセスメント」実施方法
2011/7/10 抗癌剤 技術開発実態分析調査報告書
2011/7/5 分析機器やLIMSのバリデーションとER/ES指針
2011/7/1 コンピュータバリデーション実施の手引き
2011/6/29 3極申請対応をふまえた不純物の規格設定と不純物プロファイル管理