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耐指紋・防汚性材料の設計、評価、応用、今後の展望

耐指紋・防汚性材料の設計、評価、応用、今後の展望

~AR/VR/XR、車載タッチパネルなどの新デバイスの耐指紋ニーズとは / 耐熱性、繰り返し耐久性、光学特性への影響、耐指紋とPFAS問題との関係性は~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、各種材料への表面改質技術として、防汚、防水、結露防止での機能性コーティング加工技術について基礎から解説いたします。
また、それらの機能性発揮のメカニズム、各業界での使用用途、分野及びその評価技術方法、最近の実例について解説いたします。

開催日

  • 2024年4月25日(木) 10時00分 17時00分

受講対象者

  • 防汚・防水・防曇・結露防止などの材料・コーティングが求められる製品の技術者、開発者、製造担当者、品質担当者
    • 保護フィルム
    • ディスプレイ
    • 携帯機器
    • 家電
    • 精密機器
    • 自動車外装
    • レンズ
    • 回路基板
    • 建築材料 など
  • コーティングに関連する技術者

プログラム

第1部 指紋・汚れの付着メカニズムとこれから求められる耐指紋・防汚材料への機能性付与

(2024年4月25日 10:00〜11:30)

 携帯端末や家電、ショールーム、照明器具のような最近の持ち運びでの人が触れることによる汚れが目立つようになり、衛生的で見た目にも清潔な表面の美観維持の技術が必要となっている。
 今回、指紋汚れの成分とその付着機構の解析により、その汚染対策について評価実例を 交えて紹介する。

  1. 指紋汚れ成分について
    1. 皮脂由来の汚れについて
    2. 発汗、皮膚代謝物、粉塵汚れについて
    3. 指紋汚れの油性構成、酸性度、について
  2. 指紋汚れの付着機構について
    1. 皮膚の構造 皮丘、皮溝について
    2. 指紋の構造とその表面の汚れについて
    3. 指紋汚れの付着するメカニズムについて
  3. 指紋汚れ防汚機構 (付着防止) について
    1. 撥水、撥油機能膜による加工
    2. 付着しにくい表面構造の設計
  4. 指紋汚れを脱落、洗浄の方法について
    1. 洗浄剤の選定
    2. その洗浄システムと装置
    3. 再汚染防止での加工
  5. トータル的な指紋汚れへの対策について
    1. はじく – 汚れを寄せ付けない
    2. 取れやすい – 付着するがすぐ落とせる
    3. 目立たせない – 汚れが拡散し見えにくくする
  6. 耐指紋、防汚性の評価方法について
    1. 撥水、撥油性、親水性、接触角測定
    2. 汚染物スポット試験
      • 水性
      • 皮脂
      • 油性
      • アルカリ
      • 界面活性剤
    3. 耐久、耐候性
      • 促進試験
      • 暴露試験
      • 実用試験
    4. 実使用条件との汚れ具合の相関性、まとめ
  7. 最近の評価実例についての紹介
    1. 携帯端末表面への加工
    2. 家電器具への加工
    3. ショールーム、照明器具等への加工
    • 質疑応答

第2部 「フッ素フリー撥水撥油材」の構造、機能、防汚材料などへの可能性

(2024年4月25日 11:40〜12:40)

 昨今のPFAS規制の議論もありフッ素フリー材料の需要が高まっている。株式会社KRIで開発した、有機-無機ハイブリッド技術の適用により撥水撥油性や防汚性を発現するフッ素フリー材料について解説する。

  1. KRIとは (会社紹介)
  2. PFAS規制の動向
    1. フッ素規制の概要
    2. PFAS規制に該当するフッ素化合物
    3. 国内外の動向
  3. 一般的な撥水撥油材について
    1. 物理因子
    2. 化学因子
  4. フッ素フリー撥水撥油材について
    1. ハイブリッド系
    2. メチルシラン系
    3. 防汚性
    • 質疑応答

第3部 シリカナノ粒子を用いた指紋や汚れの対策技術

(2024年4月25日 13:30〜14:30)

 表面を親水化することにより、汚れの易除去性 (水のみで洗浄可能) 、防曇性 (水滴を作らず濡れ広がる) 、帯電防止性 (空気中の湿気を吸着して静電気を抑える) などの特性を付与することができる。また、親油化によっては油 (脂) 汚れを目立たなくすることができる。
 本セミナーでは親水性物質であるシリカナノ粒子について、基礎、作り方の一例について紹介し、応用としてこれを用いた超親水膜について述べる。

  1. 親水性膜と親油性膜
    1. 親水性、疎水性
    2. 親水性膜と親油性膜
    3. 撥水性
      • 撥水撥油
      • 撥水親油
    4. 超親水性膜
  2. 超親水膜とその特長
    1. 超親水性膜の特長
      1. 汚れを落としやすい
      2. 視認性向上
      3. 速乾性
      4. 冷却性
      5. 帯電防止性
      6. 各種塗料やインクの濡れ性、密着性向上
    2. 超親水性膜の課題
  3. シリカナノ粒子とそれを用いた超親水性膜
    1. ゾルゲル法 (アルコキシド法) の基礎
    2. シリカナノ粒子の合成方法例
    3. シリカナノ粒子の作製例
    4. シリカナノ粒子分散液の調製
      1. シリカナノ粒子の合成
      2. 濃縮および溶媒置換
      3. 表面シラノール基密度の測定方法
    5. 超親水性膜の作製
  4. 応用例
    1. 市販親水性膜の紹介
    2. 超親水性膜の応用展開
    • 質疑応答

第4部 「無機-有機ハイブリッド技術による防汚性付与について」

(2024年4月25日 14:40〜15:40)

 種々のシランカップリング剤を反応中心とし、無機ナノシリカと有機ポリマーの共有結合型ハイブリッド樹脂を開発し、機能性コーティング分野へ展開した。その中で、撥水・撥油、親水、親油のハードコート設計について解説する。

  1. 無機-有機ハイブリッド材料
    1. 無機-有機ハイブリッド樹脂の基礎 (ハイブリッドとは)
    2. 種々のハイブリッド樹脂
      • 熱硬化
      • UV
      • 水性
    3. UV硬化型無機.有機ハイブリッド樹脂
      • 複合架橋
      • UV硬化機構
  2. ハイブリッド型ハードコート材料
    1. ハードコートを考える
    2. ハイブリッド型ハードコート材の樹脂設計 (粒子ハイブリッドの考え方)
    3. “ 硬さ” の測定方法 (JIS K 7317)
    4. 表面硬度と耐擦傷性
    5. 硬さが出る原料、出ない原料
    6. 見える傷と見えない傷
    7. もっと硬く、更に硬く
  3. 機能性ハードコーティング
    1. ナノ粒子を使いこなす
    2. 機能性ハードコートの設計
    3. 種々の機能性ハードコート
  4. ハイブリッドコーテイングによる防汚技術
    1. 親水性ハイブリッドコーティング
    2. 撥水性ハイブリッドハードコーティング
    3. 親油性ハイブリッドコーティング
    4. 撥水・撥油、汚染除去性UV硬化型ハイブリッドハードコーティング
    • 質疑応答

第5部 〜中国、新興国、欧米など〜 耐指紋・防汚に関する材料や開発のマーケットおよびトレンド

(2024年4月25日 15:50〜17:00)

 携帯端末や家電、ショールーム、照明器具のような最近の持ち運びでの人が触れることによる汚れが目立つようになり、衛生的で見た目にも清潔な表面の美観維持の技術が必要となっている。
 今回、指紋汚れの成分とその付着機構の解析により、その汚染対策について評価実例を交えて紹介する。

  1. 「指紋」を気にする世代や地域に傾向はあるのか?
    • 老若男女での意識の差
    • 富裕層と中産層との意識の差
    • 日米欧中などの地域性、気候条件など
  2. 海外での「指紋付着性防止」、「指紋拭取り性向上」に対するニーズや市場規模はどのくらいか? どちらの機能が求められているのか?
    • 「指紋付着性防止」か?「指紋拭取り性向上」か?
    • 欧米
    • 中国
    • その他
  3. 携帯機器、電化製品、交通機関やATM、自動車など「耐指紋」材料の使われる製品や場所で、日本と異なるケースはあるのか?
    • 欧米
    • 中国
    • その他
  4. 海外メーカーと日本のメーカーとでは、耐指紋に関する意識の差、採用するにあたっての要求特性や求める物の違いはあるのか?
    • 欧米
    • 中国
    • その他
  5. 「指紋」を含めた汚れや耐キズ性なども含め、保護マテリアルに関する研究開発に積極的な海外メーカーや海外の研究機関はどこか?
    • 欧米
    • 中国
    • その他
    • 質疑応答

講師

  • 南保 幸男
    南保技術研究所
    所長
  • 伊藤 玄
    株式会社KRI スマートマテリアル研究センター ハイブリッドマテリアル研究室
    上級研究員
  • 田淵 穣
    DIC株式会社 R&D統括本部 アドバンストマテリアル開発センター 無機材料開発グループ
    マネジャー
  • 佐熊 範和
    (地独)東京都立産業技術研究センター 研究開発本部 機能化学材料技術部 プロセス技術グループ
    研究員
  • 桐原 修
    株式会社ヘウォンティアンドディ (HAEWON T&D Ltd.)
    顧問

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

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