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高分子の難燃化技術の体系と最近の動向

高分子の難燃化技術の体系と最近の動向

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、高分子難燃化技術について取り上げ、難燃剤の基礎、技術、規制、評価試験法を体系的にわかりやすく解説いたします。

開催日

  • 2025年7月25日(金) 10時30分16時30分

受講対象者

  • 高分子材料開発に関わる技術者
  • 高分子材料の品質管理担当者
  • 製品組み立てメーカーの技術者
  • 日本の再生材事業者

修得知識

  • 加工性を損なわない難燃化処方
  • 新しい難燃剤の材料設計
  • 難燃に関する規格と試験法
  • 再生プラスチックの難燃化
  • バイオマス・植物由来樹脂の難燃化
  • EV内装や電池の難燃技術の動き

プログラム

 火災は急激に進行する酸化反応であり、その現象を科学的に扱いにくいトランスサイエンス (注) である。10数年前から流行しているマテリアルズインフォマティクスに代表されるデータサイエンスの手法は、このような分野の技術開発に便利な手法であり、講師はデータサイエンスの黎明期から、その手法で技術開発を進めてきた。数年前には、この分野で用いることが可能な深層学習はじめ各種手法の比較を日本化学会春季年会で発表している。ところで、高分子材料の難燃化技術は、1970年代から1980年代にかけて技術がほぼ完成し、現在実用化されている難燃性高分子材料はこの時代の技術を基礎としている。しかし、21世紀になり、高分子材料の環境問題が顕在化して、それに対応する技術開発という新たな課題が生まれた。
 本セミナーでは、高分子の難燃化技術について40年以上前のデータサイエンスの手法による成果を事例に開発手法の基礎知識や難燃化技術の体系を最初に説明する。この基礎知識をもとに、最近ニーズが高まっている再生樹脂の難燃化技術についてタグチメソッドによる開発事例や、最新のデータ駆動の方法により開発した「PETボトルのリサイクル樹脂」を事例に、新たな難燃性樹脂を開発する手法を指南するとともに、樹脂ユーザーの立場で難燃性樹脂を用いるシステムの基本機能を考えるヒントを解説する。2022年4月に再生樹脂をはじめとする環境対応樹脂に関する新たな法律が施行されたが、本セミナーでは、この法律についても触れるとともに、講演者が招待された再生樹脂に関する国際会議の様子も紹介する。

  1. 緒言
    1. 火災と高分子の難燃化技術
    2. 難燃化技術研究の歴史
    3. データサイエンスについて
  2. 難燃性の評価試験法
    1. 高分子材料の概略と評価試験法
    2. 極限酸素指数法
    3. UL94評価試験法
    4. コーンカロリーメーター
  3. 高分子の難燃化技術の基礎
    1. 高分子の難燃化メカニズム
      1. 耐熱性高分子の高次構造の問題
      2. フェノール樹脂発泡体のLOI残渣分析
      3. 高分子の難燃化手法
    2. 炭化促進型難燃化技術の事例
      1. ホスファゼン変性ポリウレタン発泡体
      2. ホウ酸エステル変性ポリウレタン発泡体
      3. 重回帰分析とディープラーニング比較
  4. 高分子のプロセシングと難燃化技術
    1. 高分子のプロセシング概論
      1. コンパウンディング技術
      2. パーコレーション転移
    2. 事例:再生材を用いたPC/ABSの難燃化
      1. タグチメソッドによる開発事例
      2. カオス混合の効果
    3. 事例:PETボトルリサイクル材を用いた難燃性射出成形体
      1. データ駆動による材料開発事例
      2. カオス混合の効果
    4. 事例:主成分分析による難燃性コンパウンドの工程問題解決
  5. 高分子難燃化技術と環境問題
    1. 環境問題の変遷概論
    2. 「第19回中国国際プラスチックリサイクル会議および展示会
      ならびに家電・自動車プラスチックリサイクルサミットフォーラム」招待講演および会議の要約
    3. 事例:難燃性半導体ベルトのLCA
  6. まとめ
    1. 難燃性高分子材料の設計
    2. 高分子材料の耐久性と信頼性工学
    3. DXと技術者
    • 質疑応答

講師

主催

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お問い合わせ

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(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
  • 5名様以降は、1名あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 180,000円(税別) / 198,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 210,000円(税別) / 231,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
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