技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

スケールアップ・ダウン検討と失敗例/解決 (対処) 法と実験計画法による効率的なデータ収集

アーカイブ配信対応セミナー

スケールアップ・ダウン検討と失敗例/解決 (対処) 法と実験計画法による効率的なデータ収集

~スケールアップを前提とした実験計画の考え方~
東京都 開催 会場・オンライン 開催

アーカイブ配信は、2021年2月9日 ごろ配信予定 (視聴期間:配信後10日間)

開催日

  • 2021年1月26日(火) 10時30分 16時30分

修得知識

  • スケールアップの考え方、ポイント、着目点と実験計画法
  • 医薬品原薬の開発段階に応じた変更管理の考え方
  • スケールアップの失敗例、その原因、解決策
  • スケールアップ前後の同等性の考え方
  • スケールアップ・スケールダウン実験の考え方、進め方

プログラム

 実験計画法は「実験の計画」と実験により得られたデータの「解析方法」の二つから構成される。実験の計画とは「目的に応じてどのような実験を行えばよいか?」あるいは「どうすればデータを効率的に集めることができるか?」と言える。原薬、中間体、化学品のスケールアップ製造は開発過程で絶対に避けられない部分であり、開発初期では合成プロセス、出発原料の変更のような大幅な変更も可能であるが、開発が進むにつれ変更は困難となり、逆に設定したパラメータの不足、不都合部分が明らかになってくる。
 本セミナーでは実際に経験した事例 (失敗例) を参考に各開発段階で行う実験の注意点、実際のスケールアップ製造で遭遇した問題点をどのように対処、解決したかを説明し、更にそこから得られた知見をもとに効率的な実験計画の立て方、必要なデータの集め方を説明する。

  1. 医薬品 (原薬) の開発とスケールアップ (基本的な考え方)
  2. スケールとスケールアップの相違点
    • 小スケールとスケールアップのパラメータの比較と考え方、設定法
  3. 合成法
    • 合成ルートの設定
    • 考え方
    • 注意点
    • ICH M7
    • 化審法
    • その他
  4. スケールアップ実験するためのチェックポイント、考え方と原料、中間体の評価項目とその対応策
    • 安全性
    • 安定性
    • 結晶多形
    • 溶媒和他
  5. 実験計画法による効率的なデータ収集
    1. スケールアップを前提とした実験計画の考え方
    2. スケールアップ前提の実験計画の考え方、データの取得法、活用法 (事例を参考に)
      • 事例1:プロセスの短縮 (7日近くかかるプロセス (反応→抽出→濃縮→晶析→乾燥) を2日に短縮。)
      • 事例2:過酸化水素水による酸化反応 (危険性回避)
      • 事例3:結晶多形のスクリーニング
  6. スケールアップでの問題点 (実際の経験から) と対応策
    1. 開発初期 (実験室~10Lスケール) の事例
      • 転位反応
        • 1gから10gにスケールアップしたら転位反応が原因で目的物が得られなくなった。 (反応機構の理解)
      • アスコルビン酸硫酸エステル誘導体の製造
        • 1gスケールでは目的物が合成できたが、10gスケールでは合成不可の結果となった。 (中間体の安定性)
      • カラム分離工程の回避
        • 前臨床試験に進むことが決まり、カラム分離工程回避の必要性が出てきた。 (結晶性誘導体)
      • ピリジン・無水硫酸錯体 (硫酸エステル化剤) の合成
        • 吸湿性が原因で目的物が得られないと判断したが、逆に吸湿性を利用することで大量生産可能な方法を見出した。 (目的物の物性の理解)
      • ペントキシフィリン中間体の製法検討
        • 文献を参考に実験を進めたが目的物は得られず、実験結果に基づいて検討を進めたところ、簡単な製法にたどり着いた。 (反応の理解)
      • 抗生物質の側鎖の製造
        • 新合成法を考案し、特許出願までしたが、中間体に安全性の問題あることがわかり、検討中止。 (安定性は変えられない)
      • 五塩化リンによるクロル化プロセス
        • 溶媒を変更したら反応が進まなくなった。 (結晶多形の影響?)
      • アルキルホルムイミデート類の合成
        • 青酸ガスを使用しなければならない。 (反応の理解)
      • エステルの選択 (アミノチアゾール誘導体)
        • メチルエステル、エチルエステルの比較実験をして相違点 (物性) を確認、合理的な合成法に至った。
      • その他
    2. パイロット試作 (200~500Lスケール) での事例
      • ジクロルアセトニトリルの製造
        • 設備の性能を安易に考えて刺激性のミストが噴出した。 (反応の理解)
      • アミノチアジアゾール誘導体の製造
        • 設備の性能を安易に考えてオーバー反応してしまった。 (反応後の安定性確認)
      • 塩酸ペンタゾシンの中間体の製造
        • スケールアップして中間体を大量合成したら分解してしまった。 (中間体の物性は変えられない)
      • アミノチアゾール酢酸誘導体の製造
        • 再結晶プロセスをスケールアップしたら目的物が得られなくなった。 (必ず原因がある)
      • 臭素化プロセスのスケールアップ
        • パイロットにスケールアップしたところ、反応開始を確認できず、大きなトラブルに陥りそうになった。対処法を検討した結果、合理的かつ安全なプロセス開発に至った。
      • 撹拌速度の影響
        • アセトン/炭酸カリウム系でのアルキル化反応。 (不均一反応の考え方)
      • 結晶多形の同等性
        • 外部委託したら結晶形で同等性の問題が発生。 (規格設定の重要性)
      • その他
    3. パイロットから商用生産 (2000Lスケール以上) での事例
      • 微量の添加剤の影響
        • 2工程先の抽出・分液工程で問題 (エマルジョン) 発生。 (微量の添加剤の影響、原料のロット管理)
      • PhaseIII試験後の製法変更
        • 爆発性の中間体を経由するためスケールアップ製造できずPhaseIII試験が終わってしまった。 (反応の仕組みの理解)
      • 目標規格の原料が手に入らない
        • 商用生産に入ろうとしたら原料が入手できなくなった。 (原料調査の重要性)
      • 設備変更して反応の本来の姿がわかった
        • パイロットまでGL、商用生産でSUSに切り替えたところ錆が発生。 (原料中の強熱残分の影響)
      • アミノチアゾール酢酸製造のスケールアップ
        • パイロットまでは問題なかったが、商用生産で乾燥機の選択を誤った。 (安定型と準安定型)
      • キャンペーン生産
        • スポット生産では問題なかったエステル交換反応を、キャンペーン生産に切り替えたところエステル交換反応が進まなくなった。 (種晶の影響)
      • 溶媒回収できる条件でプロセスを設計
        • 溶媒回収しないと採算が合わなくなった。 (発想の転換)
      • 残留溶媒の規格
        • 商用生産に移行しようとしたら残留溶媒の問題発生。 (溶媒和物)
      • 出発原料の製法に伴う問題 (製法に伴う異性体混入の可能性)
    4. 商用生産開始後の事例
      • 収量低下の逸脱
        • 原料の溶解時間の影響 (原料と溶媒の相互作用)
      • 技術移転
        • 季節の影響まで考えていなかった。 (湿度の影響)
      • 原料の純度をアップ
        • 高純度の原料に切り替えた途端に逸脱 (不純物除去の仕組み)
      • 乾燥時間の管理
        • 順調に商用生産がスタートしたが、突然製品の乾燥時間が2倍 (10時間→20時間) になった。 (水和物の考え方)
      • その他
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 丸橋 和夫
    株式会社 三和ケミファ 医薬品事業部
    統括本部長

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

6F 中会議室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 47,500円 (税別) / 52,250円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 47,500円(税別) / 52,250円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。

オンライン受講割引

  • オンライン受講の場合、1名様 30,400円(税別) / 33,440円(税込) で受講いただだけます。
  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 30,400円(税別) / 33,440円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
  • 申込みフォームの受講方法から「オンライン」をご選択ください。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

会場受講 / アーカイブ配信対応セミナー

会場受講 または オンラインセミナー (アーカイブ配信) のいずれかをご選択いただけます。
お申し込みの際、受講方法の欄にて、会場受講またはオンライン受講をご指定ください。
オンラインセミナーの申込み受付の締切日も、会場受講のセミナー開催日までです。ご注意ください。​

オンラインセミナーをご選択の場合、以下の流れ・受講内容となります。
※会場で受講の場合、このサービスは付与されませんのでご注意ください。

  • 「ビデオグ」を使ったアーカイブ配信セミナーとなります。
  • 当日のセミナーを、後日にお手元のPCやスマホ・タブレッドなどからご視聴・学習することができます。
  • お申し込み前に、 視聴環境 をご確認いただき、 視聴テスト にて動作確認をお願いいたします。
  • 後日(開催終了後から10日以内を目途)に、メールにてご連絡申し上げます。
  • 視聴期間は10日間です。ご視聴いただけなかった場合でも期間延長いたしませんのでご注意ください。
  • セミナー資料は印刷・郵送いたします。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • このセミナーに関する質問に限り、後日に講師にメールで質問可能です。(テキストに講師の連絡先を掲載)
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/4/29 化学プロセスの開発・設計の基礎とシミュレーション技術によるスケールアップの効率化・最適化 オンライン
2024/5/6 統計学の基礎から学ぶ実験計画法 (2日間) オンライン
2024/5/8 実験計画法・ベイズ最適化を用いた効率的な実験デザイン オンライン
2024/5/9 実験計画法における解析のコツとデータのまとめ方 東京都 会場
2024/5/10 ICH M7ガイドラインに則ったニトロソアミン類不純物の評価・管理に関する最新動向と当局の考え方 オンライン
2024/5/14 化学プロセスのスケールアップ、コスト試算および事業採算性検討 オンライン
2024/5/15 医薬品開発における製剤開発の各段階で必要となる統計解析基礎講座 オンライン
2024/5/22 医薬品開発における製剤開発の各段階で必要となる統計解析基礎講座 オンライン
2024/5/24 技術者・研究者が基礎から学ぶ実験計画法 オンライン
2024/5/27 機械学習による適応的実験計画 オンライン
2024/5/28 日欧米の化学物質関連法規制の概要と対応のポイント オンライン
2024/5/31 承認申請パッケージにおける外国データ利用のポイントと対面助言の事例 オンライン
2024/6/5 バイオリアクターの設計基礎とスケールアップ計算方法 オンライン
2024/6/6 日欧米の化学物質関連法規制の概要と対応のポイント オンライン
2024/6/11 承認申請パッケージにおける外国データ利用のポイントと対面助言の事例 オンライン
2024/6/13 エンジニアのための実験計画法とExcel上で構築可能な人工知能を併用する非線形実験計画法 オンライン
2024/6/14 化学物質 (有機溶剤) の安全な取り扱い講座 オンライン
2024/6/17 バイオリアクターの設計基礎とスケールアップ計算方法 オンライン
2024/6/21 化学プロセスにおける設備スケールアップのコスト試算・設備投資採算性検討 オンライン
2024/6/21 図解と演習を用いて簡単に理解できる実験計画法入門 オンライン