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シリカの特性と分散、表面改質

シリカの特性と分散、表面改質

~樹脂中にシリカを均一分散させるための表面改質技術とは~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2018年11月22日(木) 10時00分 17時00分

修得知識

  • シリカの基本構造とその性質
  • シリカ粒子の調製方法
  • シリカ表面の構造と性質 (表面水酸基の性質、その評価)
  • シリカ粒子の液中分散の基礎
  • シランカップリング剤の反応性
  • フィラー処理のための基礎的な使いこなし
  • 最近の開発品とその応用データを含めた特性
  • 表面非改質の親水性のままでポリマー中へ均一分散させるためのシリカナノ粒子のハンドリング法とポリマーとのブレンド操作におけるポイント
  • ポリマー中に分散したナノシリカの親・疎水性がナノコンポジットの諸特性に及ぼす影響に関する知見に基づく高機能化のためのシリカ/ポリマー系ナノコンポジットの設計方針
  • ポリマー中でのナノシリカの均一分散だけでなく分布位置の制御 (配列制御) まで志向したコンポジットの調製手法のポイント

プログラム

第1部 シリカ粒子の調製、表面性質とその評価、液中分散の基礎

(2018年11月22日 10:00〜13:40)

 シリカ粒子は、さまざまな分野で利用されている材料である。特に表面改質や液中・固体樹脂中への分散のためには、シリカ表面に関する情報が必要不可欠である。
 セミナーでは、シリカ材料の一般的な特徴や性質、シリカの表面構造と表面水酸基や改質基の評価、液中への分散に関する基礎とその例を解説する。

  1. シリカの構造と特性
    1. シリカの基本構造と分類
    2. シリカ表面の水蒸気親和性の違い
    3. シリカの用途と使用形態と機能
  2. シリカ粒子の調製
    1. Size ReductionとBuilding-Upプロセス
    2. 粉砕法、気相法、液相法
    3. 調製方法の特徴
  3. シリカ表面の構造
    1. 酸化物表面の構造
    2. 表面水酸基のタイプ
    3. 表面水酸基の4つの役割
  4. シリカの表面水酸基、改質基の評価法
    1. 吸収スペクトル法
      • IR
      • NMR
    2. 化学反応定量法、重水置換法
    3. 表面エネルギーとその評価
  5. シリカ粒子の液中分散
    1. 分散の支配因子
      • 粒径
      • 帯電
      • 吸着
    2. ゼータ電位と等電点、DLVO理論
    3. 表面改質によるゼータ電位の制御
    4. 分散性の評価
      • 分散嗜好性
      • 浸漬熱測定
    • 質疑応答

第2部 シランカップリング剤の技術動向と最近の商品

(2018年11月22日 13:50〜15:20)

 シランカップリング剤とは、分子中に無機材料と化学結合する反応基 (加水分解性シリル基) と、有機材料と化学結合する反応基とを併せ持つ化合物の総称である。そのため無機材料と有機材料とを結ぶ仲介役としての働きをすることから、有機/無機複合材料の機械的強度の向上、接着性の改良、樹脂改質、シリカ等のフィラー表面改質等の多種多様な用途に使用されている。
 本講演では、既存のシランカップリング剤の応用事例だけでなく、既存のシランカップリング剤では性能発現が成し得ない需要に応じるべく開発されたシランカップリング剤を、応用事例を含めて紹介する。

  1. シランカップリング剤とは
    1. シランカップリング剤の構造・作用機構
    2. シランカップリング剤の応用事例
  2. シランカップリング剤による粉体処理
  3. 汎用シランカップリング剤の使用例
  4. 新規シランカップリング剤の紹介
    1. 長鎖スペーサー型シランカップリング剤
    2. 官能基保護型シランカップリング剤
    3. その他
    • 質疑応答

第3部 表面疎水化処理を用いないナノシリカのポリマーへの分散・複合化技術

(2018年11月22日 15:30〜17:00)

 シリカをはじめとしたナノサイズの無機材料をフィラーとしてポリマー中に分散・複合化させたナノコンポジットはポリマー材料の力学特性向上、機能化技術として注目されていますが、幅広く実用化されているとは言い難い状況です。従来のナノコンポジットの調製において用いられているシランカップリング処理に代表されるフィラーの表面疎水化処理は、ナノフィラー凝集問題を解決し分散性向上を実現するという点で優れた技術です。それ故、現在のナノコンポジットは、表面が疎水化されたフィラーがポリマー母材との間にぬれの良い界面が形成することを前提とした材料設計となっているため、ぬれが悪い状態で分散・固定化されたナノコンポジットという概念さえもなく、このタイプのナノコンポジットの材料特性については全く分かっていません。今後のナノコンポジット開発の方向性を見定めるためにも、まずは材料内部に形成される広大な無機ナノフィラー/ポリマー母材間界面がナノコンポジットとして発現する特性にどのように寄与するのか、そのメカニズムを明らかにして、ナノコンポジットの潜在能力を今一度精査することが重要と思われます。
 本講演では、そのための基礎的知見となるシリカの表面疎水化処理を用いないシリカ/ポリマー系ナノコンポジットの諸特性を、いくつかの開発事例をもとに従来型ナノコンポジットとの特性を比較しながら紹介します。また、従来技術では必須とされているシリカの表面改質処理を用いないで如何にしてポリマー中へ分散・固定化させるか、そのテクニックとポイントについて解説します。講演の後半では、ナノフィラーの分散維持だけにとどまらない精密配列制御をも可能とする新たなシリカ/ポリマー系コンポジット膜の調製事例と光学材料としての用途展開についても紹介し、シリカフィラーをはじめとした表面非改質無機/ポリマー系ナノコンポジットの展望についても言及します。

  1. コンポジットフィラーとしてのシリカの基礎
    1. シリカの表面と凝集力
    2. シランカップリング処理
  2. 表面疎水化処理を用いないナノシリカとポリマーとの混合・混練
    1. 本法の技術戦略と概略
    2. 溶融混練法により熱可塑性ポリマーと複合化したナノコンポジット
    3. 溶液混合法により架橋硬化型ポリマーと複合化したナノコンポジット
    4. シリカと異種微粒子のハイブリッドフィラーを各種ポリマーと複合化した ナノコンポジット
  3. 親水性シリカ/ポリマー母材間界面の形成とナノコンポジットの特性への影響
    1. シリカ/熱可塑性ポリマー系ナノコンポジットの力学特性
    2. シリカ/架橋硬化型ポリマー系ナノコンポジットの熱特性
    3. シリカ/ポリマー系ナノコンポジットのその他特性
  4. ポリマー中でのナノシリカの高精度配列制御技術と光学材料への展開
    1. 本法の技術戦略と概略
    2. ナノコンポジット開発事例と光学特性
  5. 表面非改質ナノシリカをフィラーとしたポリマー系ナノコンポジットの将来展望
    • 質疑応答

講師

  • 武井 孝
    東京都立大学 大学院 都市環境科学研究科 環境応用化学域
    准教授
  • 山田 哲郎
    信越化学工業 株式会社 シリコーン電子材料技術研究所 第1部開発室
  • 棚橋 満
    富山県立大学 工学部 機械システム工学科
    准教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
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主催

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