技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

フィルムの乾燥プロセス技術と設備設計およびトラブル対策

フィルムの乾燥プロセス技術と設備設計およびトラブル対策

オンライン 開催

アーカイブ配信で受講をご希望の場合、視聴期間は2024年10月22日〜31日を予定しております。
アーカイブ配信のお申し込みは2024年10月29日まで承ります。

概要

本セミナーでは、乾燥プロセスのイメージ作りができるよう、乾燥現象の基礎と留意点についてわかりやすく解説いたします。
基礎理論を紹介した上で、演習ツールを活用して、実際の乾燥条件の計算方法を紹介いたします。
更に、風ムラやベナールセルなど塗工品で発生する面状トラブルの原因と対策についても解説いたします。

開催日

  • 2024年10月21日(月) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • フィルムメーカー、コンバーター、Roll To Roll工程に携わる技術者
  • 塗工研究や製造に携わる方
  • これからRoll To Rollに関わる方

修得知識

  • Roll To Roll製造における乾燥現象の考え方
  • 乾燥工程の設計方法
  • 乾燥炉長の見積り方
  • 乾燥設備の違いと特徴
  • 実験室から量産にスケールアップする際の留意点

プログラム

 機能性フィルムをRoll To Rollのウェット工程で製造する際、塗って乾かす工程が必ず必要になる。この中で、乾燥工程は膜質に大きく影響し、新製品開発をスケールアップして量産機で試作しても、少量品の品質性能を再現しにくい一因である。更に乾燥速度は生産能力速度に直結するので、品質を損なわずに生産性を保つ乾燥方法と条件を見つめなければならない。このように乾燥工程はフィルム製品を作る上で重要な要因であるにもかかわらず、多くの研究者や工程技術者は「乾燥は難解」という印象を持っているであろう。何故ならば、乾燥を解説した書物や論文は特殊な現象を取り扱っていたり、厳密さを突き詰めるがあまり、数式が羅列して難篩過ぎるからである。また、塗工液には水系と有機溶媒系があり、乾燥現象を共通して取り扱う書物が少ない。しかし、乾燥現象は洗濯や風呂あがりのドライヤーなど、日常生活で経験する現象であり、乾き方や乾燥時間について誰もがイメージを持っているし、水系・有機溶媒系に関わらず移動現象として共通した説明が可能なはずである。
 そこで、「程ほどにイメージを持てる丁度良い解説」を目指して、このセミナーでは「乾燥プロセスのイメージ作り」ができるよう、乾燥現象のツボを難篩過ぎず解りやすく解説する。基礎理論を紹介した上で、演習ツールを活用して、実際の乾燥条件の計算方法を紹介する。更に風ムラやベナールセルなど塗工品で発生する面状トラブルの原因と対策についても解説する。
 また、本講演はRoll To Roll工程のスペシャリストである浜本氏と、乾燥機メーカー開発課長の工藤氏との共催で、なかなか知ることの無い、乾燥設備設計における留意点等、実務に近い知識も習得できる内容となっている。

第1部 フィルム乾燥の基礎 (浜本氏)

  1. はじめに
    1. はじめに
    2. 「減率乾燥」と「限界含水率」
    3. 塗工と乾燥 (開発とパイロットと量産)
    4. フィルムが利用されている製品は?
    5. 製品に占めるフィルム要素
    6. フィルムの構成要素〜厚みと層数〜
    7. 塗る〜溶かした液を塗る (Dry厚÷濃度=Wet膜厚)
    8. 開発のステップ
    9. 実験室とRollToRollの違い
    10. 乾かし方も色々
    11. 日常生活で関わる乾燥
    12. 家庭の乾燥機器
    13. 乾燥の支配因子
    14. このセミナーの進め方
  2. 【基礎編】乾燥設備と溶媒の寄与
    1. 乾燥風の供給方法 (並列と直列)
    2. 乾燥風の供給方法 (並行流)
    3. 乾燥風の吹き出し方式 (二次元ノズル)
    4. 乾燥風の吹き出し方式 (多孔板)
    5. 乾燥風の吹き出し方式 (浮上系)
    6. 溶媒の寄与 (水と他の溶媒の違い)
    7. 乾燥に関わる物性値
    8. 水系の乾燥速度
    9. 塗膜の表面温度は湿球温度 (空気線図)
    10. 比エンタルピー (=潜熱+顕熱)
    11. 水と他の溶媒との違い (1) 蒸発潜熱
    12. 他の溶媒との違い (2) 飽和蒸気圧
    13. 他の溶媒との違い (3) 飽和蒸気圧と温度
    14. 各溶媒の空気線図
    15. 等湿球温度線 (1) 水はLewis近似式
    16. 等湿球温度線 (2) Colburn – Chiltonの相関
    17. 物質と熱の拡散 (ルイス数)
  3. 定率期間と減率期間
    1. 限界含水率と固形分濃度
    2. 乾燥中の膜内の溶媒移動
    3. 減率乾燥の実測 (水〜PVA)
  4. ,【演習】乾燥計算の練習 (第1ラウンド)
    1. 風量の影響
    2. 湿度の影響
    3. 風温の影響
    4. 溶媒の影響

第2部 乾燥設備編 (工藤氏)

  1. 乾燥設計と熱伝達率
    1. 熱伝達率とは
    2. 熱伝達率と物質伝達率の関係
    3. 物質伝達率と蒸気量の関係
    4. 有機溶剤の飽和蒸気圧の見積り方
    5. ノズルピッチと熱伝達率の関係
    6. ノズル高さと熱伝達率の関係
    7. スリット幅と熱伝達率の関係
    8. ノズル風速と熱伝達率の関係
    9. 乾燥に最適な炉長はどう決める?
    10. ノズルの条件を変えて、乾燥炉長を推定してみよう
  2. ノズル設計における留意点
    1. ノズル圧とノズル風速の関係
    2. ノズル内速度分布はなぜ起きる?
    3. ノズル速度分布解消方法
    4. ノズルの笛吹き現象
    5. 笛吹き現象の対処方法
  3. 乾燥システムの設計
    1. 乾燥熱源の種類と特徴
    2. 水性溶剤の乾燥と除湿空気の関係
    3. 除湿空気の作り方
    4. 水性塗工の生産性を高めるには
    5. VOCの測定方法・検知方法
    6. VOC濃度コントロールシステム
    7. VOC濃度と乾燥効率の関係
    8. VOC濃度に関する法規要求
  4. VOC処理技術
    1. VOCの処理方法と特徴
    2. RTOでの圧力変動はなぜ起きる?
    3. 圧力変動対策

第3部フィルム乾燥の応用編 (浜本氏)

  1. 減率乾燥速度
    1. 簡易計算法 (乾燥係数N=1/2〜2/3)
    2. 乾燥係数をN=1にすると? (収束しない)
    3. 減率乾燥を実測で見積もるために
    4. 減率乾燥を実測で見積もる手順
    5. 水系の限界点・仮想点・乾燥点 (PVA水溶液)
    6. 単溶剤系の乾燥速度 (親水/疎水性と湿度)
      1. 成分系の減率乾燥 (MEK+トルエン)
      2. 成分系の室温乾燥 (MEK+シクロヘキサノン)
      3. 成分系の溶媒比率 (MEK+EB)
      4. 成分系の乾燥挙動
      5. 成分系の乾燥見積もり
    7. 粒子〜高分子の混合系 (SiO2+PVA)
    8. 共沸混合物の乾燥
    9. 熱風の風速による風紋対策
  2. 乾燥設備
    1. 一般的な構成 (予熱・加熱・絶乾・冷却)
    2. 乾燥方式と伝熱係数
    3. 各方式の能力比較
    4. 乾燥効率の支配因子 (噴流)
    5. 噴流の距離と減衰
    6. 多孔板と二次元ノズル (軸対象とスリット)
    7. 多孔板と二次元ノズルの乾燥計算
    8. 多孔板の孔形状
    9. 幅要因 (どこで排気するか?)
    10. 風の分配と風向 (傾斜ノズル)
    11. フローティング (浮上系)
    12. 風の取り回し (直列と並列)
    13. 風の取り回し (品質と省エネと投資)
    14. 揮発溶媒の処理 (RTO)
    15. 揮発溶媒の処理 (溶剤回収)
  3. 【演習】乾燥方式と必要な炉長 (第2ラウンド)
    1. 並行流
    2. 二次元ノズル
    3. 多孔板
    4. 複合ゾーン

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

案内割引・複数名同時申込割引について

R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
案内および割引をご希望される方は、お申込みの際、「案内の希望 (割引適用)」の欄から案内方法をご選択ください。

「案内の希望」をご選択いただいた場合、1名様 42,000円(税別) / 46,200円(税込) で受講いただけます。
複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。

  • R&D支援センターからの案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,000円(税別) / 46,200円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
  • R&D支援センターからの案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)

ライブ配信対応セミナー / アーカイブ配信対応セミナー

  • 「Zoom」を使ったライブ配信またはアーカイブ配信セミナーのいずれかをご選択いただけます。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。

ライブ配信セミナーをご希望の場合

  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

アーカイブ配信セミナーをご希望の場合

  • 当日のセミナーを、後日にお手元のPCやスマホ・タブレッドなどからご視聴・学習することができます。
  • 配信開始となりましたら、改めてメールでご案内いたします。
  • 視聴サイトにログインしていただき、ご視聴いただきます。
  • 視聴期間は2024年10月22日〜31日を予定しております。
    ご視聴いただけなかった場合でも期間延長いたしませんのでご注意ください。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/11/6 知っておくべきクリーンルームの基礎知識 オンライン
2024/11/7 レオロジーの基礎とチクソトロピー オンライン
2024/11/8 フィルム製造の技術、プロセスの全体像の把握 オンライン
2024/11/12 ペロブスカイト太陽電池における塗工・乾燥のスケールアップ オンライン
2024/11/13 知っておくべきクリーンルームの基礎知識 オンライン
2024/11/13 欧州PFAS規制の動向とフッ素樹脂製品への影響 オンライン
2024/11/13 実験室における高薬理活性物質の取り扱い/封じ込め対応と区分による要求レベル オンライン
2024/11/13 フレキシブルデバイス向け ハイバリアフィルムの成膜技術と最新動向 オンライン
2024/11/14 乾燥・粉砕・造粒工程でのトラブル事例から見る最適な機器選定/スケールアップのポイント オンライン
2024/11/15 レオロジーの基礎とチクソトロピー オンライン
2024/11/15 ウェットコーティングの全体技術を速習 単層・重層塗布方式各々の特徴、および塗布故障の原因と対策を理解 オンライン
2024/11/19 分離工学の基礎、各種技術 (蒸留・抽出・吸着・膜分離) とシミュレーションによる簡単解析 オンライン
2024/11/20 マイクロ波による加熱の基礎と応用および安全対策 東京都 会場
2024/11/20 ペロブスカイト太陽電池における塗工・乾燥のスケールアップ オンライン
2024/11/20 塗布・乾燥工程の基礎と高均質薄膜作製のポイント オンライン
2024/11/22 化学工場配属者が知っておきたい現場の装置・化学工学必須知識 (2日間) オンライン
2024/11/22 半導体洗浄の基礎と要点、困ったときの対策 オンライン
2024/11/22 化学工場配属者が知っておきたい現場の装置必須知識 オンライン
2024/11/25 塗料・塗膜の基礎知識 (塗装系) 、塗膜欠陥の発生メカニズムと評価分析技術 東京都 会場
2024/11/26 塗布膜乾燥プロセスの解明・考察・本質の理解と塗布膜の設計、不良・欠陥対策への応用 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/8/30 塗工液の調製、安定化とコーティング技術
2023/11/30 造粒プロセスの最適化と設計・操作事例集
2023/5/31 塗布・乾燥のトラブル対策
2022/5/31 分離工学の各単位操作における理論と計算・装置設計法
2022/5/23 クリーンルーム〔2022年版〕(CD-ROM版)
2022/5/23 クリーンルーム〔2022年版〕
2022/5/20 コーティング技術の基礎と実践的トラブル対応
2021/3/26 超撥水・超撥油・滑液性表面の技術 (第2巻) (製本版 + ebook版)
2021/3/26 超撥水・超撥油・滑液性表面の技術 (第2巻)
2020/10/30 クリーンルームの微小異物・汚染物対策と作業員教育
2020/5/29 凍結乾燥工程のバリデーションとスケールアップおよびトラブル対策事例
2020/1/30 凍結乾燥の最適な条件設定による品質の安定化 - ラボ機と生産機の性能の違いを反映させたスケールアップ -
2018/12/27 押出成形の条件設定とトラブル対策
2018/8/31 防汚・防水・防曇性向上のための材料とコーティング、評価・応用
2017/9/25 乾燥技術の基礎とトラブル対策
2015/7/30 ダイ塗布の流動理論と塗布欠陥メカニズムへの応用および対策
2014/4/5 真空蒸着技術 技術開発実態分析調査報告書
2014/4/5 真空蒸着技術 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/6/26 UV・EB硬化型コート材の基礎、各種機能向上技術
2012/10/31 ハイブリッド・デュアルUV硬化の実践的活用