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シリコーン 全容理解と活用の技術

シリコーン 全容理解と活用の技術

ご案内

  • 2017年10月12日: 好評につき完売、絶版とさせていただきました。

 オイル、シーラント、接着剤、レジン、ゴム…と変幻自在に姿と機能を変えるシリコーン。その特性を把握し活用するためには、一般的に既存文献情報の理解が重要です。しかしシリコーンの場合、それらの情報発信は特定の大学とシリコーンメーカーに偏っているのが実情でした。その反作用として、化学的な論説ばかりが目立ち、工業材料としての弱点や応用技術のポイント、配合組成情報などが得られにくい状況が続いていました。これらが“シリコーンは、分かりにくい素材” と感じさせる一因でもありました。
 本書は、既存のシリコーン情報提示の在り方とは一線を隔し、シリコーン全体像の理解から説く編集方針が取られています。その上で主要な製品カテゴリー別に特徴的な技術を整理し、活用のための基本的情報が具体的に説明されています。さらに、シリコーン組成物の自社開発を志す企業のために、ゴム組成物の配合設計技術に関する情報が分かりやすく解説されています。
 本書が全てのシリコーンユーザーにとって一層の利用拡大と選択眼向上の一助となり、それが更なるシリコーン素材の躍進と拡大に寄与されることを願っています。

目次

第1章 教養としての基礎情報

  • 1.シリコーンの誕生と工業化の歴史
    • シリコンとシリコーンとシロキサン
    • シリコーン技術の萌芽と進展
    • 「シリコーン」という言葉の誕生
    • 日本におけるシリコーン工業の黎明期
  • 2.生産財としてのマーケット展開の歩み
  • 3.身近で活躍するシリコーン製品紹介
    • 架橋反応を伴わない製品
    • 架橋反応を伴う製品
  • 4.シリコーンの製造方法
    • メチル基を有するシリコーンの製造方法
  • 5.主な有機ケイ素化合物 解説
    • ケイ素と他の元素が結合する呼称
    • シランとシリケート
    • 水素原子が関係する呼称
    • ポリマーに特徴的な部分の呼称
    • シルセスキオキサン

第2章 シリコーンの化学

  • 1.分子論的考察
    • 耐熱性の優れる理由
  • 2.シリコーンの構成単位とポリマー
    • ポリマーの種類
    • ビニル基量の表現方法
  • 3.シリコーンの特徴を発現させる化学的要因
    • 液体としての化学的特徴
    • 架橋物としての化学的特徴
  • 4.多様な架橋方式と特徴
    • 一液型シリコーンの縮合架橋方式
    • 二液型シリコーンの縮合架橋方式
    • 付加型架橋方式
    • ラジカル架橋方式
    • 紫外線硬化方式
    • その他の硬化方式
  • 5.食品添加への許容と消泡のメカニズム
  • 6.シリコーンの脆弱性

第3章 主なシリコーン製品の性質と扱い方の基本

  • 1.シリコーンオイル
    • ストレートタイプシリコーンオイル
    • 留意すべき事項
    • 変性タイプシリコーンオイル
  • 2.シリコーンレジン
    • 「シリコーンレジン」に区分される3種類のシリコーン
    • シリコーンレジンの性能
  • 3.液状シリコーンゴム
    • ジャンクションコーティング
    • 光ファイバーコーティング
    • エアバッグコーティング
  • 4.ミラブル型シリコーンゴム
    • 混練技術
    • シリカの識別法
    • 有機ゴムとの相違点
  • 5.その他のシリコーン製品
    • シリコーングリースとシリコーンオイルコンパウンド
    • ハードコートレジン
    • PSA (Pressure Sensitive Adhesion)

第4章 シランカップリング剤の化学と選定

  • 1.基本構造と化学的作用
    • 分子的基本構造
    • 反応機構
    • シランカップリング剤の添加必要量の考え方
  • 2.フィラー改質剤としての用法と留意点
    • フィラーに添加効果が認められる事例の考察
  • 3.ポリマー改質剤としての用法と留意点
    • ポリエチレンの架橋
    • 有機官能基の反応を利用したポリマー改質
  • 4.カップリング効果を有する有機ケイ素化合物
    • 双官能シラン
    • 反応性シロキサンオリゴマー

第5章 低留分揮発現象と対策技術

  • 1.低留分問題の沿革
    • 低留分問題が抱えるふたつの側面
  • 2.低留分化合物の基本的性質
  • 3.低留分除去の方法と測定
    • 低留分量の測定
  • 4.まとめと対応指針

第6章 シリコーン系接着剤の活用技術

  • 1.縮合型液状接着剤の構成と留意点
    • 一液型縮合接着剤の架橋タイプごとの選択指針
      • 酢酸型
      • オキシム型
      • アルコール型
      • アミノキシ型
      • アセトン型
  • 2.付加型液状接着剤の構成と留意点
    • 使用上の留意点
  • 3.UV硬化型液状接着剤の構成と留意点

第7章 高付加価値型シリコーンゴムの基本的な設計

  • 1.耐熱性シリコーンゴム
  • 2.難燃性シリコーンゴム
    • 難燃触媒としての白金化合物
    • 一般的な難燃剤とシリコーンへの配合効果
  • 3.導電性シリコーンゴム
    • 導電性付与材料との関係性
    • 半導電性および静電気放散性付与の配合
  • 4.熱伝導性シリコーンゴム
  • 5.電波遮蔽性&電波吸収性シリコーンゴム
    • 電波遮蔽性シリコーンゴム
    • 電波吸収性シリコーンゴム
  • 6.透明性シリコーンゴム
  • 7.耐スチーム性シリコーンゴム
  • 8.その他の特性を有したシリコーンゴム
    • 高引裂性シリコーンゴム
    • 高耐久性シリコーンゴム
    • 押出加工用シリコーンゴム
    • 電線用シリコーンゴム

第8章 シリコーンゴムの配合設計と製造技術

  • 1.ポリマー調達における留意点
    • 架橋点の選択
  • 2.配合設計の基本技術
  • 3.主充填剤であるシリカの配合論
    • ゴムに対するシリカの作用
  • 4.ポリマーブレンドが不可能な理由
    • 広義のポリマーブレンドの可能性
  • 5.シリコーンに適した混練装置
  • 6.主な加工法と必要とされる加工技術
    • プレス成型
    • 押出成形
    • カレンダー成形
    • トランスファー成形
    • インジェクション成形

第9章 応用展開を拡げるための情報

  • 1.フッ素系化合物との比較
  • 2.シリコーンの安全性を考える視点
  • 3.近隣諸国のシリコーンメーカーと技術力
    • 購入検討先としての韓国・中国のシリコーンメーカー
  • 4.今後のシリコーン展開の方向性

オムニバスなあとがき

執筆者

渡辺 聡志

材料技術研究所

技術コンサルタント

出版社

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お問い合わせ

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体裁・ページ数

B5判 並製本 159ページ

ISBNコード

978-4-86428-117-1

発行年月

2015年3月

販売元

tech-seminar.jp

価格

42,750円 (税別) / 47,025円 (税込)

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