技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

治験において臨床検査値異常を正確に理解し、適切に表現するために

検査値が高値/低値となった場合の原因と適切な表現の仕方とは

治験において臨床検査値異常を正確に理解し、適切に表現するために

~薬物投与により検査値異常、身体異常を示した症例の検討~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2015年9月25日(金) 10時30分 16時30分

修得知識

  • 肝臓障害:真に肝機能障害が起きた場合の検査値変動
  • 腎障害:糸球体障害による検査値異常
  • 胆道系の障害:黄疸の鑑別
  • 溶血性副作用:溶血性疾患の特徴的な検査値変動

プログラム

 臨床検査のうち、血液や尿を対象とする検査、すなわち検体検査は、そこに含まれる物質の活性や量を測定するために客観性が高い。このため、臨床治験においては重要な項目の一つとなる。検体検査には、体液中の物質を、その (生) 化学性状 (分子量、荷電状態、酵素活性など) で測定するものと、抗原性を利用して抗原抗体反応により検出するものに大別される。
 (生) 化学性状を利用して測定する場合には、標準物質を準備することにより、測定法が同じであればどこの施設で測定しても同じ結果が得られる。一方、抗原抗体反応を利用する場合、特に血液中の抗体を測定するような場合には、適切な標準物質を準備することが困難となる。いうまでもなく、微量抗原を測定するELISAでは、標準となる抗原を準備しておけば、定量も可能とはなるが、抗体価の表現法として希釈倍率はまだ一般的である。希釈倍率で表すと、一管差、すなわち16倍と32倍は有意の差とは言わない。
 以上のことから、検査値変動は、それぞれの検査法の原理を知ったうえで適切に表現されなくてはならない。

  1. 総論
    1. 標準化
    2. 精度管理:
      • 内部精度管理
      • 外部精度管理
    3. 基準値と基準範囲:
      • 基準範囲の設定法
      • 変動要因
      • 個人の基準値
      • 臨床判断値
    4. 測定法:
      • 生化学分析
      • 免疫学的分析
    5. 検体の採取と保存:
      • 採血法
      • 採尿
      • 保存法
      • 試験管の種類
  2. 各論
    1. 活性を測定しunitとするのか、物質量を測定 mg~μg~ng~pg あるいは mol するのか
    2. 検査値が高値となった場合の原因と表現
      • 組織が壊れて血液中、尿中の濃度が上昇した
      • 体内での合成が亢進したことで濃度が上昇した
    3. 検査値が低値となった場合の原因と表現
      • 身体から喪失して低値となった
      • 体内での合成が低下したことで濃度が低下した。
      • 測定方法によりデータの乖離がありうる。
  3. 薬物投与により検査値異常、身体異常を示した症例の検討
    1. 肝臓障害:
      1. 軽度の肝細胞ダメージの場合AST、ALT、LDHが高値となるが、肝機能は低下していない例
      2. 真に肝機能障害が起きた場合の検査値変動とは。肝硬変症例で検討する。
        肝機能を反映する項目にはアルブミン、コリンエステラーゼ、凝固因子、ビリルビン、アンモニアなどがある
    2. 腎障害:
      1. 糸球体障害による検査値異常: 尿蛋白、クレアチニンクリアランス
      2. 間質障害での検査値異常:β2ミクログロブリン、
    3. 胆道系の障害:
      1. 黄疸の鑑別:血中ビリルビン (直接ビリルビン優位 胆道狭窄による。
      2. 間接ビリルビン優位 溶血 または、肝細胞での抱合能低下) 、
      3. 血中胆道系酵素 (ALP. γGTPなど) 、尿中 ビリルビンとウロビリノゲンの変動は。
    4. 溶血性副作用:
      1. 溶血性副作用の機序。
      2. 血管内溶血と血管外溶血
      3. 溶血性疾患の特徴的な検査値変動 (ビリルビンは上記3) 赤血球恒数と網赤血球数。
      4. 血中ハプトグロビン濃度、尿ヘモグロビン、ヘモジデリンの変動。
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 福地 邦彦
    昭和医療技術専門学校
    特任教授 / 医師

会場

ゆうぽうと

5F はまゆう

東京都 品川区 西五反田8-4-13
ゆうぽうとの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 38,000円 (税別) / 41,040円 (税込)
複数名
: 20,000円 (税別) / 21,600円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 20,000円(税別) / 21,600円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 38,000円(税別) / 41,040円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 40,000円(税別) / 43,200円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
  • 受講者全員が会員登録をしていただいた場合に限ります。
  • 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/5/14 入門者のための基本から学ぶGMP オンライン
2024/5/14 診断薬業界に求められるビジネスモデルと事業・製品戦略 オンライン
2024/5/16 医薬品ライセンス契約のドラフティングと紛争回避・解決のポイント オンライン
2024/5/16 Computer Software Assuranceセミナー オンライン
2024/5/17 データインテグリティを踏まえたGMP文書・SOP・記録の作成と管理 オンライン
2024/5/17 医薬品製剤の生物学的同等性とその定量的な予測方法の現状 オンライン
2024/5/20 改正GMP省令を踏まえたGMP適合性調査対応 効率的なGQP/GMP - QA連携とQA/QC業務範囲の明確化 オンライン
2024/5/20 無菌・滅菌製品、滅菌プロセス、滅菌バリデーション業務者教育コース (初級・入門 Aコース + 中・上級 Bコース) オンライン
2024/5/20 滅菌バリデーションの深堀と見落としがちな滅菌バリデーションの留意点、最新米国FDA等EO環境問題と代替滅菌プログラム動向、無菌性保証とパラメトリックリリース (PIC/S ANNEX17) とその推奨 オンライン
2024/5/20 バイオ医薬品開発を目的としたタンパク質溶液の安定化と添加剤の効果/選定 オンライン
2024/5/21 GMP工場の設備設計および維持管理のポイント オンライン
2024/5/21 新規モダリティ分野における各事業性評価手法と不確実性要素の注意点 オンライン
2024/5/21 医薬品開発におけるグローバルマーケットを見据えた知財戦略と出願・権利化選定/評価 オンライン
2024/5/21 FDA査察対応セミナー 入門編 オンライン
2024/5/22 実務で使える製造販売後調査等 (GPSP) 実施における留意点 オンライン
2024/5/22 診断薬業界に求められるビジネスモデルと事業・製品戦略 オンライン
2024/5/23 希少疾患の臨床開発・承認申請戦略 戦略構築への活用 オンライン
2024/5/23 希少疾病用医薬品 (オーファンドラッグ) の薬価算定の実際と薬価戦略 オンライン
2024/5/23 医薬品 洗浄バリデーションセミナー オンライン
2024/5/24 動物用医薬品開発の為の医薬品試験データの活用法と評価 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応 (製本版 + ebook版)
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応
2024/1/31 不純物の分析法と化学物質の取り扱い
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略 (製本版 + ebook版)
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略
2023/11/30 当局査察に対応した試験検査室管理実務ノウハウ
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション -
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション - (製本版 + ebook版)
2023/8/31 ゲノム編集の最新技術と医薬品・遺伝子治療・農業・水畜産物
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応 (製本版 + ebook版)
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応
2023/2/28 mRNAの制御機構の解明と治療薬・ワクチンへの活用
2023/1/31 新規モダリティ医薬品のための新しいDDS技術と製剤化
2023/1/31 超入門 改正GMP省令セミナー
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法 (製本版 + ebook版)
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法
2022/11/30 抗体医薬品製造
2022/7/29 ペプチド医薬品の開発・事業化戦略および合成・分析・製造ノウハウ
2022/6/24 Trial Master File (TMF) の保管・電磁化移行とeTMFシステム実装時のSOP作成/指摘事例・対策 (製本版 + ebook版)
2022/6/24 Trial Master File (TMF) の保管・電磁化移行とeTMFシステム実装時のSOP作成/指摘事例・対策