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塗布・コーティング膜の表面欠陥対策とその評価

塗布・コーティング膜の表面欠陥対策とその評価

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、塗布・コーティングについて基礎から解説し、白化、クラック、ピンホール、はがれ、ゴミ・ブツ等、不具合要因の特定と対策を詳解いたします。

開催日

  • 2020年6月10日(水) 10時00分 17時00分

受講対象者

  • コーティング関係の原料メーカー技術担当者
  • 塗料メーカーの品質管理・塗料設計・研究開発担当者
  • 塗装・コーティング分野の製造担当者・工程管理者 (初心者から中堅技術者)
  • コーティング技術と技能を深めたい方
  • コーティング被膜の付着性能、物理的強度を見極めたい方

プログラム

第1部 塗布・コーティングにおける塗膜の内部応力・欠陥・クラック対策

(2020年6月10日 10:00〜12:30)

 コーティング材料は流動状態で被塗物を覆い、付着、固化します。仕上がりに至るまでの被膜 (塗膜) 形成過程で起きる変化を知ること、固着後の被膜の性能を知ることは品質を保証するために不可欠です。とりわけ、付着性はコーティング膜の必要条件となる大切な性能ですが、真の付着力を解明したり、測定することは困難を極めています。本講演では、付着力と内部応力の発生機構に焦点を当て、耐久性に優れた塗膜を出現させるための方策について解説します。
 本講演の目的は、長期耐久性に優れた塗膜を設計する能力を養成することです。この目的を達成するためには、コーティング材料の付着性に対する見方を学習し、付着性にとって負の因子である内部応力の発生を理解することが必要です。これらの知識を総合して、いろいろなケースで付着塗膜の物理的強度を高める手段を考案できれば、目的を達成できたことになります。一朝一夕で身につくわけではありませんが、目標達成に有効な考え方を伝授します。

  1. 付着性の理論と付着強さの評価・試験法
    1. 分子間力 – 水素結合力、ファン・デル・ワールス力
    2. 吸着説
    3. 拡散説
    4. 実用の付着強さと評価法
    5. 付着性に及ぼす各種要因の影響
  2. 内部応力のはなし
    1. 内部応力の発生機構
      1. 身近な現象と内部応力の有効利用
      2. 結晶性ポリマーの場合
      3. 非晶性ポリマーの場合
    2. 内部応力の測定法
      1. 応力受容媒体法 (バイメタル法)
      2. FSB (Free Film Stretch Back) 法
    3. 内部応力の支配要因
    4. 内部応力と付着性
  3. 付着性と内部応力が関与する欠陥事例とその対策
    1. 水道鋼管PE内面コートの剥離事件
    2. セラミックコンデンサーの劣化対策
  4. 付着塗膜のクラック防止対策
    1. 付着塗膜の耐屈曲性
    2. 付着塗膜の耐衝撃性
    3. 塗装系の設計 (塗膜の組み合わせ) 効果
    4. 無機 – 有機ハイブリッド化塗膜の効果
    • 質疑応答

第2部 塗料塗膜の耐久性:表面異常分析と 耐候性技術

(2020年6月10日 13:15〜17:00)

  1. 塗料の基礎
  2. 表面処理工程とその意義・必要性
    1. ショットブラスト工程
    2. 脱脂工程
    3. 表面調整工程
    4. 化成処理
      • リン酸塩
      • 酸化ジルコニウム
  3. プライマー処理 (下塗) (含:電着)
    1. プライマー塗料の構成
    2. プライマーの特徴、付き回り性
  4. 溶液系塗料の塗工方法
    1. 溶剤系塗料と水性塗料
    2. 塗工方法
    3. スプレーガンの特徴
    4. スプレー塗装の適正粘度
    5. 乾燥方法
  5. 塗料・塗膜の耐候性技術とその試験・劣化評価
    1. 耐候性技術で知りたい3つのこと
    2. 塗膜の劣化要因:4大主因子と副次的因子
    3. 実曝試験と各種促進試験
    4. 劣化評価法
      1. 外観評価
        • 色相
        • 光沢
        • 白亜化
        • クラックなど
      2. 化学的評価
        • 赤外分光法など
      3. 物性的評価
        • 熱的変化
        • 硬度など
    5. 長寿命化と寿命予測、寿命予測の考え方と課題
  6. 塗料・塗膜不良とその評価・分析法
    1. 評価・分析の考え方 (アプローチ)
    2. 前処理の重要性
    3. 分析機器選択のKey point
    4. 分析/解析の3つの観点
      1. 外観観察 ?塗料・塗膜の状況を把握する?
      2. 化学的分析
        • 塗料・塗膜の化学構造を把握する (赤外分光法など)
      3. 物理 (物性) 的分析 – 塗料・塗膜の物性を把握する
    5. 解析評価や機器分析の事例紹介 (はじき、異物を中心として)
      1. 塗料の組成分析
      2. 塗膜のブリスター分析
      3. 塗膜のはじき分析
    • 質疑応答

講師

  • 赤堀 雅彦
    株式会社クボタ 研究開発本部 マテリアル・キャステンングセンター
    担当部長

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。

本セミナーは終了いたしました。

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