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正しい分散剤の選定・使用方法と、分散体の塗布性を上げる添加剤技術

一発必中シリーズ書籍 第2弾

正しい分散剤の選定・使用方法と、分散体の塗布性を上げる添加剤技術

~粒子分散の安定化・コントロールと評価、事例もあり!~
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概要

本書では、分散実験をする研究者・配合設計者、あるいは分散剤そのもの構造と役割の理解、選定の方法を模索されている方々を対象として記述しております。

ご案内

  • 固体粒子の分散安定化の要望は、分野を問わず多い。非常に多い。
     裾野の広いテーマでもあり、技術者・研究者の共通の悩みどころでもありましょう。
     どのような粒子を用いるか? どのような材料を他に加えるか? どのようなプロセスで加工するか? どのような環境下で用いるか?
     ⇒ 本書は、材料やプロセスの因子など“実際の場面に即した形”で、現象理解と問題解決への糸口が満載。
     ⇒ 図表も多く用い、また分散剤や表面調整剤などの化学構造を示し、その設計思想と特徴をも明らかに!
  • 本書は、分散安定化のみならず。
     添加した配合物にどんな物性面・作業性面で影響を与えるか? 使用にあたってどのように添加剤を選ぶか?
     その基準あるいは物差しとなるものはあるのか?
     ⇒ それには分散剤構造の理解が欠かせない。どう問題解決をはかるか?事例を挙げてアプローチも解説!
     ⇒ また、ほとんどオリジナルデータであり、他の引用はない。
  • さらに、分散剤以外の添加剤技術、評価方法、新しい分散剤も記述。
     なぜなら、スラリーやペースト・インキなど“塗布する段階での問題”も多いゆえ。
     せっかく分散体を作っても、きちんと塗布できないと評価もできない。
     その本来の性質も引き出すことができない。素材に十分濡れずはじいたり、泡が残ったりして不均一な塗布膜では、評価が定まらない。
     ⇒ きちんと塗れてはじめて評価に値し、工業的に意味がある。
     ⇒ 濡れ剤・消泡剤やレオロジーコントロール剤など、スラリー等の設計には不可欠の添加剤をも解説。
     本書では、分散実験をする研究者・配合設計者、あるいは分散剤そのもの構造と役割の理解、選定の方法を模索されている方々を対象として記述している。したがって分散に関する理論を説明するのが趣旨ではない。現象の理解と分散不具合の解決にむけて、分散剤を中心に糸口を提示したい。また分散体本来の特性を引き出すために、塗布性を向上させる添加剤技術に関しても述べる。いくつかの事例を通じて、分散配合の考え方を深めることを狙いとする。

目次

第1章 粒子分散安定化の必要なのはどんな分野か?

  • 1. アプリケーションの変遷を眺めてみる
  • 2. 分散がかかわっている現象は?
    • 2.1 粒子の沈降とパターン形成にも影響
    • 2.2 ツヤ・光沢・ヘイズへの影響は大きい
    • 2.3 粘度、貯蔵増粘もよくみられる不具合
    • 2.4 色浮き・色分かれとして現れる
    • 2.5 ベナードセルは表面張力と粒子の易動度の問題

第2章 分散の基礎について整理しよう!

  • 1. まず分散の過程をおさらい
    • 1.1 粒子を安定化するメカニズムをふたつ
  • 2. どんな分散機を選ぶ?
  • 3. 分散体は最終の使用環境まで見て完結する
  • 4. 分散される粒子表面はどんな特性を持つ?
  • 5. 溶媒とは無関係ではない
  • 6. 分散剤を選ぶうえでの考え方は?

第3章 湿潤分散剤の構造について整理しよう!

  • 1. 分散剤のほとんどはポリマー
  • 2. 湿潤剤と分散剤という区分
  • 3. 分散剤の構造要素は吸着基と相溶性鎖である
  • 4. 低分子量タイプにはどんなものがある?
  • 5. 高分子量タイプの特徴は?
  • 6. 極性で相溶性をコントロール
  • 7. 分子量も分散安定に影響する
  • 8. 脱凝集タイプとコントロール凝集タイプに分けられる
  • 9. 微分散安定化には分子構造が制御された分散剤が最良
    • 9.1 ABブロックとその変性タイプはすでに主流
    • 9.2 ハイパーブランチタイプが次の可能性をひらく
      • 9.2.1 ポリアミノ構造のハイパーブランチ
      • 9.2.2 ポリウレタン構造のハイパーブランチ
      • 9.2.3 ポリエステル構造のハイパーブランチ
  • 10. 水系で分散したい!
    • 10.1 水の特性を理解しよう!
    • 10.2 水系分散剤の構造を整理してみよう!
    • 10.3 表面張力の低下と泡への注意
    • 10.4 水系での膜形成への注意
    • 10.5 乾燥・皮張りへの注意
  • 11. 分散剤の膜物性への影響
    • 11.1 耐食性への影響
    • 11.2 付着性・密着性への影響
    • 11.3 耐水性への影響

第4章 粒子特性に応じて分散剤を選ぶ;事例

  • 1. 無機顔料及びフィラーの分散は表面の酸性・塩基性が重要
  • 2. カーボン系粒子の分散にはアミンとπ電子
  • 3. チタン白とカーボンブラックの混合系
  • 4. 古くて新しいシリカ粒子の分散
  • 5. セラミック粒子の分散と充填率及び電池・電極での分散
  • 6. フレーク顔料を分散安定化しよう
  • 7. 有機顔料の分散
  • 8. 顔料誘導体(シナジスト)とはなにか?

第5章 製造仕様に着目して分散剤を選ぶ

  • 1. スラリー分散と分散樹脂配合、何に配慮する?
  • 2. 共通ペーストで生産性向上
  • 3. ユニバーサルカララントで汎用性を高める
  • 4. 顔料濃度が高くてペーストが乾いてしまうとき
  • 5. 後添加で色分かれを改良できないか?
  • 6. 配合決定の手順を考える
    • 6.1 着目点と懸念事項を推定する
    • 6.2 分散剤選定ではまず相溶性・吸着基に注意
    • 6.3 どのように分散性の一次評価を行うか?
    • 6.4 性能評価を忘れない
    • 6.5 分散時ではなくレットダウン時に添加することも

第6章 事例検討・分散配合

  • 1. フレーク顔料を分散し、沈降を防止するには?;メタリック塗装
  • 2. ろ過性もよくなる;インクジェットでの分散例
  • 3. 粉状でも分散に効果がある;粉体塗料での顔料分散

第7章 関連技術で分散を確かなものに!

  • 1. 粘性コントロール剤・粘性付与剤
    • 1.1 粘性コントロールを概観する
    • 1.2 添加が容易な液状レオロジーコントロール剤
    • 1.3 ワックス系レオロジーコントロール剤も有効
  • 2. 泡・わきの防止
    • 2.1 消泡のメカニズムを理解しよう!
    • 2.2 シリコン系消泡剤は自由度が多い
    • 2.3 アクリル系及びその他のポリマー系消泡剤
    • 2.4 どのように消泡剤を添加するか?
    • 2.5 水系スラリーでの消泡剤;実際はどのように選ぶ?
    • 2.6 水系分散体には全部でどんな種類の添加剤が必要?
  • 3. 付着性・密着性もコーティングの重要課題
    • 3.1 固体の表面張力をまず理解して!
    • 3.2 液と固体の相互作用にはどんなものがあるか?
    • 3.3 顔料分散技術を基にして付着性をあげる!
  • 4. 下地への濡れ性をあげる
    • 4.1 バリエーション豊富なポリシロキサン系
    • 4.2 耐熱性は有機変性で異なる
    • 4.3 接触角を下げよう!
  • 5. スリップ性とバランスを取る
  • 6. 添加剤により表面張力を上げる
  • 7. 保護テープのはがしやすさ
  • 8. 付着防止や液をはじかせる

第8章 ナノ粒子でどんなことができているか?の例

  • 1. ナノ粒子で耐スリキズ性を塗膜に付与できる!
    • 1.1 ナノ粒子の均一分散がカギ
    • 1.2 樹脂系による違い・硬化方式による効果の違いは?
  • 2. ではなぜナノ粒子で耐スリキズ性があがるのか?
  • 3. ナノ粒子の種類・表面修飾を変えれば適性が調整できる
  • 4. ナノ粒子により架橋点を増やしてスリキズ防止
  • 5. 使い勝手のよいカーボンナノチューブの分散液
  • 6. ナノ粒子で紫外線をカット
  • 7. フィルムに混ぜるナノ粒子でUVカット

第9章 用語の説明

  • 1. レオロジー・粘性のことばを理解しよう!
  • 2. TI値はチキソトロピックの指標かしら?

第10章 どんな評価方法があるか?

  • 1. 塗膜の表面張力を測定するときには接触角の変化に注意が必要
  • 2. 動的表面張力を測定しよう
  • 3. 静的表面張力で得られる情報
  • 4. 静的表面張力測定には撹拌に注意!
  • 5. 光沢値・ヘイズ・DOIの測定
    • 5.1 DOI
  • 6. 簡単な測定で現象の理解を!
    • 6.1 色の動き
    • 6.2 静電気的反発の測定
  • 7. 分散剤の大きさは?分散体の保護層の厚さはどのくらい?

執筆者

若原 章博

ビックケミー・ジャパン株式会社
イノベーションディベロプメント

統括

出版社

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お問い合わせ

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体裁・ページ数

体裁B5判並製本 167ページ

ISBNコード

ISBN978-4-86428-070-9

発行年月

2013年7月

販売元

tech-seminar.jp

価格

47,500円 (税別) / 52,250円 (税込)

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