技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

超高齢社会を見据えた関節リウマチ基礎講座

超高齢社会を見据えた関節リウマチ基礎講座

~現在進行中の開発治験薬、中止になった治験薬と今後開発されそうな新薬は / 診断・治療・薬剤選定の現状と患者が求める診療とは~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、リウマチ診療と開発の現状、患者が求めている医療、今後のリウマチ診療の動向について、講師の経験を交えて詳解いたします。

開催日

  • 2017年2月21日(火) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • リウマチ診療に関わる方

プログラム

 2003年の生物学的製剤 (バイオ) の登場は関節リウマチ (RA) 診療を激変させました。バイオの投与で患者は関節の腫れと痛みから開放され、QOLも大きく改善し、健常人と変わらない ADLを維持することも可能となりました。これに合わせる様にRA診断の為の検査が進歩し、新たな診断基準も出されました。極発症早期RAと診断し、早い段階から積極的な治療を行なうことが求められ、T2Tという概念も提唱されました。
 その後も続々とバイオが登場し、2013年には経口低分子量化合物 (JAK阻害薬) が出て、2014年にはインフリキシマブのバイオシミラーも出ました。患者にとっては治療の選択肢が拡がると同時に自分自身で治療法を決めるのが益々むずかしくなっています。新規の薬剤やバイオシミラーの開発が今も進んでいます。RA治療がもっと複雑になります。
 一方で我が国は超高齢社会を迎えています。新しい治療によりRA患者の予後も改善し、寿命も延びています。更に80歳台、90歳台で新たにRAを発症される患者もいます。
 新規治療薬は高価であり、その恩恵にあずかれない患者も沢山います。
 この様な高齢者や新規治療薬の恩恵にあずかれない患者にどの様な医療を提供出来るか、今後も考えていかなければなりません。
 これからの超高齢社会で医療者はどの様なRA医療を提供していくべきか、私なりの考えを話したいと思います。

  1. RAの基礎
    1. RAとその臨床像 (過去と現在)
    2. 疫学 (RA患者平均寿命の伸び・高齢者RAの割合・高齢RA発症は増えている?)
    3. RAの病因と病態 (タバコは百害あって一利なし)
  2. RAの診断
    1. 2010年EULAR/ACR新分類基準
    2. 診断のための血清学的マーカー
    3. 診断のための画像検査 (X線・MRI・エコー)
  3. RAの疾患活動性評価
    1. CRP・血沈・SAA・MMP-3・関節所見・患者VAS
    2. DAS28
    3. Boolean寛解・SDAI寛解・CDAI寛解
    4. 総Sharpスコア変法
    5. 患者評価 (HAQ-DI・SF-36)
  4. RA治療薬の概要
    1. メトトレキサートMTX:アンカードラッグ・ゴールデンスタンダード
    2. 遅効性抗リウマチ薬DMARDs:これはもう過去の薬?
    3. 生物学的製剤 (バイオ) ・バイオシミラー
    4. 免疫抑制薬:MTXを使えない場合の代替薬?
    5. 経口低分子量化合物:トファシチニブを使ってみての感触
  5. 現在進行中の開発治験薬と今後開発されそうな新薬?
    1. 経口低分子量化合物 (JAK・Syk阻害薬)
    2. TNF-α以外をターゲットとしたバイオ
      • IL-17
      • IL-17R
      • IL-6
      • RANKL
      • 補体
    3. バイオシミラーの開発
  6. RA診療の現状
    1. 早期診断・早期強力治療介入の流れ
    2. あるクリニックの診療風景
    3. ある大学病院のバイオ治療の変遷
    4. 診療ガイドラインはどこまで役立つか?
    5. インフリキシマブBSは使われている?医療費削減になる?
    6. RA治療を妨げる要因は? (高額医療費がネック)
    7. ヒアルロン酸関節内注入は効く?
    8. トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン、プレガバリンは効き目がある?
    9. RA治療の地域格差:医師の診療技術による格差をなくすべき?
    10. 整形外科手術は減っている?
    11. バイオ皮下注はシリンジ?ペン型?オートインジェクター?
    12. マスコミで悪者にされている薬を如何に使う?ロキソプロフェン・MTX・バイオ
    13. 患者は何故湿布薬を欲しがる?
    14. 65歳以上、75歳以上、85歳以上高齢者に対するRA治療とケアは?
    15. ボケ老人がリウマチになったら、どうする?
  7. RA治療今後の課題
    1. バイオ・JAK阻害剤:最初から効かない場合どうする?
    2. バイオ・JAK阻害剤:途中から効かなくなった場合どうする?
    3. 寛解後の治療:バイオ・MTXの減量・フリーどうする?順番は?
    4. 安全な医療を目指すには?
    5. 漢方薬・サプリメントはRAに効果がある?
    6. 高齢発症患者に対してどこまで治療する?
    7. 患者が高齢になった場合の治療をどうする?
    8. 国はバイオシミラーの使用促進を本気で考えている?
  8. 製薬メーカーと医師との関係
    1. RA治療ガイドラインでのバイオは横並び
    2. 製薬メーカーの宣伝はRA治療に役立つ?
    3. メーカーが示す有効性データに騙されるな
    4. MR不要論 (MRと医師の関係どうなる?)
  9. 私の理想とするリウマチクリニックとは?
    1. 患者が求める医療
    2. 患者教育・啓発の必要性 (医療講演・医療相談)
    3. 医師の診療技術の向上を目指す (地元医師勉強会・症例検討会)
    4. 大学病院・基幹病院との病診連携促進
    5. 地域医療連携ネットワークの促進・活用 (無駄な検査・投与減り、医療費節約に繋げる)
    6. RA患者の訪問診療は可能?
    7. RA患者の訴えや悩みをじっくり聞く

会場

江東区産業会館

第2会議室

東京都 江東区 東陽4丁目5-18
江東区産業会館の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 46,278円 (税別) / 49,980円 (税込)

割引特典について

  • R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
    • 1名でお申込みいただいた場合、1名につき 43,750円 (税別) / 47,250円 (税込)
    • 複数名で同時にお申し込みいただいた場合、1名につき 23,139円 (税別) / 24,990円 (税込)
    • 案内登録をされない方は、1名につき 46,278円 (税別) / 49,980円 (税込)
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/5/15 医薬品開発における製剤開発の各段階で必要となる統計解析基礎講座 オンライン
2024/5/16 医薬品ライセンス契約のドラフティングと紛争回避・解決のポイント オンライン
2024/5/16 Computer Software Assuranceセミナー オンライン
2024/5/17 データインテグリティを踏まえたGMP文書・SOP・記録の作成と管理 オンライン
2024/5/17 医薬品製剤の生物学的同等性とその定量的な予測方法の現状 オンライン
2024/5/20 改正GMP省令を踏まえたGMP適合性調査対応 効率的なGQP/GMP - QA連携とQA/QC業務範囲の明確化 オンライン
2024/5/20 滅菌バリデーションの深堀と見落としがちな滅菌バリデーションの留意点、最新米国FDA等EO環境問題と代替滅菌プログラム動向、無菌性保証とパラメトリックリリース (PIC/S ANNEX17) とその推奨 オンライン
2024/5/20 バイオ医薬品開発を目的としたタンパク質溶液の安定化と添加剤の効果/選定 東京都 会場・オンライン
2024/5/21 GMP工場の設備設計および維持管理のポイント オンライン
2024/5/21 新規モダリティ分野における各事業性評価手法と不確実性要素の注意点 オンライン
2024/5/21 医薬品開発におけるグローバルマーケットを見据えた知財戦略と出願・権利化選定/評価 オンライン
2024/5/21 FDA査察対応セミナー 入門編 オンライン
2024/5/22 医薬品開発における製剤開発の各段階で必要となる統計解析基礎講座 オンライン
2024/5/22 実務で使える製造販売後調査等 (GPSP) 実施における留意点 オンライン
2024/5/22 診断薬業界に求められるビジネスモデルと事業・製品戦略 オンライン
2024/5/23 希少疾患の臨床開発・承認申請戦略 戦略構築への活用 オンライン
2024/5/23 希少疾病用医薬品 (オーファンドラッグ) の薬価算定の実際と薬価戦略 オンライン
2024/5/23 医薬品 洗浄バリデーションセミナー オンライン
2024/5/24 動物用医薬品開発の為の医薬品試験データの活用法と評価 オンライン
2024/5/24 将来の環境や戦略を踏まえた医薬品売上予測 オンライン

関連する出版物

発行年月
2022/6/17 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (追補版)
2022/3/31 疾患原因遺伝子・タンパク質の解析技術と創薬/診断技術への応用
2021/11/26 改正GMP省令で要求される「医薬品品質システム」と継続的改善
2021/11/26 改正GMP省令で要求される「医薬品品質システム」と継続的改善 (書籍 + ebook版)
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点) (製本版 + ebook版)
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点)
2021/10/11 抗ウイルス薬
2021/10/11 抗ウイルス薬 (CD-ROM版)
2021/9/22 パージファクター活用 (スコアリングと判定基準) 及びニトロソアミン類のリスク評価 (書籍版 + ebook版)
2021/9/22 パージファクター活用 (スコアリングと判定基準) 及びニトロソアミン類のリスク評価
2021/8/31 創薬研究者・アカデミア研究者が知っておくべき最新の免疫学とその応用技術
2021/8/26 薬事規制・承認審査の3極比較と試験立案・臨床データパッケージ/CMCグローバル申請 (製本版+ebook版)
2021/8/26 薬事規制・承認審査の3極比較と試験立案・臨床データパッケージ/CMCグローバル申請
2021/5/27 [Global] 治験/市販後での安全性情報の収集・評価・報告要否とPVベンダーコントロール
2021/5/27 [Global] 治験/市販後での安全性情報の収集・評価・報告要否とPVベンダーコントロール (書籍 + ebook版)
2021/3/30 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ
2020/6/30 米国での体外診断用医薬品の開発/審査対応 実務集
2020/4/27 各国要求及び治験環境と現地の実情
2020/3/30 当局要求をふまえたデータインテグリティ手順書作成の要点
2020/3/24 リアルワールドデータの使用目的に応じた解析手法 - 各データベースの選択と組み合わせ -