細胞培養技術は、再生医療や細胞治療の実現に向けて将来性の高い技術であり、近年、積極的に研究開発が進められています。とくに、最近では、培地成分の改良、新規な培養基材、培養容器の改良、3次元培養技術などの開発により、細胞培養技術が高度化し、再生医療や細胞治療の可能性が拡大しています。 このような細胞培養技術について研究開発を推進するためには、特許戦略の構築が必要不可欠です。とくに、研究開発のそれぞれの段階に対応して、どのような特許を取得し、どのように活用するかについては、研究活動における重要な課題です。また、特許を有効に活用するためには、広くて強い特許を取得することが必要不可欠です。このような対応により、研究成果を事業活動に最大限に活かすことができます。
本講演では、このような視点から、特許庁審査官・審判官の経験に基づいて、培地成分、培養基材、培養容器、3次元培養技術を中心として、細胞培養技術に関する特許戦略について説明し、今後の課題と対応策について解説します。
- 細胞培養技術に関する特許出願の動向
- 特許出願の最近の傾向 (細胞培養技術を中心に)
- 培地成分に関する特許出願の分析
- 培地成分の改良
- トランスフェリン
- ラクトフェリン
- リゾチーム
- アプロチニン
- pH調整剤
- CO2制御
- 発育促進剤
- 分裂促進剤
- 殺菌剤
- 汚染防止剤
- 抗生物質など
- 培養基材に関する特許出願の分析
- ラミニン
- フィブロネクチン
- コラーゲン
- ポリリジン
- トリプシン
- 多孔質膜
- 酸素透過膜
- ナノ繊維
- 培養担体など
- 培養容器に関する特許出願の分析
- 細胞培養シャーレ
- 特殊表面処理
- プラズマ処理
- 培養バッグ
- 中空糸膜
- ビーズ
- U底プレート
- 低接着プレートなど
- 3次元培養に関する特許出願の分析
- スフェロイド技術
- ハンギングドロップ法
- 細胞外マトリックス包埋技術
- マイクロ流体チップ
- 品質管理技術 (モニター、センサ) など
- 特許を視野に入れた研究開発戦略
- 特許出願のタイミングと注意点
- 培地成分の改良
- 新規な培養基材
- 培養容器の改良
- 3次元培養技術の研究開発段階における特許出願の判断手法
- 研究開発に必要な特許調査の注意点
- 培地成分
- 培養基材
- 培養容器
- 3次元培養技術などに関する有効な特許調査の手法とコツ
- 研究開発戦略と特許戦略の一体化
- 論文と特許の関係
- 共同研究と特許の関係
- 研究部門と知財部門の協力体制
- 今後の研究開発戦略の方向性
- ES細胞や多能性幹細胞など
- 細胞自体に特徴のある発明との連携の必要性
- どのような特許を取得すべきか
- 有効な特許とは、どのような特許か
- 広くて強い特許のポイント
- 培地成分の改良
- 新規な培養基材
- 培養容器の改良
- 3次元培養技術などのクレームの傾向と対策
- 特許を取得するために有効な特許調査の注意点
- 培地成分
- 培養基材
- 培養容器
- 3次元培養技術などに関する有効な特許調査の手法とコツ
- 特許審査への対応
- 拒絶理由への対応方法
- 面接審査の活用方法
- 審査官への電話連絡
- 拒絶査定を回避するコツなど
- 特許をどのように活用すべきか
- 細胞培養技術に関する特許の具体的な活用方法
- 細胞培養技術に関するライセンス活動 (共同研究) の実務上の留意点
- 他社の特許を侵害しない方法
- 細胞培養技術に関する他社特許について、どのように調査するべきか、どのように侵害を回避するべきか
- 事業戦略と特許戦略の一体化
- 特許ポートフォリオの構築
- 事業戦略まとめ審査の活用など
- 細胞培養技術に関する登録特許の最新事例
- 最近の登録特許の事例と特許審査におけるポイント
- 特許請求の範囲の記載方法
- 培地成分
- 培養基材
- 培養容器
- 3次元培養技術などの書き方
- 明細書の開示の程度
- 特許要件の判断基準
- 事例を踏まえた最適な明細書・クレームの提案