技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

水素社会に向けた膜分離/水素生成技術の研究動向

水素社会に向けた膜分離/水素生成技術の研究動向

~革新的な水素製造技術研究の最前線と社会実装に向けた取り組み / バナジウム系金属膜による高純度水素精製 / アンモニアからの燃料電池用純水素の製造 / 逆電気透析技術による海水発電と水素製造~
オンライン 開催

開催日

  • 2022年3月9日(水) 13時00分 16時50分

受講対象者

  • 多様な水素源からの純水素の獲得方法に関心のある方
  • 金属材料の性質や金属中の水素のふるまいに関心がある方
  • 水素と水素以外のガスの分離技術に関心のある方
  • 水素エネルギー材料に関心がある方
  • 可搬型・定置型発電機、非常用電源、補助電源などCO2ゼロの発電システムの新規導入を構想している方
  • 水素の供給方法を検討している方
  • 新規再生可能エネルギーに関心がある方
  • イオン交換膜 (電解質膜) を利用したエネルギー分野に関心がある方
  • 電気透析を利用した水処理・排水処理に関心がある方

修得知識

  • 超高純度水素の精製方法
  • 原子篩の原理と有効性
  • 従来の貴金属ベース分離膜を用いた水素精製技術からの脱却 (革新技術)
  • バナジウム膜利用水素分離デバイスの要素技術
  • 高純度水素を得るための膜分離技術の将来展望
  • アンモニア分解触媒の開発動向、水素分離膜の原理と性能
  • プラズマメンブレンリアクターの原理と性能
  • CO2ゼロの発電システムの構成
  • 塩分濃度差エネルギー (SGE)
  • SEGエネルギー変換技術の原理
  • REDの要素技術

プログラム

第1部 バナジウム系金属膜による高純度水素精製技術と応用開発

(2022年3月9日 13:00〜14:10)

 演者らは従来のパラジウム (Pd) 合金膜に代わり5族金属膜による水素分離・精製の技術開発を行っている。バナジウムのような5族金属は体心立方 (bcc) 構造であり、金属中の水素の拡散速度が大変早いことが知られている。したがって、水素分離膜のベース金属として有利な反面、これら金属膜では耐水素脆性が問題となるが、この問題の克服のために様々な解決策を提案してきた。これにより社会実装時に大幅な材料コスト削減が期待でき、従来のPSA方式による水素精製の代替技術として注目を浴びるかも知れない。
 本講演ではバナジウム系金属膜による水素精製の原理や開発状況,その社会実装に向けた取組みなどを紹介する。

  1. 再生可能エネルギーからの水素製造 (国外の例)
  2. 水素の宝庫,工業的水素源はどこにあるのか
  3. 高純度水素のニーズと多様な水素の製造技術
  4. 次世代エネルギーキャリアからの水素分離と精製
  5. 各種水素精製技術
  6. 水素透過膜材料と水素透過合金
  7. 分子篩と原子篩
  8. Pd系水素透過膜が抱える問題
  9. パラジウムとバナジウム (コストと資源量)
  10. バナジウムの結晶粒制御と水素透過性能
  11. バナジウム薄板による水素分離精製デバイスとメンブレンリアクター

第2部 アンモニアからの純水素製造法

〜プラズマメンブレンリアクターの開発〜

(2022年3月9日 14:20〜15:30)

 アンモニアは水素キャリアとして脱炭素エネルギーのひとつに位置づけられています。
 本講演では、燃料アンモニアについての政策動向を概説した後、水素キャリアとしての利用方法について詳説します。特に、アンモニアから燃料電池用純水素を製造できるシステムの原理と構成、性能、発電コストについて解説します。

  1. 燃料アンモニアについての政策動向概要
  2. 水素キャリアとしてのアンモニア利用技術
    1. アンモニアを原料とする燃料電池発電システムの概要
    2. アンモニア分解触媒と特性
    3. 種々の水素分離膜および分離メカニズム
    4. プラズマメンブレンリアクターの構成と原理
    5. プラズマメンブレンリアクターの性能
    6. アンモニアを原料とする燃料電池発電システムの発電コスト試算

第3部 逆電気透析 (RED) 技術による海水からの発電と水素製造システム

(2022年3月9日 15:40〜16:50)

 海水や河川水など塩分濃度差を有する2つの溶液を混合したときに発生するエネルギー (SGE) のポテンシャルは世界中で 980GW と試算され、現在の世界中の水力発電量 (800GW) よりも多い。この SGE を電力や水素に変換する逆電気透析 (RED) 技術は高設備利用率・低設置面積という利点を有し、次世代再生可能エネルギーとして注目されている。
 本講演ではRED技術の原理とその開発状況について述べる。

  1. 塩分濃度差エネルギー (SGE) とは
  2. SGEを電力に変換する技術 (浸透圧発電と逆電気透析 (RED) )
  3. 逆電気透析 (RED) 発電の原理
  4. RED技術による水素製造
  5. RED技術の開発状況
  6. RED技術の展望
  7. まとめ

講師

  • 松本 佳久
    大分工業高等専門学校 機械工学科
    教授 兼 副校長
  • 神原 信志
    岐阜大学 工学部 化学・生命工学科 物質化学コース
    教授, 副学長
  • 比嘉 充
    山口大学 大学院 理工学研究科
    教授

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 30,400円 (税別) / 33,440円 (税込)
複数名
: 20,000円 (税別) / 22,000円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 20,000円(税別) / 22,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 30,400円(税別) / 33,440円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 40,000円(税別) / 44,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/4/19 リチウムイオン電池のドライ電極の技術動向とプロセスの検討 オンライン
2024/4/24 NOx (窒素酸化物) 対策と水素・燃料アンモニアの導入方策 オンライン
2024/4/25 二酸化炭素 (CO2) 吸収・分離・回収の基礎知識及び応用分野と、これら技術の今後のゆくえ オンライン
2024/4/25 小出力核融合発電の実現に向けた核融合炉工学・超伝導マグネット技術の最新動向と展望 オンライン
2024/5/9 ゼロから学ぶ再エネビジネス基礎講座 (全2回) オンライン
2024/5/9 再エネ電力・環境価値取引で抑えたい知識と実務 オンライン
2024/5/10 容量市場・需給調整市場の基礎と最前線論点 (全2回) 会場・オンライン
2024/5/10 ゼロから学ぶ電気事業と容量市場 東京都 会場・オンライン
2024/5/20 アルカリ水電解技術の基礎と開発動向・展望 オンライン
2024/5/21 再生可能エネルギー源としての木質系バイオマス利用の道標 東京都 会場・オンライン
2024/5/22 出光興産株式会社における苫小牧CCUS構想と今後の課題 東京都 会場・オンライン
2024/5/22 カーボンニュートラル (CN) 社会における水素の役割とその技術動向 オンライン
2024/5/22 核融合炉 (フュージョン・エネルギー) の最新動向と構成材料の課題 オンライン
2024/5/22 核融合発電の最新開発動向、課題と実現への見通し 東京都 会場・オンライン
2024/5/23 FIP、コーポレートPPA等、2023年4月施行を踏まえて抑えたい知識と実務 オンライン
2024/5/23 水素サプライチェーンの実用化への取り組みと将来に向けた技術開発シナリオ 東京都 会場・オンライン
2024/5/24 水素脆化のメカニズムと評価・解析法、耐水素脆化特性に優れた材料の開発 オンライン
2024/5/27 核融合 (フュージョン) のイノベーション技術と産業応用 オンライン
2024/5/29 エクセルギーの基礎と実践的な計算・解析方法 オンライン
2024/5/30 洋上風力発電を取り巻く最新動向と今後の事業戦略 東京都 会場・オンライン

関連する出版物

発行年月
2023/11/24 2024年版 脱炭素エネルギー市場・技術と将来展望
2023/9/8 2024年版 スマートエネルギー市場の実態と将来展望
2023/7/7 2023年版 次世代住宅市場・技術の実態と将来展望
2023/6/9 2023年版 リチウムイオン電池市場の実態と将来展望
2023/5/31 アンモニアの低温・低圧合成と新しい利用技術
2023/4/7 2023年版 脱炭素社会の市場予測・技術と将来展望
2023/3/10 2023年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2023/2/17 2023年版 水素エネルギーの市場予測と将来展望
2023/1/20 2023年版 太陽光発電市場・技術の実態と将来展望
2022/12/28 カーボンニュートラルに向けた水素製造・P2Gと関連技術の最新動向
2022/11/21 海洋エネルギーの活用技術
2022/11/21 海洋エネルギーの活用技術 (CD-ROM版)
2022/11/11 2023年版 スマートグリッド市場の実態と将来展望
2022/9/30 水素の製造とその輸送、貯蔵、利用技術
2022/7/15 2022年版 スマートエネルギー市場の実態と将来展望
2022/5/20 2022年版 スマートコミュニティ市場の実態と将来展望
2022/4/15 2022年版 スマートモビリティ市場の実態と将来展望
2022/2/18 2022年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2022/1/21 2022年版 太陽光発電市場・技術の実態と将来展望
2021/12/16 カーボンニュートラルに向けた中低温産業排熱の最新利用技術と実践例