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最適分散剤 (湿潤・分散剤) 選定のための必須知識とその活用

最適分散剤 (湿潤・分散剤) 選定のための必須知識とその活用

~分散を理解する為の界面活性剤の基礎知識 / 粉体の性状と分散の関係及び分散剤の選定、評価法 / ベストな分散剤を選定し、ベストな分散を達成するために~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、分散、界面活性剤の基礎から解説し、分散剤の使い方、分散剤の簡易選定方法、分散体の簡易評価方法について詳解いたします。

開催日

  • 2018年6月28日(木) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 粉体・分散剤に関連する技術者、研究者
    • 医薬品
    • 食品
    • 化粧品
    • セラミックス
    • トナー
    • 肥料
    • 化学原料
    • 電子材料
    • 金属材料
    • 電池材料
    • 粉末治金 など
  • 粉体・分散剤を扱い始めた若手研究者、技術者
  • 粉体・分散剤で課題を抱えている方

修得知識

  • 界面活性剤の基礎
    • 表面張力
    • ぬれ性
    • ミセル
    • HLB
  • 粉体の物性
    • 親水性粉体
    • 疎水性粉体
    • 粒子径
    • 粒子形と分散の関係
  • 分散の三要素
    • ぬれ性
    • 解きほぐし性
    • 安定性
  • 簡易選定法
    • 粘度・添加量曲線の作成法
  • 簡易分散安定性評価法
    • 試験管沈降法

プログラム

 最近電子用途、導電膜、電池、プラスティックの強度アップ、インクジェット等々で超微粒子粉末、例えばカーボンナノチューブ等のナノ粒子の活用が盛んに検討されている。粒子はその粒子径が小さくなるほど凝集しやすく、これらの凝集粒子を如何に解きほぐし安定なスラリーにするかがナノ粒子の性能を引き出すポイントとなる。
 このセミナーでは粉体分散の面からこれらナノ粒子も含め粉体の性状を知ってもらい、これらの粉体を沈降・分離の無い安定なスラリーにするための分散剤 (湿潤・分散剤) をどう選択するか。50数年前に提案された“分散の三要素”とう考え方があるが、この理論は水系分散にも、溶剤系分散にも相通じる概念で、解釈の仕方で現在のナノ粒子の分散にも十分に使える基本的な概念である。これらを理解するには界面活性剤の基礎知識が必要になる。これらの基礎知識を元に如何に最適分散剤 (湿潤・分散剤) を選定するか、その結果をどう評価するかについて説明する。

  1. 分散とは … 分散及び分散剤とは
    • 粉体表面に如何に強固な、分厚い吸着層を形成するかが分散のポイントとなる
  2. 分散の理解につながる界面活性剤の知識とは
    1. プロセスケミカルス (工程薬剤) とは
    2. 界面活性剤の国際定義 … 定義にある“有益な作用を持つこと”とは何を意味するか
    3. 界面活性剤の基本的性質について … 分散とどう関係するのか
    4. 界面活性剤のイオン性 … アニオン、カチオン、ノニオン、両性
  3. 分散に繋がる界面活性剤の基礎知識
    1. 表面張力とは … お互いに接する面積を最小にしようとする力
    2. ぬれとは … 凝集した粉末粒子ぬらし、膨潤状態にする力
    3. ミセルとは … ミセルが出来て初めて界面活性剤として働く
    4. HLBとは … 親水性と親油性のバランス。粉末の極性により使い分けをする。
  4. 粉体とは 粉体の粒子径 (Particle Size) と粒子形 (Particle Shape) と分散との関係
    1. 粒子径と粉体凝集性 … 何故粉体は凝集するのか、しているのか。
    2. 粒子形と粉末凝集性 … 板状粉体 (平面体) は凝集しやすい。毛管力。
    3. 粒子の持つ表面エネルギーと凝集性 … 粉塵爆発の大きなエネルギー
    4. 等電点とは … 系のPHによって粉体の電荷が変化。分散との関係は。
  5. 分散とは … 分散の三要素の理解と使い方
    1. DLVO理論と分散について
      1. 電気二重層と分散性の関係
      2. ゼータ電位と分散性の関係
    2. 分散の三要素について
      1. ぬれ性 (初期分散性) … 凝集した粒子をぬらし、膨潤させる
      2. 解きほぐし性 … 膨潤した粒子を機械的に解きほぐし一次粒子とする
      3. 分散体 (スラリー) の安定性 … 経時的な凝集・沈降を防止する
  6. 分散 (剤) の考え方と選定、評価方法
    1. 分散剤ならどのような粉体でも分散できるか⇒No!⇒何故No!なのかの説明
    2. 分散を考える時のキーポイント
    3. 高分子分散剤と低分子分散剤 (湿潤・分散剤) の違い
    4. 高分子分散剤の粉体への吸着特性
  7. 水系分散剤選定のポイント
    1. 粉体の粒子径と分散剤の種類・分子量の関係
    2. 粉体の組成と分散剤の組成の組合せ (π – π結合、疎水 – 疎水結合など)
    3. 粉体の粒子径と分散剤の推定添加量
    4. 高分子分散剤と低分子分散剤の使用上の違いは何か
    5. ノニオン界面活性剤のHLBと分散性の関係
    6. 要求 (所要) HLBとは、使い方
    7. 市販水系高分子分散剤一覧表
  8. 簡易分散剤選定及び簡易分散性評価法について
    1. スパチュラ法 … 粉体と最適分散剤、最適添加量のスクーリング
    2. 粘度・添加量曲線 … ①を元にした最適分散剤、最適添加量の絞り込み法
    3. 試験管沈降法 … 試作分散体の経時分離・沈降測定法
    4. グロス試験 … 目視による簡易分散状態の測定法
  9. 溶剤系分散の選定のポイントについて
    1. 分散剤/溶媒/粉体の相関による分散性の違いについて
      • 溶媒と分散剤の相溶性、親和性の簡易試験法
    2. SP値の考え方、使い方 … 発展形のHSP (ハンセンパラメータ) について
    3. ソーレンセンの酸・塩基相互作用の考え方、使い方 … 強い吸着層の形成、実施例
  10. 溶剤系分散剤メーカー及び代表品名一覧
  11. 参考資料、書籍一覧 … 分散を勉強するための文献。資料の紹介
  12. 参考資料 … 動的表面張力、水系イオン別界面活性剤例 (一覧)
    • 質疑応答

講師

会場

芝エクセレントビル KCDホール
東京都 港区 浜松町二丁目1番13号 芝エクセレントビル
芝エクセレントビル KCDホールの地図

主催

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お問い合わせ

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受講料

1名様
: 42,750円 (税別) / 46,170円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,300円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 22,500円(税別) / 24,300円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,750円(税別) / 46,170円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 48,600円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 72,900円(税込)
  • 受講者全員が会員登録をしていただいた場合に限ります。
  • 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
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