技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

プロセスインフォマティクスのためのデータ解析・機械学習の実践法

プロセスインフォマティクスを現場で活用するための

プロセスインフォマティクスのためのデータ解析・機械学習の実践法

~化学プロセスにおける前処理・モデル選定・小規模データ対応~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、プロセスインフォマティクスについて基礎から解説し、化学プロセスにおける前処理、モデル選定、小規模データ対応の実践ノウハウを解説いたします。

配信期間

  • 2025年9月25日(木) 10時00分2025年10月5日(日) 17時15分

お申し込みの締切日

  • 2025年9月25日(木) 10時00分

プログラム

第1部 化学プロセスにおけるスペクトルデータ解析の基礎と実践

(2025年9月25日 10:00〜11:30)

 データ科学によって化学プロセスデータの利活用を促進し、研究・開発を加速することを目指すプロセス・インフォマティクスやケモインフィマティクスが高い注目を集めています。特に、反応プロセス環境や物質・材料の状態をモニターするためには欠かすことができないスペクトル解析に目を向けると、スペクトルデータを大量に取得できる装置環境が整ってきているとはいえ、複雑な形状をとるものや、フィッティングにかかる手間などから網羅的に解析・情報抽出を実施することが困難になってきています。
 本講演は、このようなスペクトルデータ解析の課題に注目をし、取得したスペクトルデータからの情報抽出のための機械学習活用について、「分類」「低次元化」「回帰」「ピーク検知」といった視点から、機械学習の数理的な側面も交えながら基礎的な内容を紹介します。

  1. 化学プロセスデータに対する機械学習の基礎
    1. 機械学習の基礎
    2. 機械学習応用の流れと課題設定の重要性
    3. 代表的な機械学習応用事例の紹介
    4. 化学プロセスデータの特徴と注意点
    5. 情報科学市民権
    6. 材料科学の立場として忘れてはいけないこと
  2. スペクトルデータの低次元化とクラスター解析
    1. 高次元データとしてのスペクトルと低次元化の重要性
    2. 分類:教師あり学習と教師なし学習
    3. 特徴空間と類似度
    4. 特徴空間の解釈性と表現性
    5. 主成分解析によるスペクトルの低次元化
    6. k-means法によるスペクトルの分類
    7. 階層的クラスタリングによるスペクトルの分類
  3. 予測 (回帰) :予測モデルとモデル選択
    1. 予測・モデル選択の応用例
    2. モデル推定の種類
      • 最尤法
      • MAP推定
      • ベイズ推定
    3. 確率論的にみた回帰と正則化
    4. 非線形モデリングの困難
    5. マルコフ連鎖モンテカルロ法によるパラメータ最適化
    6. 情報量基準によるモデル選択
    7. 解析事例
  4. スペクトル解析のためのEMアルゴリズムによるピーク検知
    1. ピーク検知のための処理フロー
    2. 非線形最小二乗法の困難
    3. 回帰と分布推定の違い
    4. ガウス分布の最尤推定
    5. EMアルゴリズムによる最尤推定
    6. スペクトル解析のための改良EMアルゴリズム
    7. 解析事例

第2部 プロセスインフォマティクスを成功に導く前処理の重要性とその実践法

(2025年9月25日 12:15〜13:45)

 素材・材料開発における製造プロセスの最適化は、材料開発において高品質な製品を効率的に生産するために欠かすことはできない。プロセスインフォマティクスは、材料の化学反応や物理的変化を適切に制御し、理想的な材料特性を作りこむための技術であり、材料開発の効率化、製品の品質向上、品質ばらつきの低減、生産コストの削減に直結する。製造プロセスは、原料の種類や投入手法、反応条件など多くの制御因子が互いに複雑に関係しあっており、適切な制御は容易ではない。従来の原因解明型の管理方法では、課題の再発や新たな課題の発生が避けられないことが多く、これを解決するためにインフォマティクス技術の活用が進められている。通常、製造プロセスで扱われるデータは、因子が複雑で、膨大である。これらデータの前処理、可視化が、プロセスインフォマティクスを有効に活用するための重要なポイントであり、製造プロセスの最適化の成否を左右する。
 本講演では、当社が実際に取り組んだ製造プロセスの最適化に関する事例を紹介し、製造プロセスにおけるデータの前処理、可視化の重要性やデータ解析の手法などの具体的な進め方について説明する。また、世界中で活発に取り組みが進められている実験自動化・自律化への期待とその実現に向けた当社の取り組みについても紹介する。

  1. はじめに
    1. 当社R&Dの目指す姿
    2. 素材・材料開発へのインフォマティクス活用とその期待
  2. 反応制御におけるインフォマティクス活用
    1. 材料開発における反応プロセス制御の重要性
    2. 反応プロセス制御の課題とインフォマティクス活用
  3. 事例から見る反応プロセスへのインフォマティクス活用
    1. テーマ概要 複数の反応プロセスからなる原料の品質設計
    2. データ可視化の重要性
    3. データ解析は反応プロセスのどこまで考慮するか
    4. 反応プロセスを制御するための特徴量側の工夫
  4. 実験自動化の現状と期待
    1. 実験自動化・自律化へ期待すること
    2. MIと実験自動化の融合による自律的な開発サイクル
  5. まとめ
    • 質疑応答

第3部 プロセスデータにおける変数選択とモデル最適化の実践

(2025年9月25日 14:00〜15:30)

 プロセスインフォマティクスでは、製造装置の構成や運転条件など膨大な組み合わせの中から、目標性能を達成する最適プロセス条件を、情報技術を用いて高速に見出し、開発時間を大幅に短縮することを目的の一つとする。このような文脈では、データから有用な情報を引き出すために機械学習モデルを構築し、それを用いてプロセスの予測や制御、異常検知などを行うケースが多い。その際、モデルの入力となる説明変数の選択とモデルのハイパーパラメータ (学習アルゴリズムの設定値) の最適化は、モデル精度・汎化性能や解釈性に直結する重要な課題である。
 このセッションにおいては、説明変数選択とハイパーパラメータ最適化について説明する。

  1. 基本概念と仕組み
    1. 説明変数選択の手法
    2. ハイパーパラメータ最適化の手法
  2. 実務における手順や手法の選定基準と制約条件下での運用方法
    1. モデル開発の基本手順
    2. 手法選定のポイントと制約への対応
    • 質疑応答

第4部 小規模データに強いモデル構築の進め方

(2025年9月25日 15:45〜17:15)

 近年、新聞・テレビ・ウェブメディアなどのあらゆる場面で「機械学習」や「AI」という言葉を見聞きする機会が飛躍的に増えました。しかし、一口にAIと言っても、その内部には目的や構造の異なる多彩なアプローチが存在します。
 本講演では、その広大なAIの世界の中でも特に存在感を放つ「ニューラルネットワーク」にスポットを当て、仕組みと現場での活用テクニックを平易に解説します。ニューラルネットワークは“万能関数”とも称され、画像認識から自然言語処理まで幅広いタスクをこなせる一方で、その万能性ゆえに学習データへ過度に適合する「過学習」に陥りやすいという課題を抱えています。特にデータ量が限られる環境では、モデルの特性を理解したうえで、正則化や転移学習、モデル構造の制約といった工夫を組み合わせることが不可欠です。
 講演では「実務でニューラルネットワークを使ってみたいが、どこから手を付ければよいか分からない」と感じる初学者を主対象に、まず利点と弱点を整理し、その後CNN・RNN・GNNなど構造の異なるネットワークを例示しながら、それぞれがどのようなシーンで効果を発揮するかを紹介します。参加者が自身の課題に合ったモデルを選び、適切なパラメータ設定と評価方法を検討できるようになることをゴールとしています。講演内では化学工学分野におけるニューラルネットワークの活用事例も紹介する予定です。

  1. 機械学習の基礎とニューラルネットワークの概要
    1. 機械学習の基本と従来手法との違い
    2. ニューラルネットワークの仕組み
    3. 誤差逆伝播法
  2. ニューラルネットワークの特徴
    1. 全結合型ニューラルネットワーク
    2. 時系列データ用のニューラルネットワーク
    3. 多次元データ用のニューラルネットワーク
  3. 限られたデータへの応用
    1. 小規模データへの対応手法の概要
    2. 制約条件の付与
    3. 転移学習の活用
    • 質疑応答

講師

  • 安藤 康伸
    東京科学大学 総合研究院 化学生命科学研究所
    准教授
  • 新明 健一
    積水化学工業 株式会社 先進技術研究所 情報科学推進センター MI推進グループ
    グループ長
  • 滝 勇太
    株式会社 構造計画研究所 IoEビジネス部 知能情報工学室
    室長
  • 村上 裕哉
    静岡大学 工学領域 化学バイオ工学系列
    講師

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
  • 5名様以降は、1名あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 220,000円(税別) / 242,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 250,000円(税別) / 275,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

アーカイブ配信セミナー

  • 当日のセミナーを、後日にお手元のPCやスマホ・タブレッドなどからご視聴・学習することができます。
  • 配信開始となりましたら、改めてメールでご案内いたします。
  • 視聴サイトにログインしていただき、ご視聴いただきます。
  • 視聴期間は2025年9月25日〜10月5日を予定しております。
    ご視聴いただけなかった場合でも期間延長いたしませんのでご注意ください。
  • セミナー資料は別途、送付いたします。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/7/3 実験計画法 入門講座 オンライン
2025/7/14 実験の自動化による研究効率、データ品質の向上 オンライン
2025/7/15 開発の質と効率を向上する汎用的インフォマティクス & 統計的最適化 実践入門 オンライン
2025/7/15 製造、生産業務へのロボット導入、ティーチングの進め方と生成AIの活用 オンライン
2025/7/16 開発の質と効率を向上する汎用的インフォマティクス & 統計的最適化 実践入門 オンライン
2025/7/16 R&D部門の研究・実験データのExcelにおける効果的な蓄積・分析技術 オンライン
2025/7/18 リーン製品開発による製品開発プロセス改革の進め方 オンライン
2025/7/23 セラミックス製造プロセス低温化とAIを活用したプロセス最適化手法 オンライン
2025/7/24 ニューラルネットワーク分子動力学法の基礎とその応用展開 オンライン
2025/7/24 セラミックス製造プロセス低温化とAIを活用したプロセス最適化手法 オンライン
2025/7/25 図解と演習を用いて簡単に理解できる実験計画法入門 オンライン
2025/7/28 図解と演習を用いて簡単に理解できる実験計画法入門 オンライン
2025/7/29 人工知能応用技術ディープニューラルネットワークモデルとMTシステムの基礎・学習データ最小化・エンジニアリング応用入門 オンライン
2025/7/30 ケモインフォマティクスと機械学習による化学データ解析 オンライン
2025/7/31 生成AIを活用した新規事業構築プロセス : 調査から評価までの包括的活用 オンライン
2025/7/31 ケモインフォマティクスと機械学習による化学データ解析 オンライン
2025/8/1 マテリアルズインフォマティクスの基盤となる「計算科学シミュレーション技術」 オンライン
2025/8/1 生成AIを活用した新規事業構築プロセス : 調査から評価までの包括的活用 オンライン
2025/8/4 マテリアルズ・インフォマティクスへのデータ分析とその進め方 オンライン
2025/8/8 機械学習による適応的実験計画 オンライン