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コーティングプロセスにおける界面化学とレオロジー解析

コーティングプロセスにおける界面化学とレオロジー解析

~濡れ性と粘弾性からコーティングを正しく把握する~
オンライン 開催

視聴期間は2025年8月20日〜9月2日を予定しております。
お申し込みは2025年8月20日まで承ります。

概要

本セミナーでは、界面化学、レオロジーの基礎や高分子のレオロジーと微粒子分散系の安定性について説明した後に、コーティングプロセスを液膜形成過程と乾燥硬化過程に分け、技術的観点から様々な事例について解説いたします。

開催日

  • 2025年8月20日(水) 13時00分 2025年9月2日(火) 16時30分

受講対象者

  • 塗布に関わる材料を扱う技術者
    • 塗料
    • インキ
    • 接着剤など

修得知識

  • 界面化学の基礎
  • レオロジー測定の基礎
  • 界面物性測定の基礎

プログラム

 コーティング液の多くは、媒体中にバインダーなどの高分子や顔料などの微粒子が分散した不均一系流体であり、コーティング液の物性制御およびプロセス管理と密接に関係する科学はバルクのレオロジーと濡れ性に関する界面化学です。塗料やインクなどは液体状態で紙、プラスチック、金属などに塗布された後、乾燥や化学反応などを経て固体塗膜となりますが、この過程に密接に関連するのは濡れ性に関する界面化学です。一方、液体中に分散した微粒子は、ほとんどの場合、その界面化学的性質に起因して凝集しており、その効果はレオロジー的性質に大きく反映されます。コーティングにおける薄膜化の動的過程では、コーティング液は流動しているので、そのレオロジー的性質が塗布性に深く関わっています。さらに、高分子はコーティング液の粘弾性的性質に大きな影響を与えるとともに成膜性と皮膜の性能を支配する重要な要素となっています。
 本セミナーでは、最初に界面化学とレオロジーの基礎、次にコーティング液の材料科学として高分子のレオロジーと微粒子分散系の安定性について説明します。続いてコーティング技術を総合的に理解するために、コーティングプロセスを液膜形成過程と乾燥硬化過程に分け、技術的観点から様々な事例について解説します。

  1. 界面化学の基礎
    1. 表面張力と表面エネルギー
    2. 固液界面における濡れと接触角
    3. Zismanプロットと臨界表面張力
    4. 表面の幾何学と超撥水
    5. 溶液の表面張力と界面活性剤の吸着
    6. 臨界ミセル濃度と表面張力
  2. レオロジーの基礎
    1. 連続体力学の基礎
      1. ひずみ
      2. ひずみ速度 (剪断速度)
      3. 応力
    2. 粘性の基礎
      1. 粘度 (粘性率) の定義
      2. 非ニュートン流動
        • 擬塑性流動
        • ダイラタント流動
      3. チクソトロピー
      4. 技術用語としてのチクソ性
    3. 粘弾性の基礎
      1. 弾性と粘性の基本的性質
      2. 粘弾性モデルと典型的な粘弾性挙動
      3. 動的粘弾性関数の定義とその意味
      4. 動的粘弾性曲線に基づく流体と固体の判別
  3. コーティング液の材料設計に関わる界面化学とレオロジー
    1. 粒子分散系のコロイド化学的安定性
      1. 粒子の帯電とζ-電位
      2. イオン雰囲気と電気二重層
      3. DLVO理論と粒子の分散安定性
      4. 吸着高分子と粒子の分散安定性
      5. 凝集分散系のレオロジー的性質
      6. 実際の分散系調製に際しての留意点
    2. 高分子液体のレオロジー
      1. 高分子の分子運動
      2. 高分子の分子量と粘度挙動との関係
      3. 高分子溶液の非ニュートン流動
      4. ガラス転移と時間-温度換算則
      5. 高分子の分子量と粘弾性挙動との関係
      6. 結晶性高分子の粘弾性挙動
  4. コーティング液の薄膜形成に関わる界面化学とレオロジー
    1. レベリングにおける表面張力と粘度
    2. 工業的コーティングプロセスにおける支配因子
      1. スピンコートにおける膜厚と粘度
      2. ディップコートにおける粘度と表面張力
      3. リバースコータにおけるキャピラリー数と不安定流動
      4. ドクターブレードにおける不安定流動と法線応力効果
      5. 非線形粘弾性と塗工性
      6. 分散系の降伏挙動と印刷適性
      7. 降伏応力をもつ分散系に対する表面張力の影響
    3. インクジェットにおける動的表面張力と動的粘弾性
  5. コーティング液の固化過程に関わる界面化学とレオロジー
    1. 粘性液体から弾性固体への固化過程の概要
    2. 反応硬化過程における三次元網目形成と粘弾性挙動
    3. ジェットインクの浸透乾燥と界面化学
    4. グラビアインキにおける濡れ性と接着強度
    5. エマルション塗料の融着成膜
    6. トナーにおける冷却固化と動的粘弾性に関するパラメータ特許
    • 質疑応答

講師

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 34,400円 (税別) / 37,840円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 34,400円(税別) / 37,840円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

アーカイブ配信セミナー

  • 「ビデオグ」を使ったアーカイブ配信セミナーとなります。
  • 当日のセミナーを、後日にお手元のPCなどからご視聴ができます。
  • お申し込み前に、 視聴環境 をご確認いただき、 視聴テスト にて動作確認をお願いいたします。
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  • 視聴期間は2025年8月20日〜9月2日を予定しております。
    ご視聴いただけなかった場合でも期間延長いたしませんのでご注意ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。

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