技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

高耐熱樹脂の構造制御

高耐熱樹脂の構造制御

~置換基・官能基の導入、分子設計~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2017年2月24日(金) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 放射線照射によるマレイミド・スチレン共重合体合成の特徴

(2017年2月24日 10:00〜11:30)

 マレイミドをスチレンなどのオレフィン類とラジカル共重合することで、耐熱性が向上することが知られている。
 ラジカル共重合体を生成する手法として、放射線を利用した場合の特徴について、放射線のエネルギー付与と関連づけて解説する。
 また、ラジカル重合以外の高分子材料への放射線利用例も紹介する。

  1. はじめに
    1. 放射線照射の特徴
    2. ガンマ線・電子線照射によるエネルギー付与
    3. イオンビーム照射によるエネルギー付与
  2. 放射線照射におけるラジカル共重合の特徴
    1. 線量率 (単位時間あたりの線量) の効果
    2. イオンビーム照射 (種類、エネルギー) における特徴
    3. 溶媒の種類による影響
  3. 高分子材料への放射線利用例
    1. 放射線架橋
    2. グラフト重合
  4. まとめ
    • 質疑応答

第2部 マレイミド共重合体の合成と耐熱ポリマー材料設計への応用

(2017年2月24日 12:10〜13:40)

 アクリル系ポリマーの特徴として、ラジカル重合で簡便に合成できる利点だけでなく、最近のリビングラジカル重合や精密制御された共重合 (交互、配列制御、ブロック共重合など) を利用すると、ポリマーの精密構造や物性を制御することができる点がある。
 本講演では、マレイミド共重合体を中心に、これらポリマーの高透明性、高耐熱性、耐候性を活かしつつ、さらに高強度化や特異な光学特性などの様々な高性能・高機能性を併せ持つ材料設計の実例を紹介する。

  1. 耐熱透明ポリマーの設計
    1. 汎用ポリマーの高機能化・高性能化
    2. アクリル系ポリマーの高機能化へのアプローチなど
  2. 精密ラジカル重合によるマレイミド系ポリマーの材料設計
    1. ポリマーのシークエンス制御 (共重合の精密配列制御)
    2. 高耐熱透明マレイミド系ポリマーの構造設計と物性評価
    3. 有機無機ハイブリッド型の高透明ポリマー材料の開発
    4. マレイミド系熱硬化樹脂の新規開発
    5. マレイミド共重合体の光学材料への応用など
  3. その他の高透明ポリマー材料の高耐熱化
    1. アダマンタン含有ポリマーの合成とポリマーの特徴
    2. シクロアルキル基の導入によるアクリル系ポリマーの耐熱化
    3. ポリフマル酸エステルの合成とポリマーの特徴
    4. ラジカル重合による透明耐熱ポリスルホンの合成と特徴など
    • 質疑応答

第3部 高耐熱エポキシ樹脂の分子設計

(2017年2月24日 13:50〜15:20)

 エポキシ樹脂は電子デバイスの各種絶縁材料として用いられる。その電子デバイス分野では、例えば半導体パッケージ材料分野やSiC半導体分野において、他の特性を維持しつつ優れた耐熱性を発現することが求められている。
 本発表では、エポキシ樹脂の分子構造と耐熱性の関係や、耐熱性と相反する特性について解説する。
 また、合わせて、DICが近年開発している高耐熱エポキシ樹脂の多彩な分子設計と特性についてあわせて紹介する。

  1. はじめに (エポキシ樹脂の硬化反応)
  2. エポキシ樹脂の分子構造と耐熱性の関係
  3. 耐熱性と相反する重要特性の解説
  4. 耐熱性と相反する諸特性を両立する多彩な分子設計
    • 質疑応答

第4部 トリアジンの特性を活用した機能性ポリマーの創成と耐熱性、難燃性向上

(2017年2月24日 15:30〜17:00)

 トリアジン化合物の反応性を活用することにより、種々の置換基、官能基および機能性基の導入が容易となり、機能性トリアジン系モノマーの分子設計・合成が可能となる。
 これらの機能性モノマーに適した重合を実施することで、機能化トリアジン由来の耐熱性、難燃性、高機械特性、熱硬化性、などの特性を有する機能性の縮合系ポリマーを創成することができる。

講師

  • 中川 清子
    地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター バイオ応用技術グループ
    主任研究員
  • 松本 章一
    大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 応用化学分野
    教授
  • 佐藤 泰
    DIC 株式会社 ポリマ第一技術本部 ポリマ技術5グループ
    主任研究員
  • 大石 好行
    岩手大学 理工学部 化学・生命理工学科 化学コース
    教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 118,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/1/27 増加する廃棄CFRP/CFRTPにおけるリサイクルの課題と炭素繊維回収の最先端およびRCF活用法と産業確立への指針 オンライン
2025/1/27 ポリフェニレンサルファイド (PPS) 樹脂の基本特性と製造・加工技術および高機能化 オンライン
2025/1/28 車載用プラスチック材料や成形法の基礎から最新活用法まで オンライン
2025/1/30 ポリウレタンの材料設計と構造・物性の制御と劣化対策 オンライン
2025/1/30 熱可塑性エラストマーの総合知識 オンライン
2025/1/30 重合反応の基礎・応用 オンライン
2025/1/30 ポリイミドの基礎とポリイミド系材料の低誘電率化・低誘電正接化 オンライン
2025/1/31 高分子へのフィラーのコンパウンド技術の基礎と応用 オンライン
2025/2/6 エポキシ樹脂 2日間総合セミナー オンライン
2025/2/7 高分子材料の相溶性・相分離現象の基礎と相容化剤を用いたポリマーブレンド材料およびマテリアルリサイクルへの応用 東京都 会場
2025/2/14 重合反応の基礎・応用 オンライン
2025/2/17 高分子へのフィラーのコンパウンド技術の基礎と応用 オンライン
2025/2/21 シリコーンの基礎・特性と設計・使用法の考え方・活かし方 オンライン
2025/2/27 メタクリル系ポリマー活用のための入門講座 オンライン
2025/3/6 エポキシ樹脂の耐熱性向上と機能性両立への分子デザイン設計および用途展開における最新動向 オンライン
2025/3/10 シリコーンの基礎・特性と設計・使用法の考え方・活かし方 オンライン
2025/3/13 半導体封止材用エポキシ樹脂・硬化剤・硬化促進剤と分析・特性評価法および技術動向 オンライン
2025/3/28 固体高分子の破壊とタフニング オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/8/30 次世代パワーデバイスに向けた高耐熱・高放熱材料の開発と熱対策
2024/7/29 サステナブルなプラスチックの技術と展望
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026 (書籍版 + CD版)
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026
2024/7/17 世界のリサイクルPET 最新業界レポート
2024/6/28 ハイドロゲルの特性と作製および医療材料への応用
2024/5/30 PETボトルの最新リサイクル技術動向
2024/2/29 プラスチックのリサイクルと再生材の改質技術
2023/10/31 エポキシ樹脂の配合設計と高機能化
2023/7/31 熱可塑性エラストマーの特性と選定技術
2023/7/14 リサイクル材・バイオマス複合プラスチックの技術と仕組
2023/3/31 バイオマス材料の開発と応用
2023/1/31 液晶ポリマー (LCP) の物性と成形技術および高性能化
2023/1/6 バイオプラスチックの高機能化
2022/10/5 世界のプラスチックリサイクル 最新業界レポート
2022/8/31 ポリイミドの高機能設計と応用技術
2022/5/31 樹脂/フィラー複合材料の界面制御と評価
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/30 世界のバイオプラスチック・微生物ポリマー 最新業界レポート
2021/12/24 動的粘弾性測定とそのデータ解釈事例