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カドミウムフリー量子ドットの特性とディスプレイへの応用技術

カドミウムフリー量子ドットの特性とディスプレイへの応用技術

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2018年4月17日(火) 10時00分 17時00分

修得知識

  • 量子ドットディスプレイの国内外の市場動向、開発動向
  • カドミウム規制の影響
  • 量子ドットを使ったフィルム化の技術とは
  • 量子ドット先行メーカーの開発事例

プログラム

第1部 Cd規制が左右する量子ドットのディスプレイ応用動向

(2018年4月17日 10:00〜11:30)

 量子ドット (QD) は、スーパーハイビジョン時代のRec.ITU – R BT.2020規格を実現し、ディスプレイの色域を大きく広げることができる有望な材料です。有機ELと競い合いながら市場を拡大しています。
 本講演では、QDが採用され始めているディスプレイ市場の状況を紹介し、QDの特徴を説明しながら、今後更に市場を拡大して行くために重要なCdフリーの方向を整理します。
 また、現在QDの市場には多くのメーカが参入してきており、各社はそれぞれ特徴のある材料と戦略で競い合っています。この状況も整理し、今後の市場動向を見通します。

  1. 量子ドット (QD) のディスプレイ応用の最新状況
    1. 展示会等でのアピールと市場への浸透状況
    2. QDが注目された背景:スーパーハイビジョンの色域競争
  2. 量子ドットの技術
    1. 構造、特徴をわかりやすく解説する
    2. LCDへの応用で先行するPL Mode
    3. OLED代替のQLEDを実現するEL Mode
    4. Cd系とCdフリー系の違い
    5. Cd規制の現状
  3. QD材料メーカ各社の特徴とビジネス戦略
    1. 苦闘する欧米ベンチャーと参入するアジアのメーカ
    2. 韓国大手二社が繰り広げるQDとOLEDの戦い
    3. 奮闘する日本の材料メーカ
  4. 今後の方向
    1. Cdフリーが重要な要素
    2. 応用市場の発展でカギを握る中国
    • 質疑応答

第2部 RoHSのカドミウム規制の現状と量子ドットを利用したディスプレイの展望

(2018年4月17日 12:10〜13:40)

 2020年のオリンピックを契機に始まる新しい8kの放送企画BT2020の広い色域に対応するために、量子ドットが一躍注目されたが、カドミウムの問題で足踏みをしている状態である。その要因となったヨーロッパの電子部品の規格であるRoHSの規制の現状はどうなっているのであろうか。また、この規制に対応するために量子ドットの技術開発はどのように進んでいるのであろうか。
 本講演では、RoHSのカドミウムに対する規制の現状を紹介し、それに対応するための量子ドットの技術の現状を紹介する。また、量子ドットのディスプレイへの応用方法を紹介し、その技術課題について述べる。さらに、現在、最も勢いのあるOLEDとの比較を行い、それぞれの光学特性、技術課題、ディスプレイパネルの製造コストなどについて述べる。

  1. 量子ドットとは何か?
    1. 量子ドットの歴史
    2. 量子ドットの特徴
    3. 自己組織化量子ドットの概要と構造
    4. コロイド量子ドットの概要と構造
  2. 量子ドットの作製方法、配位子の交換
  3. コロイド量子ドットのバンドギャップ
    1. 材料との関係
    2. 粒径との関係
  4. RoHSのカドミウム規制の現状
  5. カドミウムフリー量子ドットの開発状況
    1. カドミウムの減量
    2. InP
    3. ペロブスカイト量子ドット
    4. グラフェン量子ドット
    5. 三元系量子ドット
  6. 応用
    1. 量子ドットの市場規模
    2. ディスプレイ分野への応用
      1. LCDバックライト
      2. 量子ドットカラーフィルタLCD
      3. 色域改善OLED
      4. 量子ドットLED
  7. OLEDとの比較
    1. 光学特性
    2. デバイス構造
    3. 製造コスト
  8. 今後の展望
    • 質疑応答

第3部 カドミウムフリー量子ドット;材料,合成,特性とその応用

(2018年4月17日 13:50〜15:20)

 青色LEDバックライトのへ超変換用にCdSe量子ドットを搭載した液晶ディスプレイは、UHD – TV (スーパーハイビジョン) に対応する広色域化技術として注目されており、既に数社から販売されている。カドミウムは多くの国で100ppm以下に使用量が規制される元素であり、規制値以下への使用量の削減も進められている。次のステップとなる完全カドミウムフリー化には新規材料開発が必須となる。
 本講演では、CdSe量子ドットを例に量子ドットに求められる特性、その実現を目指したカドミウムフリー量子ドットの開発の最新動向をわかりやすく解説する。コロイダル量子ドットの開発従事者、企画担当者を対象として、現在開発が行われているカドミウムフリー量子ドットの合成法、特性、応用だけでなく、新たな材料の設計指針の習得を目指す。

  1. 量子ドットにおけるカドミウムフリー化
    1. CdSe量子ドットの特性
    2. Cd量を低減した量子ドット
    3. カドミウムフリー材料のバリエーション
  2. InP量子ドット
    1. 合成法
    2. 発光特性
    3. 課題と解決策
  3. I – III – VI2量子ドット
    1. I – III – VI2量子ドットのポテンシャル
    2. (I – III – VI2) – (II – VI) 混晶半導体量子ドット
    3. CuInSe2量子ドット
    4. CuInS2量子ドット
    5. AgInS2量子ドット
  4. 新しい化合物半導体量子ドット
    1. ZnTe系量子ドット
      1. ZnTe系量子ドットのポテンシャル
      2. ZnTe – ZnSe量子ドット
      3. ZnTe – ZnS量子ドット
    2. 酸化物半導体
  5. 有機 – 無機ハイブリッドPbペロブスカイト量子ドット
  6. 波長変換,自発光素子への応用例
  7. おわりに
    • 質疑応答

第4部 量子ドットフィルムの技術

(2018年4月17日 15:30〜17:00)

 近年、高精彩な画像を表示することができる4Kテレビの普及がめざましく、より高精彩な8Kテレビの開発も進んでいます。4Kテレビの世界市場 (台数) は2016年には約4,000万台に達し、2020年までに8,000万台以上に成長すると言われています。2012年には4K、8Kテレビ等の高精細テレビ向けの新しい色域規格、BT.2020が国際電機通信連合 (ITU) によって制定され、ディスプレイメーカー各社は、この規格に対応できる、より広色域のディスプレイの開発を進めています。消費電力を大幅に増やすことなく、液晶ディスプレイの広色域化を実現する技術として、量子ドットフィルムは注目されており、従来の液晶ディスプレイでは達成することが困難であった、BT.2020色域規格の90%以上を達成するという広色域化が可能となっています。
 本講では、量子ドットフィルムの産業動向と技術動向及びその課題を紹介します。

  1. 会社紹介
  2. 量子ドットフィルムの産業動向
  3. 量子ドットフィルムの技術動向
    1. 日立化成の量子ドットフィルム
    2. 他社の量子ドットフィルム
    3. 量子ドットを使ったその他技術開発
  4. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 北原 洋明
    テック・アンド・ビズ 株式会社
    代表取締役
  • 長谷川 雅樹
    フォトンラボコンサルタント
  • 小俣 孝久
    東北大学 多元物質科学研究所 原子空間制御プロセス研究分野
    教授
  • 舟生 重昭
    日立化成 株式会社 エレクトロニクス関連材料開発センタ 透明材料開発部
    部長

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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本セミナーは終了いたしました。

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