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国内外の地熱発電の最新動向と今後の展望

国内外の地熱発電の最新動向と今後の展望

~世界各国における地熱発電の開発状況と今後の展望~
東京都 開催 会場・オンライン 開催

アーカイブ配信で受講をご希望の場合、視聴期間は2022年12月15日〜24日を予定しております。
アーカイブ配信のお申し込みは2022年12月15日まで承ります。

概要

本セミナーでは、国内外における地熱発電を取り巻く最新動向と将来的な展望について解説いたします。

開催日

  • 2022年12月5日(月) 13時00分 16時30分

プログラム

 新型コロナウイルスの感染拡大を経て、ロシアのウクライナ侵攻による電力需給逼迫が世界において恒常化し、2023年冬の電力危機が現実味を帯びるなか、日本を含めた世界が2050年のカーボンニュートラルに向かう状況において、再生可能エネルギーについての固定価格買取制度導入後も停滞していた地熱発電が再び注目されている。
 2021年4月には、小泉環境相が地熱発電開発の期間短縮を表明し、2021年6月には、2030年度に現在の2倍を超える148万キロワットへと地熱発電を拡大する目標を掲げた。2019年5月に、Jパワー、三菱マテリアル、三菱ガス化学による、日本国内においては23年ぶりとなる1万キロワットを超える大型の山葵沢地熱発電所が稼働を開始し、再生可能エネルギー源の多様化と、国産エネルギーの拡大、出力が24時間安定し、ベースロード電源として利用でき、発電コストが安価な地熱発電に、政府は一段と力を入れている。その優れた特徴は、第1に地球内部に蓄積されたエネルギーであることから、資源枯渇がなく、再生可能なエネルギーであること。第2に燃焼によるエネルギー採取ではないことから、炭酸ガス排出量がライフ・サイクルで見て極めて少ないこと。第3に太陽光発電、風力発電をはじめとした太陽エネルギーに由来する共通の大きな弱点である天候、時間、季節による出力変動がないこと。第4にエネルギー密度が高いことから、小さな面積で大きな出力を得られること。第5に発電技術が確立しており、発電コストも一般火力発電と競争できる段階にあるものの、普及のために、2023年度以降も高値による買い取りが維持されること。等が挙げられる。特に、日本のように火山が多い国では、地熱発電の資源量は多く、米国、インドネシアに次いで、地下の浅い部分で世界第3位の2,347万キロワットという原子力発電所23基分のポテンシャリティーを持っている。
 しかし、日本は発電容量52万キロワット、世界第10位の地熱発電設備を持っているのにとどまる。むしろ、地熱発電については、世界に遅れをとっている。その理由は、1地熱資源の8割が国立公園、温泉地帯にあり、制度的、環境的な規制が厳しかったこと、2地熱資源の探鉱リスクが大きいこと、315年程度の開発のリード・タイムが必要なこと、等が挙げられる。だが、2030年度における温室効果ガス排出46%削減の目標実現に向けて、環境省が国立公園における地熱発電の規制緩和を行い、地熱開発におけるJOGMEC (石油天然ガス・金属鉱物資源機構) による、地熱資源探査、出資、債務保証等の支援強化も加わり、地熱発電ビジネスへの優遇策を一段と強化している。日本は、2050年に1,200万キロワットという地熱発電の目標を掲げ、2020年度から、JOGMECが初期調査、開発段階の支援制度を拡充している。
 世界においても、日本企業が参画して、地熱資源の豊富な米国、フィリピン、インドネシア、ニュージーランド、ケニア等のアフリカ諸国、メキシコ等の中南米諸国において地熱発電開発の動きが拡大されている。世界においては2021年末時点において1,400万キロワットを超える地熱発電所が稼動し、2050年には世界の地熱発電能力は2億キロワットを超えることが見込まれている。特に、中国企業に市場を席捲された太陽光発電の場合と異なり、地熱発電は、地熱資源の開発、重金属に耐える蒸気タービン、発電機をはじめとしたモノづくりの製造ノウハウについて、日本の東芝、三菱重工業、富士電機の3社が、世界シェアの7割を占めており、日本企業が優位性を持つ分野である。地熱発電における日本と世界の最新動向とカーボンニュートラルへの日本企業のチャンスについて分かりやすく詳説する。

  1. 地熱エネルギーとは何か – 他の再生可能エネルギーと比較した長所と短所
  2. 地熱資源と地熱発電の現状 – 日本の脱炭素政策と国産エネルギー
  3. 地熱発電の優位性と課題 – 初期調査と開発期間短縮への政府支援強化
  4. 地熱資源の日本と世界における開発の最新動向と今後の可能性
  5. 地熱資源開発技術の最新動向 – 探査技術の革新と掘削コストの削減
  6. 日本における地熱資源の資源量と可能性 – 高温岩体発電、超臨界地熱発電
  7. 世界における地熱資源の資源量と可能性 – 環太平洋とアフリカ諸国
  8. 日本における地熱発電の現状と今後の可能性と政策 – 開発期間の短縮
  9. 日本における地熱発電に係わる規制緩和の最新動向と今後の開発支援
  10. 世界における地熱発電の現状と今後の可能性 – アフリカ市場の動き
  11. 日本における地熱発電のビジネス・チャンス – 政府による技術、資金支援
  12. アジアにおける地熱発電を取り巻くビジネス・チャンス – 総合商社、重電
  13. 米国、中南米における地熱発電のビジネス・チャンス
  14. 日本と世界における地熱発電の今後の市場規模と可能性 – アジア市場
  15. 地熱発電に係わる地下水処理ビジネスの可能性 – 重金属処理技術
  16. 地熱エネルギーに関する今後の技術革新の可能性 – 小型バイナリー発電
  17. 地熱発電における日本企業の優位性 – 中国企業、韓国企業との競争
  18. 日本企業の日本と海外でのビジネス展開における留意点 – 地熱探査と経済性
  19. 電力需給逼迫と地熱発電の優位性 – ベース・ロード電源
  20. 地熱発電ビジネスにおける日本企業の今後のとるべき経営戦略
    • 質疑応答

会場

連合会館

4F 405会議室

東京都 千代田区 神田駿河台三丁目2-11
連合会館の地図

主催

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