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フレキシブル全固体電池の部材開発と製造技術

フレキシブル全固体電池の部材開発と製造技術

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、全固体電池について取り上げ、フレキシブルに対応する固体電解質、負極、正極材料に求められる特性およびプラスチッククリスタル、ナノファイバーのイオン伝導性、膜安定性の向上技術について詳解いたします。

開催日

  • 2019年10月30日(水) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 プラスチッククリスタルの開発と二次電池向けフレキシブル固体電解質への展開

(2019年10月30日 10:00〜11:30)

 二次電池向けの固体電解質の候補として、構成要素が「規則的配列」と「動的機能」を併せ持つという特徴を有するプラスチッククリスタル (柔粘性結晶) やその関連物質への関心が高まっています。本講ではこのようなプラスチッククリスタルの開発事例と固体中でのイオン拡散、二次電池への展開に関する研究例を紹介します。

  1. 固体中でのイオン拡散:固体イオニクス
    1. 固体中でのイオン拡散の基礎
    2. 固体イオニクスの発展
    3. 固体中での高速イオン拡散
  2. プラスチッククリスタルについて
    1. 有機物における固体イオニクス
    2. プラスチッククリスタルの特徴
    3. プラスチッククリスタルの開発例
    4. プラスチッククリスタルの固体電解質としての展開
  3. プラスチッククリスタルの関連物質
    1. プラスチッククリスタル関連物質としての分子結晶
    2. 分子結晶中でのイオン伝導パス構築
    3. 分子結晶の固体電解質としての展開
    4. 分子結晶の構造と伝導性の相関
  4. プラスチッククリスタル・関連物質を用いた二次電池
    1. プラスチッククリスタルを固体電解質とした二次電池
    2. 分子結晶を用いた二次電池
    • 質疑応答

第2部 高分子ナノファイバーからなる固体高分子電解質の作製と二次電池への応用

(2019年10月30日 12:20〜13:50)

 全固体型二次電池の研究が近年盛んである。固体高分子電解質を用いることで、安全・安価・軽量・フレキシブルな次世代型二次電池の作製が期待できる。しかしながら、固体高分子電解質の研究は40年以上前から行われているものの、実用に供しうる材料は皆無であり、革新的な材料の開発が求められる。講演者らは、リチウムイオン伝導性を有する高分子ナノファイバーに着目し、これまで達成が困難であったイオン伝導性、リチウムイオン輸率、膜安定性を同時に向上させることに成功している。高分子ナノファイバーからなる固体高分子電解質を利用することで、優れた安定性を有し、良好な充放電特性を有する全固体型二次電池の開発を進めている。
 本講座では、固体高分子電解質や高分子ナノファイバーの基礎から、ナノファイバーを基盤材料とした新しい固体高分子電解質および全固体型二次電池に関する最先端の研究成果まで、幅広い内容を概説する。

  1. はじめに
    1. 全固体型二次電池
    2. 固体高分子電解質の利点と課題
    3. 固体高分子電解質の歴史と研究動向
    4. 本研究のコンセプト
  2. 高分子ナノファイバー
    1. ナノファイバーとは
    2. 電界紡糸 (エレクトロスピニング) 法による高分子ナノファイバーの作製
    3. 高分子ナノファイバーの力学特性、イオン輸送特性
    4. プロトン伝導性ナノファイバー複合電解質膜の作製と燃料電池応用
  3. リチウムイオン伝導性ナノファイバーおよび複合電解質膜
    1. リチウムイオン伝導性ナノファイバーの作製と評価
    2. リチウムイオン伝導性ナノファイバー複合膜の作製
    3. リチウムイオン伝導性ナノファイバー複合膜の電解質特性
    4. 高分子ナノファイバーが電解質膜特性に与える影響の検証
  4. 高分子ナノファイバーからなる固体高分子電解質膜の二次電池応用
    1. 全固体型二次電池の作製および評価方法
    2. リチウムイオン伝導性ナノファイバー複合膜の二次電池応用
  5. まとめ、将来展望
    • 質疑応答

第3部 フレキシブル全固体二次電池の実現に向けたIV族元素負極の合成技術

(2019年10月30日 14:05〜15:15)

  1. 任意基板上へのIV族元素薄膜の低温合成技術
    1. 「層交換」で形成したシリコンおよびグラファイト (多層グラフェン) 膜
    2. 「層交換」のメカニズム
  2. IV族元素薄膜のリチウムイオン電池負極特性
  3. 「層交換」のその他の応用
    1. 高性能フレキシブル熱電変換素子への応用
    2. ナノワイヤ構造を含む太陽電池への応用
    • 質疑応答

第4部 フレキシブル全固体型薄膜リチウム二次電池の開発

(2019年10月30日 15:30〜17:00)

  1. 全固体型薄膜リチウム二次電池の応用について
  2. 薄膜電池内の各材料の選定理由について
  3. 全固体型薄膜リチウム二次電池製造工程について
  4. 全固体型薄膜リチウム二次電池製造装置の紹介
  5. スパッタリングターゲットの紹介
  6. 正極膜LiCoO2のRF+DC重畳成膜とその特性について
  7. 固体電解質膜LiPONの成膜と特性について
  8. 弊社装置で作製した全固体型薄膜リチウム二次電池の特性について
  9. フレキシブル全固体型薄膜リチウム二次電池について
  10. 次世代に向けての大量生産技術について
    • 質疑応答

講師

  • 守谷 誠
    静岡大学 学術院理学領域 化学コース
    講師
  • 田中 学
    東京都立大学 都市環境学部 環境応用化学科
    准教授
  • 都甲 薫
    筑波大学 数理物質系
    准教授
  • 佐々木 俊介
    株式会社アルバック 半導体電子技術研究所 第2研究部
    主事

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
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