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リグニンの分離、白色化技術と応用開発事例

リグニンの分離、白色化技術と応用開発事例

オンライン 開催

開催日

  • 2022年12月22日(木) 10時30分 16時15分

修得知識

  • リグニンの構造特性や物理特性に関する研究事例
  • リグニンについての昨今の応用研究事例 ~抽出法・成形法を例に
  • リグニンの産業利用に際しての課題
  • リグニンの材料用途可能性
  • リグニン研究の今後の展望/将来性
  • 熱硬化性樹脂とテクニカルリグニンの複合化技術およびその特性

プログラム

第1部 リグニンの分離、構造解析とリグノセルロース高分子の創製

(2022年12月22日 10:30〜12:00)

 カーボンニュートラルの実現に向けて、バイオマスの利活用研究が活発に行われている。リグニンはセルロースに次いで豊富な有機資源である。魅力ある新素材としての可能性を追求することで、自然と調和した持続型社会の実現に近づく。
 本講座では、植物バイオマスの単離・分析技術について概説するとともに、最新のリグノセルロース素材研究動向について解説する。

  1. 木材中からリグニン・多糖結合体の分離
    1. 木質からのLCCの効率的な抽出法
    2. 多糖分解酵素 (ヘミセルラーゼ) との反応
    3. サイズ排除クロマトグラフィーを利用した分離
  2. リグニン – 多糖結合の構造解析
  3. 天然型リグノセルロース高分子素材の創出
    1. リグニンおよびリグノセルロース高分子を出発とした高付加価値素材原料の開発
    2. リグノセルロースマイクロカプセルの創出
    • 質疑応答

第2部 リグニンの新規抽出技術【同時酵素糖化粉砕】および白色化技術と用途開発動向

(2022年12月22日 13:00〜14:30)

 本講演では非可食植物バイオマスである植物由来の芳香族系高分子「リグニン」について概説します。第一にリグニンとはなにか?から現在までに解明されたリグニンの特性について述べます。第二にリグニンの用途開発に関する国内外の研究トピックスおよび課題について紹介します。第三に講演者が近年提案した植物同時酵素糖化粉砕や白色化を通じたリグニンの高付加価値用途展開について解説します。

  1. バイオマス資源利用に対する社会的要請 ~緒言として
  2. 植物のバイオマスとしての利用に向けて
    1. バイオマス資源として見た植物
    2. 高分子系非可食バイオマス 多糖類・リグニン
  3. 植物由来芳香族系高分子「リグニン」の特性
  4. リグニン用途開発に向けた研究例と課題
    1. リグニン抽出・用途開発に際した社会的背景
    2. リグニン抽出法に応じた用途開発事例
    3. プラットフォームケミカルとしてのリグニン用途開発事例
  5. 持続可能な抽出法「同時酵素糖化粉砕」および「白色化」を通じたリグニンの用途開発
    1. 革新的植物バイオマス抽出法「同時酵素糖化粉砕」
      1. 多糖類・リグニン抽出法としての粉砕法の歴史と課題
      2. 湿式粉砕と酵素糖化を組み合わせたリグニン抽出「同時酵素糖化粉砕」
      3. 「同時酵素糖化粉砕」により抽出された植物多糖由来糖液の用途可能性
        • 「同時酵素糖化粉砕」による糖液発酵を通じたアルコール – 木のお酒 – の製造事例
        • 「同時酵素糖化粉砕」による糖液発酵を通じたメタンガスの製造事例
      4. 「同時酵素糖化粉砕」により抽出されたリグニンの構造/物理特性
    2. 「同時酵素糖化粉砕」で得られるリグニンナノ粒子の用途開発例
      1. 「リグニンらしさ」に基づいた用途開発について
      2. リグニンナノ粒子の抗酸化剤としての機能
      3. リグニンナノ粒子の耐熱フィラー (高分子保護剤) としての機能
      4. リグニンナノ粒子による固体高分子電解質の機能向上
      5. リグニンナノ粒子 – 有機高分子による形状記憶素材
      6. リグニンナノ粒子 – 粘土鉱物によるガスバリア性が制御された紫外線カット膜
    3. 「同時酵素糖化粉砕」により期待される植物の産業用途展開可能性
    4. 世界初、リグニンの「白色化」を通じた用途可能性の拡大
  6. 結言 ~植物バイオマス利用についての今後の展望を中心に
    • 質疑応答

第3部 テクニカルリグニンを活用した熱硬化性樹脂の開発

(2022年12月22日 14:45〜16:15)

 20世紀において、石油資源はプラスチック原料やエネルギーとして採掘され限りなく使用されてきた。しかし、近年、石油を初めとする化石資源の枯渇化、プラスチックの燃焼に伴う大気汚染や大量の二酸化炭素の発生による地球温暖化の問題、産業廃棄物による環境汚染等が深刻な環境問題となっている。
 そこで、石油や石炭由来のような化石資源ではなく、天然物由来の資源を利用した環境破壊の恐れの少ないプラスチック材料の開発が盛んに進められている。
 本研究では、近年、その有効利用が望まれている天然物由来の資源であるリグニン誘導体と、フェノール樹脂やエポキシ樹脂に代表される熱硬化性樹脂との複合化により、テクニカルリグニンを活用した高性能熱硬化性樹脂の開発について紹介する。

  1. はじめに
    1. バイオマス資源
    2. リグニンとは
    3. 熱硬化性樹脂の種類と性質
    4. リグニンの有効利用
  2. テクニカルリグニンを活用した熱硬化性樹脂の高性能化
    1. 木質系テクニカルリグニンおよび草本系テクニカルリグニン
    2. 粒径の異なるテクニカルリグニン
    3. 純度の異なるテクニカルリグニン
  3. 反応性リグニン
    1. 反応性テクニカルリグニン
    2. 反応性テクニカルリグニンの作製方法
  4. 反応性テクニカルリグニンを活用した熱硬化性樹脂の高性能化
    1. 成形材料の作製およびその評価
    2. 成形品の作製およびその特性評価
  5. グリコール改質リグニンを活用した熱硬化性樹脂の高性能化
    1. 成形材料の作製およびその評価
    2. 成形品の作製およびその特性評価
    • 質疑応答

講師

  • 西村 裕志
    京都大学 生存圏研究所
    特定准教授
  • 敷中 一洋
    産業技術総合研究所 化学プロセス研究部門
    主任研究員
  • 木村 肇
    独立行政法人 大阪市立工業研究所 有機材料研究部 熱硬化性樹脂研究室

主催

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