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ニトロソアミン類定量試験のための高感度分析法開発とそのバリデーション

ニトロソアミン類定量試験のための高感度分析法開発とそのバリデーション

~PMDA 物性試験法専門委員が語るニトロソアミン分析技術への要件 / ppbレベル不純物の高感度定量法における分析法バリデーション / 安定した高感度分析を実施するための分離条件 / イオン化法やカラム選択、LC移動相での留意点・分析テクニック~
オンライン 開催

開催日

  • 2024年3月6日(水) 10時00分 16時15分

受講対象者

  • 分析バリデーションに携わる担当者、管理者

プログラム

第1部 ニトロソアミン関連規制・ガイドラインの要件整理と今後の分析技術開発

(2024年3月6日 10:00〜11:30)

 最新の分析法については、日進月歩で毎日のように高感度な分析技術が加発されています。また、近年、国内外において、サルタン系医薬品、ラニチジン、ニザチジン及びメトホルミン等から、発がん性物質であるニトロソアミン類が検出され、一部の製品が自主回収されています。医薬品へのニトロソアミン類混入の原因としては、合成過程における生成、共用設備からの交叉汚染、回収溶媒や試薬中への混入、一部の包装資材の使用、保存時の生成等が考えられます。
 これまでニトロソアミン類が検出された医薬品以外の医薬品でもニトロソアミン類が混入している可能性は否定できず、また、その混入リスクを可能な限り低減することは重要であることから、医薬品におけるニトロソアミン類の混入リスクに関する自主点検の取扱いが定められました。それで、ICH (日米EU) ガイドライン、の各極規制 (JP等) へ落とし込まれる手順など、GMP、GQP、GVPとの関連について、ICHへのインドの参加についてなどについて概要を解説します。

  1. はじめに、ICH (日米EU) ガイドラインについて
  2. ICHガイドラインの各極規制への手順などについて
  3. GMP、GQP、GVPとの関連について
  4. ICHへのインドの参加について
  5. ニトロソアミン関連規制と今後の分析技術開発について
    • 質疑応答

第2部 医薬品中のppbレベル不純物の高感度定量試験における分析法バリデーション

(2024年3月6日 13:00〜14:30)

 医薬品中の変異原性不純物等は低暴露量で潜在的リスクを伴うため、ICH Q3Aおよび Q3Bガイドラインの閾値 (%オーダー) レベルよりも低量 (ppbレベル) でリスク管理する必要がある。LC-UV法では測定が困難なppbレベルの有機不純物を定量する分析法としては、LC-MS/MS法があげられる。
 今回は、医薬品中の不純物の分析法バリデーションならびに、医薬品中微量不純物の定量試験 (LC-MS/MS法) における分析法バリデーションの実施例について解説します。

  1. 医薬品中の低濃度 (ppbレベル) 不純物の定量試験
  2. ICH-Q2ガイドラインにおける不純物定量試験の分析法バリデーション
    1. 特異性 (Specificity)
    2. 直線性 (Linearity)
    3. 範囲 (Range)
    4. 真度 (Accuracy)
    5. 併行精度 (Repeatability)
    6. 室内再現精度 (Intermediate Precision)
    7. 検出限界 (Detection Limit)
    8. 定量限界 (Quantitation Limit)
  3. 医薬品中微量不純物のLC-MS/MS試験における分析法バリデーション実施例
    1. 特異性
    2. キャリーオーバー
    3. 直線性
    4. 範囲
    5. 真度
    6. 併行精度
    7. 定量限界
    8. 検出限界
    • 質疑応答

第3部 LC-MSによるニトロソアミン高感度分析事例

(2024年3月6日 14:45〜16:15)

 2018年頃より医薬品中に発がん性物質であるニトロソアミン類が検出される事例が散見され、サルタン系医薬品、ラニチジン、ニザチジン、メトホルミンなどで自主回収を余儀なくされた。各規制当局でも管理体制に関する通知を発出しており、世界的にニトロソアミン類混入リスクをアセスメントし、検証試験に続いて、低減の取組と管理体制の強化が進められている。
 一般的な医薬品の有機不純物の管理に用いられる分析技術として液体クロマトグラフィー (LC) と光学系検出器の組合せが多く利用されているが、ニトロソアミン類の場合は安全性の観点からより低レベルでの管理が必要となるため、質量分析計 (MS) などの高感度な分析技術も含めた測定法の最適化が重要となる。また、微量成分を検出するための感度要件だけではなく、共存する医薬品成分や賦形剤とニトロソアミン類との濃度差が大きくなるため、それらの影響も考慮する必要がある。目的成分のイオン化の抑制などの影響が考えられるが、回避する方法の一つとして、ニトロソアミン類とその他の成分との分離が挙げられる。分離についても最適化を行うことで、より高い感度の分析を安定して実施することができる。すなわち、高感度分析を達成するためには、上記のように検出器と分離の両面に着目し、測定法全体の再現性・堅牢性を確保していく必要がある。
 本講演では、液体クロマトグラフィー ? 質量分析計 (LC-MS) を用いた医薬品中ニトロソアミン類の測定法開発を実施する際に留意する点について、使用するバイアル、カラムや移動相の選択、サンプルの前処理、MS及びLC装置の選択、イオン化法の選択などについて実例を交えながら議論したい。

  • ニトロソアミン測定の感度的要件
  • MS装置の概要
  • MS装置選択で留意する点
  • イオン化法で留意する点
  • 使用するバイアル、プレートの選択で留意する点
  • LC装置の概要
  • LCの装置に求められる要件・留意点
  • LCのカラム選択で留意する点
  • LC移動相で留意する点
  • サンプルの前処理について
  • 質疑応答

講師

  • 芦澤 一英
    厚生労働省
    PMDA 物性試験法専門委員 (ICH、局方関連)
  • 高橋 謙一
    合同会社 KMT Pharm. Consulting Japan CMC開発推進部
    部長
  • 押方 基二
    日本ウォーターズ株式会社 マーケティング本部
    質量分析マネージャー
  • 今奥 麻実子
    日本ウォーターズ株式会社 マーケティング本部 セパレーション

主催

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