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次世代バイオプラスチックの台頭と破壊的イノベーションのすすめ

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次世代バイオプラスチックの台頭と破壊的イノベーションのすすめ

オンライン 開催

概要

本セミナーでは生分解性プラスチックについて、基礎研究から技術・事業開発まで約30年間に及ぶ実績と知見を有する世界的第一人者が、生分解性プラスチックの基本特性、材料設計、成形加工、市場動向、最新の法規制動向を解説いたします。

開催日

  • 2022年2月25日(金) 10時00分 17時00分

受講対象者

  • 生分解性プラスチック・バイオプラスチック・ポリ乳酸に関連する技術者
    • 自動車分野
    • 電気・電子分野
    • スポーツ分野 など
  • 生分解性プラスチック・バイオプラスチック・ポリ乳酸に関連する分野のマーケティング担当者、事業企画担当者、経営者

修得知識

  • イノベーションの正しい理解と遂行するために求められる資質と能力
  • 21世紀の地球環境保全と資源循環型社会に向けての国内外動向
  • 新規バイオプラスチックの素材・技術・市場開発最前線
  • ポリ乳酸の高性能・高機能化技術の進展と新規製品開発動向

プログラム

 20世紀前半に初めてナイロンが発明されて以降、安価な石油を原料に数多くのプラスチックが開発されてきたが、地球環境・資源・廃棄物問題が顕在化した今日、持続的な開発目標 (SDGs) としてのバイオプラスチックに係るグリーン・イノベーションが注目されている。しかるに、シュンペーターにより初めて提唱されたイノベーションなる概念は単なる技術革新と誤解され、その本質が正しく理解されていないように思われる。
 従来の既成概念や価値観を根底から覆す真の創造的破壊に繋がる破壊的イノベーションは顧客のニーズから生まれるのではなく、供給者自らがイニシアティブを握り顧客にはないニーズを創発することである。本セミナーでは、次世代バイオプラスチックの中でも世界的に新設・増産計画が相次ぐポリ乳酸を中心に、新規素材・技術・市場開発の最前線を探査する。技術開発における“死の谷”を乗り越え、“ダーウインの海”を泳ぎ切ることのできるイノベータに求められる資質と能力、そしてバイオプラスチック素材・事業とは?

  1. イノベーション (Innovation) とは?
    1. J.A.シュンペーターによるイノベーションの概念提唱
      …イノベーションとは需要家側のニーズから生まれるのではなく、供給者である企業家側がイニシアティブを握り需要家側の目に見えないニーズを創発することである!
    2. 破壊的イノベーションと持続的イノベーション
    3. 経営の神様P.F.ドラッカーの「イノベーションと企業家精神」とは?
      …企業家の責務とは秩序を破壊し解体する創造的破壊である
    4. イノベーションを阻む見えない「ガラスの壁」をブレイク・スルーするには!?
    5. C.M.クリステンセンの「イノベーションのジレンマ ー 技術革新が巨大企業を滅ぼす時」
      …なぜ優良企業が、優れた経営が失敗するのか?
    6. 個々の技術力に勝る日本企業が、何故事業で敗れるのか?
      …WhyやWhatを語らないHow to病の日本
    7. 「PDCAサイクル」の進化形、機動戦を勝ち抜くためのOODAループとは?
  2. 持続可能な開発目標 (SDGs) としてのグリーン・イノベーション
    1. 地球環境・資源・廃棄物問題の抜本的解決のために
      1. 海洋プラスチック汚染問題の正しい理解と生分解性プラスチックの役割
        • 海洋プラ濃度の経年変化 (累積増加) 曲線
        • 海洋汚染問題に対する短期的視点と長期的 (グローバルな) 視点
        • 海洋自然生態系が許容し得る海水中の生分解速度…ポジティブコントロールは
      2. 地球上に生命が誕生して38億年、地球はなぜ廃棄物で埋もれなかったのか?
      3. 自然界が有する真のリサイクルシステムである炭素循環へのリンク
    2. バイオプラスチックの識別表示と環境負荷低減効果
      1. 日本バイオプラスチック協会 (JBPA) 識別表示制度
      2. カーボン・フットプリント…LCAによる環境負荷の客観的・定量的評価
    3. 持続的な資源循環型社会の建設のために…世界の法規制と業界動向
      1. 欧米グリーンガイド指針
      2. 食品残渣や食品容器・包装材等の再資源化 (バイオリサイクル)
        • 堆肥化 (好気性下) …肥料、土壌改良材
        • バイオガス化 (嫌気性下) …ボイラー、生ごみ発電
  3. 次世代バイオプラスチックの創製と最新開発動向
    1. バイオリファイナリーとプラットホームケミカルの進展
      • 原料バイオマスはデンプン (食料) からリグノセルロース (非食料) へ!
    2. バイオポリエチレン (bio-PE)
    3. バイオポリプロピレン (bio-PP)
    4. バイオポリエステル (bio-PES)
      1. 生分解性バイオポリエステル
      2. ポリ乳酸 (PLA)
        • 生分解性が求められるバイオリサイクル材と長期使用耐久性構造材料の両面展開が可能、 世界的に新設・増産計画が相次ぐ (3年後に約50万トン/年)
      3. ポリブチレンアジペート・テレフタレート系 (PBAT, PBAT+PLA)
      4. ポリブチレンサクシネート系 (PBS, PBSA)
      5. 微生物産生ポリエステル (PHBV, PHBH) 、その他
        • 過去40年間、数多くの企業が微生物産生ポリエステルへの参入と撤退を繰り返し、 未だ本格的に工業化されない核心的理由とは?
      6. 非生分解性バイオポリエステル
      7. バイオポリエチレンテレフタレート (bio-PET)
      8. ポリトリメチレンテレフタレート (PTT)
      9. ポリエチレンフラノエート (PEF)
        • PET対比でガスバリア性に優れるPEFはPETボトル分野を制覇できるか否か?
    5. バイオポリアミド (bio-PA)
      1. ポリアミド11
      2. ポリアミド10T
      3. その他 (ポリアミド4, 56)
        • 超高耐熱性や低吸水率、電気特性等に優れた次世代スーパーエンプラの呼び声高いPA10Tとは
    6. バイオポリカーボネート (bio-PC)
      • 光学特性や表面硬度に優れた新規エンジニアリング・プラスチック
    7. バイオポリウレタン (bio-PU)
  4. ポリ乳酸 (PLA) の最新技術動向と新規製品・事業開発最前線
    1. PLA…植物由来生分解性樹脂/熱可塑性脂肪族ポリエステル (Tm:170℃, Tg:58℃)
    2. PLAの高性能・高機能化技術…石油系汎用プラスチックと同等以上
      1. 耐衝撃性…可塑剤又は耐衝撃性改良剤、PLA+PBAT又はPBSブレンド体
      2. (透明) 耐熱性… (溶解型) 分散型核剤、結晶化促進剤、マルチ機能改質剤
      3. 寸法安定性 (低熱収縮率、経時変化なし)
      4. 抗菌・防カビ性
    3. PLAの分解速度制御技術…製品寿命のコントロール (短期使用から長期使用まで)
      1. 生分解機構…非酵素分解 (加水分解) 型
      2. 分解制御機構…2段階2様式の特異的な生分解機構
      3. 分解速度/製品寿命の制御
      4. Sタイプ (残留ラクチド:多) …分解速度速い/製品寿命短い
      5. Mタイプ (残留ラクチド:少) …中程度
      6. Lタイプ (COOH末端基封鎖) …分解速度遅い/製品寿命長い
    4. 各種PLA製品の使用→再資源化過程での生分解性又は耐久性
      1. 生体内→生体内分解吸収性…医用材料 (タイプS)
      2. 自然環境下 (土壌、海水) →分解消滅…農林・園芸・土木・水産資材 (タイプM)
      3. 室温環境下→再資源化/バイオリサイクル (堆肥化又はバイオガス化) …使い捨て
        容器・包装生活・衛生・雑貨 (タイプM)
      4. 高温環境下→再資源化/マテリアルリサイクル
        …電気・電子機器筐体・部品、産業資材、自動車内装材 (タイプL)
      5. 高温・高湿環境下 (自動食器洗い機) →再資源化/マテリアルリサイクル
        …リターナブル食器 (タイプL)
    • 質疑応答

講師

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 30,400円 (税別) / 33,440円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 30,400円(税別) / 33,440円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
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  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
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  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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