技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー
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本セミナーでは、国内外におけるバイオマス発電を取り巻く最新動向と将来的な展望について解説いたします。
SDGsの流れが強まるなか、バイオマスを取り巻く状況は、一段と変貌している。従来は、木質チップ、木質ペレット等の木材を燃焼させるバイオマス発電が中心であったものの、カーボン・ニュートラル (温室効果ガス排出実質ゼロ) が、航空機をはじめとした多様な分野に求められるようになり、現在の技術では電動化が難しい航空機の脱炭素実現のために、2023年に入って、廃食用油、木質チップ、藻等を原料としたSAF (持続可能な航空燃料) の重要性が強まっている。フィンランドのネステをはじめとした海外企業のみならず、日本のENEOS、出光興産をはじめとした石油企業、日揮、IHI等も、SAFの生産に本格的に取り組み始めている。特に、バイオマス燃料の特徴は、従来の航空機、船舶、発電所、トラック等を基本的にそのまま利用可能で、巨額の設備投資を行うことなく、炭酸ガス排出削減ができることにある。国連の専門機関ICAO (国際民間航空機関) は、2022年10月に航空機が排出する炭酸ガスを2050年までに実質ゼロとする目標を採択し、2024年に2019年比15%削減することを求めている。しかし、現在の蓄電池に技術によっては、航空機を電気で飛行させることは難しい。そこで、廃食用油、都市ゴミ等を原料とした持続可能な航空燃料 (SAF) の生産に、欧米各国がしのぎを削っている。全日空、日本航空も、部分的にSAFを燃料としている。
発電部門においても、新たなエネルギー基本計画による2030年度の電源構成において、再生可能エネルギーの割合を36%〜38%に引き上げ、バイオマス発電の発電容量を2021年の450万キロワットから2030年度に800万キロワットとする意欲的な目標を掲げている。脱炭素時代に期待されているバイオマス発電は、燃料の国内外からの安定調達、日本国内の森林利用と林業振興が求められている。さらに、産業廃棄物、都市廃棄物を利用したゴミ発電等の利用も2050年に向けて、大きな期待がもたれている。バイオマス (Biomass) とは、生態学的にいうと生物資源の存在量の総量を意味する。資源エネルギーの立場から考えると、エネルギーに変換できる生物の量、農業・林業廃棄物、畜産廃棄物、さらに産業廃棄物、都市廃棄物という幅広い資源も含む。バイオマスは、1資源枯渇がない再生可能エネルギーであること、2太陽エネルギーを起源とし、資源量が莫大であること、3あらゆる地域に存在し、地域偏在がないこと、4エネルギー源となる生物資源が、生育の際に光合成により大気中の炭酸ガスを吸収することから、燃焼によって炭酸ガスを排出しても、全体としては大気中の炭酸ガス濃度は変わらない、カーボン・ニュートラル (炭素中立) となること、5既存のインフラストラクチャー、発電機、エンジンを利用することが可能であり、巨額の新規投資を必要としないこと、等の数多くのメリットを持っている。2012年7月1日から施行されている固定価格買取制度においても、1キロワット時当たり24円という、政策的に高値による買い取りを保証されていた。そのため、バイオマス発電の認定量は、2022年3月末時点において、太陽光発電、風力発電に次ぐ、829万キロワットに達している。バイオマス発電は、平均稼働率が80%程度と、石炭火力発電、原子力発電と並ぶベースロード電源として期待され、林業、運輸業をはじめとした地域経済の活性化、雇用の創出につながることが期待されているものの、2023年に入って、バイオマスは、必ずしもライフ・サイクルで見て、地球環境に優しくないという見方も生まれている。1木質ペレット、パームヤシ殻 (PKS) を国内、海外から、安価かつ長期・安定的に調達することが難しい。さらに、2バイオマス発電プロジェクトの過半は、海外からの木質ペレット、PKS、パーム油の輸入に依存し、エネルギー自給率の向上につながらない。3米国、アジアからの木質ペレット価格も、世界的な石炭火力発電からバイオマス発電への切り替えにより、燃料争奪戦が過熱して、上昇している。カナダ等の森林資源の破壊も無視できない。また、パーム油生産のために、熱帯雨林の伐採、食糧価格の高騰という弊害も顕在化している。しかし、2030年度の電源構成において、バイオマス発電が、電源全体の5%を担い、石炭と混焼することによって、既存の石炭火力発電が排出する炭酸ガスの排出削減にもつながる効果がある。国内の間伐材の活用、育成の早い植物の栽培による地方経済の活性化と雇用の創出、廃食用油、藻から生成されるバイオ・ジェット燃料の量産による通常の航空機活用の炭酸ガス排出削減等、さらなる普及が期待されている。日本企業にとっても、高齢化と人手不足に直面する国内林業の再生、地産地消エネルギーの創出、海外におけるバイオマス発電事業の展開、燃料の安定調達、発電設備の大型化による発電コストの低下等、さらなる飛躍が期待されている。日本の三井物産、住友商事、伊藤忠、丸紅をはじめとした総合商社、住友林業、三菱地所等も、海外からの木質ペレット等の安定調達ビジネス、バイオ液体燃料の調達ビジネスに乗り出し、新規参入企業も、海外からのバイオ燃料の独自調達を強化している。バイオマスに係わる最新動向と今後の事業のビジネス・チャンスについて、資源エネルギーの第一人者が分かりやすく解説する。
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また、4名様以上同時申込で全員案内登録をしていただいた場合、3名様受講料 + 3名様を超える人数 × 19,800円(税込)でご受講いただけます。
開始日時 | 会場 | 開催方法 | |
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2025/1/23 | カーボンニュートラル (CN) 社会における水素の現状と将来および技術動向 | オンライン | |
2025/1/23 | バイオマスとSAF (持続可能な航空燃料) を取り巻く最新動向と今後のビジネス・チャンス | オンライン | |
2025/1/27 | フレキシブル熱電変換デバイスの基礎と最新技術動向 | オンライン | |
2025/1/28 | 二酸化炭素の有効利用技術とその最新動向 | 会場・オンライン | |
2025/1/28 | 生分解性プラスチックの土壌・海洋生分解と具体的な実験手順・ポイント | オンライン | |
2025/1/29 | 水電解・グリーン水素製造の国内外の動向・課題および将来展望 | オンライン | |
2025/1/29 | カーボンニュートラル (CN) 社会と新しい再生可能エネルギーの技術動向 | オンライン | |
2025/1/29 | バイオマス利用のエタノール製造技術と課題 | オンライン | |
2025/1/29 | 核融合発電の産業化に向けたイノベーション技術と応用 | オンライン | |
2025/1/30 | アンモニア利用の最新動向と利用技術 | オンライン | |
2025/1/30 | 天然由来の強化材を用いたコンポジットの基礎と成形方法・応用展開 | オンライン | |
2025/1/31 | 非鉛系ペロブスカイト太陽電池の高耐久、高効率化 | オンライン | |
2025/2/6 | ペロブスカイト化合物の構造、特性、太陽電池などへの応用、今後の展望 | オンライン | |
2025/2/7 | バイオマス由来モノマーの開発と応用事例 | オンライン | |
2025/2/12 | 脱炭素で注目の水素エネルギーその活用のための「水素取り扱いの基礎」 | 東京都 | 会場・オンライン |
発行年月 | |
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2024/2/25 | 2024年版 水素エネルギー市場の実態と将来展望 |
2024/1/26 | 2024年版 太陽光発電市場・技術の実態と将来展望 |
2023/11/24 | 2024年版 脱炭素エネルギー市場・技術と将来展望 |
2023/9/8 | 2024年版 スマートエネルギー市場の実態と将来展望 |
2023/7/14 | リサイクル材・バイオマス複合プラスチックの技術と仕組 |
2023/7/7 | 2023年版 次世代住宅市場・技術の実態と将来展望 |
2023/6/9 | 2023年版 リチウムイオン電池市場の実態と将来展望 |
2023/5/31 | アンモニアの低温・低圧合成と新しい利用技術 |
2023/4/7 | 2023年版 脱炭素社会の市場予測・技術と将来展望 |
2023/3/31 | バイオマス材料の開発と応用 |
2023/3/10 | 2023年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望 |
2023/2/17 | 2023年版 水素エネルギーの市場予測と将来展望 |
2023/1/20 | 2023年版 太陽光発電市場・技術の実態と将来展望 |
2022/12/28 | カーボンニュートラルに向けた水素製造・P2Gと関連技術の最新動向 |
2022/11/21 | 海洋エネルギーの活用技術 |
2022/11/21 | 海洋エネルギーの活用技術 (CD-ROM版) |
2022/11/11 | 2023年版 スマートグリッド市場の実態と将来展望 |
2022/9/30 | 水素の製造とその輸送、貯蔵、利用技術 |
2022/7/15 | 2022年版 スマートエネルギー市場の実態と将来展望 |
2022/5/20 | 2022年版 スマートコミュニティ市場の実態と将来展望 |