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セルロースナノファイバーの基本特性と樹脂複合化による実用化展開

セルロースナノファイバーの基本特性と樹脂複合化による実用化展開

大阪府 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、CNFの種類とその特徴・製造方法、現在サンプル提供されているCNF各社の特徴と生産状況、プラスチック複合化の開発推移と京都プロセス (パルプ直接混錬法) の特長、混錬にあたってのポイント、試作開発例など、自社製品にどのようにしてCNFを取込んで行くかのポイント等について、サンプル等を持参して解説いたします。

開催日

  • 2019年9月3日(火) 13時00分 16時30分

受講対象者

  • CNF成形等加工機、試験・分析機器関連の技術職・営業職
  • 自社製品にCNFの応用・実用化検討したい方
  • プラスチック成形加工、コンパウンドメーカー
  • CNF関連加工技術を開発したい方
  • CNF市場を把握したい方

修得知識

  • CNF材料の特徴
  • 樹脂複合化の開発過程とその実際
  • 国内外における社会実装化に向けての動向
  • CNFを自社製品に取り込むポイント

プログラム

 セルロースナノファイバー (CNF) は、現在製造各社での実証プラントの設置及びサンプル提供が本格的に開始され、一部では商業生産も始まりました。またCNFを用いた実用化・事業化製品も多様な分野から出始めています。約10数年来、特にCNF/プラスチック複合化技術開発を京都大学生存圏研究所矢野浩之教授と共に実施して来た中で、2018年6月にはランニングシューズのミッドソール部分にCNF/プラスチック複合材が世界初で採用され商業販売されています。
 本セミナーでは、CNFの種類とその特徴・製造方法、現在サンプル提供されているCNF各社の特徴と生産状況、プラスチック複合化の開発推移と京都プロセス (パルプ直接混錬法) の特長、混錬にあたってのポイント、試作開発例など、自社製品にどのようにしてCNFを取込んで行くかのポイント等についてサンプル等を持参しお話しします。

  1. ナノセルロース (CNF, TEMPO酸化又はリン酸酸化CNF, CNC, バクテリアセルロース) について
    1. セルロースナノファイバー (CNF) の特徴とその製法及び原料
      1. セルロースナノファイバー (機械的解繊)
      2. TEMPO酸化又はリン酸酸化セルロースナノファイバー (化学処理/解繊)
    2. セルロースナノクリスタル (CNC) の特徴とその製法
    3. バクテリアセルロースの特徴とその製法
    4. キチンナノファイバーの特徴とその製法及び原料
    5. 現在サンプル供給を開始しているCNFメーカー19社の特徴と提供サンプル等のご紹介
      1. A3一覧表[2019/3/4 改訂7版]の配布によるご紹介
      2. CNF生産各社の製造拠点とその生産量並びに量産化計画
  2. ナノセルロース研究開発の世界的動向とISO国際標準化の動向
  3. CNF/熱可塑性樹脂ナノコンポジットの開発
    1. 粉末法による[親水性]CNFと[疎水性]熱可塑性樹脂の複合化
    2. CNFの化学変性によるナノコンポジットの高性能化
      1. 化学変性の考え方
      2. 変性CNFによる性能アップ (分散性・強度・耐熱性・寸法安定性等)
      3. 変性パルプを用いたパルプ直接混練法 (京都プロセス) の開発
      4. ASA変性とセルロースの耐熱性を向上するアセチル変性
      5. DS (変性反応の程度) による性能の違いと最適化
    3. CNF/樹脂混練技術のポイント
      1. CNF/樹脂混錬の考え方
      2. 変性パルプを用いた「京都プロセス」における混練技術
      3. 混練にあたってのポイント
      4. CNFの分散評価法
    4. CNFナノコンポジット用熱可塑性樹脂種の横展開とそれらの性能等について
      • LDPE
      • HDPE
      • PP
      • PLA
      • PA11
      • PA12
      • POM
      • PA6
      • PBT
      • PC/ABS 他
    5. 材料メーカーにおける変性パルプ及びCNF/樹脂マスターバッチ (MB) のサンプル供給と商業生産開始
    6. 「京都プロセス」における変性パルプ及びCNF/樹脂MBの製造とサンプル提供
    7. 海洋プラスチック問題からみたCNF/生分解性樹脂ナノコンポジットの開発
  4. 変性CNF/熱可塑性樹脂の微細発泡成形
    1. 超臨界CO2バッチ発泡法による微細発泡基礎技術の開発
    2. 変性CNFナノコンポジットを用いた超臨界N2射出発泡成形
    3. 大型射出発泡成形品の試作
    4. ポリエチレン/化学バッチ発泡品の試作
  5. CNFの染色と材料着色法の開発
    1. CNFの染色とサンプル見本
    2. 粉末法による材料着色成形品の試作
    3. 材料着色事例とサンプル見本
    4. カラーCNFの製造とサンプル提供
  6. CNF100%板材等の製造とその応用について
    1. CNF100%材の工業的生産とその特徴
    2. その応用展開について
  7. CNF材料の社会実装化動向
    1. 経済産業省主導「ナノセルロースフォーラム」の活動について
    2. 地域におけるCNFに関する取組みの活発化
      1. 近畿地域における「部素材産業 – CNF研究会」の取組みについて
      2. 他地域での取組みとその連携について
    3. 「新素材 – CNFナショナルプラットフォーム」の活動
  8. CNF材料を使いこなす/どのように自社製品に取込んで行くかのポイントについて
    1. 応用展開における3つの方向性と実際例について
    2. どこのCNF材料から触るか、取り寄せるか?
  9. CNFを使った応用・実用化事例
    1. 既実用化事例
      1. 水性ゲルインク・ボールペン
      2. 消臭機能・大人用紙おむつ
      3. スピーカーコーン
        • バクテリアセルロース応用
        • CNF応用
      4. トイレクリーナー
      5. 酒類のろ過助剤
      6. 食品保形材
      7. 食品 (どら焼き等) の食感改良剤・増粘剤
      8. 紙力増強材等
        • 特殊フィルター
        • 電池用セパレーター
      9. 粉体・繊維状物のバインダー
      10. 医薬・化粧品のゲル化剤
      11. ランニングシューズのミッドソール材
      12. 生コンクリート圧送先行剤
      13. 磁器鋳込み成形時の脱型歩留向上剤
    2. 試作例
      1. CNF/熱可塑性樹脂複合材
        1. プレジャーボートインパネ (CNF/PLA)
        2. 化粧品ケース (CNF/PLA)
        3. 電気・電子部材カバー (CNF/PP)
        4. リレー装置カバー (CNF/PP)
        5. 照明器具カバー (CNF/PP)
        6. 自動車エンジンカバー (CNF/PA6)
        7. 大型成形品 (同上エンジンカバー) 無電解メッキ品
        8. シューズキーパー等の生活用品 (CNF/PP)
        9. 自動車ドアトリム (CNF/PP)
        10. 自動車リクラカバー (CNF/PP)
        11. 自動車トランクリッド/アッパー (100%CNF)
        12. 自動車トランクリッド/ロアー (CNF/PA6)
        13. 自動車インテークマニホールド (CNF/PA6)
        14. 自動車デッキボード (CNF/PP)
        15. シューズキーパー (CNF/PP)
        16. ミニバスケット (CNF/PP)
        17. ペンスタンド (CNF/PP)
        18. トラッシュビン (CNF/PP)
      2. CNF/ゴム複合材
        1. 自動車タイヤ
        2. スポーツシューズ・アウターソール
        3. ウエットスーツ
    • 質疑応答

会場

ドーンセンター

5F 大会議室2

大阪府 大阪市 中央区大手前1丁目3-49
ドーンセンターの地図

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 46,278円 (税別) / 49,980円 (税込)

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    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 43,750円(税別) / 47,250円(税込)
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    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 46,278円(税別) / 49,980円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 92,556円(税別) / 99,960円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 138,833円(税別) / 149,940円(税込)
本セミナーは終了いたしました。

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