技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

高分子の摩擦・摩耗メカニズムとその評価

高分子の摩擦・摩耗メカニズムとその評価

~複合化・フィラー添加・樹脂改質による制御~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2018年5月31日(木) 10時00分17時00分

修得知識

  • 摩擦・摩耗の基礎
  • 各種材料の摩耗特性とその評価の基礎
  • 摩耗損傷のモニタリング法
  • 摩耗損傷 (表面損傷) の評価と解析法
  • トライボロジー用途の高分子 (プラスチック) 材料用のフィラーの種類と機能
  • PTFEにおける摩耗低減メカニズム

プログラム

第1部 トライボロジー材料としてのプラスチックの基礎物性と摩擦摩耗特性

(2018年5月31日 10:00〜11:30)

  1. 摩擦摩耗の基礎
    1. 表面の性質と接触
    2. 摩擦とそのメカニズム
    3. 潤滑とそのメカニズム
  2. 摩耗のメカニズム
    1. 摩耗の分類と形態
    2. 凝着摩耗、アブレシブ摩耗、 腐食摩耗、疲労摩耗
    3. エロージョン
  3. プラスチック材料の摩擦摩耗
    1. プラスチック材料の摩擦摩耗試験方法
    2. プラスチック材料の摩擦摩耗特性の特徴
      1. 樹脂材料
      2. 複合材料
    3. プラスチック材料の摩擦摩耗と材料特性の関係
    4. 摺動 (トライボロジー) 部品への応用例
  4. 摺動面損傷の評価解析法と耐摩耗設計
    1. 硬さ、表面粗さ、顕微鏡観察などの計測・解析法
    2. 耐摩耗設計の考え方
    • 質疑応答

第2部 高分子トライボマテリアルにおけるフィラー添加による摩耗

(2018年5月31日 11:40〜13:10)

 摩擦摩耗を減らすことは持続可能な社会にとって欠かせない命題となっています。一方で、オイルレス化の傾向に見られるように、環境負荷の低減も必須の課題です。潤滑油を使わずに摩擦摩耗を減らさざるを得ないとき、固体潤滑が有力な手段となり、中でもプラスチックに代表される高分子材料は大変有力なトライボマテリアルとなっています。一方、プラスチック材料はそのままでは摩耗量が多く、摩耗量を低減するために色々なフィラーを添加することで、耐摩耗性を向上させる事がなされています。
 本講座では、摺動部に用いられるプラスチック材料用のフィラーの種類やその機能を紹介し、PTFEを取り上げ、フィラーが摩耗量を低減するメカニズムを学びます。また、その他のいくつかの事例も紹介したいと思います。

  1. トライボマテリアルとしての樹脂およびフィラー
    1. 樹脂材料
    2. フィラーの役割とフィラーの種類
      1. 潤滑性の付与
      2. 機械的強度の向上
      3. 摩擦面の平滑化
      4. 摩擦熱への対応
  2. フィラー添加によるトライボロジー特性の向上
  3. PTFEへのフィラー添加による摩耗低減メカニズム
    1. PTFEの特徴
    2. 摩耗低減メカニズムに関するさまざまな研究
    3. カーボンブラックによるPTFEの摩耗低減メカニズム
    • 質疑応答

第3部 高分子材料のトライボロジーと接触界面のダイナミクス

(2018年5月31日 13:50〜15:20)

  1. トライボロジーと高分子材料
    1. 表面の形状と接触
    2. 静摩擦と動摩擦
    3. 摩擦の法則
    4. 潤滑の形態と摩擦係数
  2. 振動の基礎理論
    1. 持続する振動 (単振動)
    2. 流体摩擦による振動の減衰
    3. 固体摩擦による振動の減衰
    4. 成長する振動 (自励振動)
  3. 摩擦振動のメカニズム
    1. 静摩擦と動摩擦の差により生じる摩擦振動
    2. 動摩擦力の速度弱化により生じる摩擦振動
    3. モード結合不安定性により生じる摩擦振動
    4. その他 (弾性体の接触界面のダイナミクスなど)
    • 質疑応答

第4部 樹脂・ゴム系摺動材料の摩擦摩耗特性と適用事例

(2018年5月31日 15:30〜17:00)

  1. 樹脂摺動材料の摩擦摩耗特性と適用事例
    1. 低摩擦化へのチャレンジ
      - 汎用樹脂、汎用エンプラを中心に –
    2. 耐熱性樹脂摺動材料
      - 熱可塑性ポリイミド樹脂 –
    3. 環境対応型樹脂摺動材料
      - 生分解性樹脂の摩擦摩耗特性 –
    4. 樹脂すべり軸受の高精度化
      - 金属との複合軸受 –
  2. ゴム系摺動材料の摩擦摩耗特性と適用事例
    1. 含油樹脂摺動材料
    2. スーパーエンプラ摺動材料
    3. 生分解性樹脂摺動材料、
    4. 高回転精度・低摩擦を実現した樹脂インサート型焼結金属すべり軸受
    • 質疑応答

講師

  • 岩井 善郎
    福井大学
    名誉教授
  • 竹市 嘉紀
    豊橋技術科学大学 機械工学系
    准教授
  • 中野 健
    横浜国立大学 大学院 環境情報研究院 人工環境と情報部門
    教授
  • 石井 卓哉
    NTN株式会社 複合材料商品事業部 精密樹脂技術部
    部長

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 118,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/8/4 高屈折率ポリマーの分子設計、合成手法と屈折率の測定方法 オンライン
2025/8/5 廃プラスチックの最新リサイクル技術の動向 オンライン
2025/8/6 光硬化に用いられる光重合開始剤とその助剤の種類、選び方、使い方、暗所・深部・厚膜硬化、速硬化への対応 オンライン
2025/8/6 マイクロ・ナノプラスチックの体内侵入に脅かされる人類とその活路 オンライン
2025/8/6 プラスチックスのリサイクルやバイオマス利用などの環境対策の現状と技術動向、今後の展望 オンライン
2025/8/6 ポリウレタンの基礎知識と応用技術および高機能化 オンライン
2025/8/7 超分子架橋を駆使した機能性高分子材料 オンライン
2025/8/7 高分子材料の粘弾性に伴う残留応力発生 & 解放機構と低減化法 オンライン
2025/8/7 プラスチックの加飾技術の最新動向と今後の展望 オンライン
2025/8/7 プラスチック・ゴム成形におけるブリードアウトの発生メカニズムと防止対策 オンライン
2025/8/7 ポリウレタンの基礎知識と応用技術および高機能化 オンライン
2025/8/8 超分子架橋を駆使した機能性高分子材料 オンライン
2025/8/8 プラスチック・ゴム成形におけるブリードアウトの発生メカニズムと防止対策 オンライン
2025/8/8 グローバル包装業界におけるトップ企業の事業展開と包装技術・規制対応・環境政策の詳細 オンライン
2025/8/18 高屈折率ポリマーの分子設計、合成手法と屈折率の測定方法 オンライン
2025/8/19 樹脂・プラスチックにおける「低塩素化」、「ハロゲンフリー」に関する材料設計、各種分析・解析、その応用 オンライン
2025/8/19 ポリマーアロイにおける分散構造、界面構造の形成とモルフォロジーの観察・解析手法 オンライン
2025/8/19 プラスチック強度設計の進め方 オンライン
2025/8/20 高分子架橋反応メカニズムと架橋密度測定 オンライン
2025/8/20 高分子難燃化・不燃化の基礎と難燃性評価およびその規制動向 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/7/31 ポリウレタンの材料設計、環境負荷低減と応用事例
2024/7/29 サステナブルなプラスチックの技術と展望
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026 (書籍版 + CD版)
2024/7/17 世界のリサイクルPET 最新業界レポート
2024/6/28 ハイドロゲルの特性と作製および医療材料への応用
2024/5/30 PETボトルの最新リサイクル技術動向
2024/2/29 プラスチックのリサイクルと再生材の改質技術
2023/10/31 エポキシ樹脂の配合設計と高機能化
2023/7/31 熱可塑性エラストマーの特性と選定技術
2023/7/14 リサイクル材・バイオマス複合プラスチックの技術と仕組
2023/3/31 バイオマス材料の開発と応用
2023/1/31 液晶ポリマー (LCP) の物性と成形技術および高性能化
2023/1/6 バイオプラスチックの高機能化
2022/10/5 世界のプラスチックリサイクル 最新業界レポート
2022/8/31 ポリイミドの高機能設計と応用技術
2022/5/31 樹脂/フィラー複合材料の界面制御と評価
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/30 世界のバイオプラスチック・微生物ポリマー 最新業界レポート
2021/12/24 動的粘弾性測定とそのデータ解釈事例