技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

太陽光発電売電事業の契約実務と法的リスクの留意点

太陽光発電売電事業の契約実務と法的リスクの留意点

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2014年1月28日(火) 14時00分16時00分

プログラム

 2013年9月中旬に経済産業省から再生可能エネルギーの固定買取制度の設備認定取得者 (400kw超) に対して一斉に「報告書の徴収」が送付された。「認定設備の中には、着工が遅れており、2012年度の調達価格 (42円/kWh) を維持するのに相応しいかどうかを改めて検証する必要のあるケースが生じております。」という書き出しは、調達価格42円の枠取りをして、着工をわざと先延ばしし、建設工事代金が下がるのを待っている事業者に対する経済産業省の憤りと、一般消費者が支払う賦課金をもってそのような事業者に棚ぼた的利益を与えることは許さないという強い決意が見て取れる。いよいよ経済産業省はそのような不届きな事業者に対して、早期に工事に着工するか、当該設備認定を実際に発電所を建設できる資金を有する者に譲渡するか、廃止届を出すかの選択を迫るものである。経済産業省の報告書徴収に背中を押されて太陽光発電所のM&Aが活発化することが予想される。
 本講義では経済産業省の報告書への対応について説明した後、再生可能エネルギーの全量買取制度の最新の話題を解説し、太陽光発電所のM&Aの注意点について言及する。
 さらに具体的にプロジェクトを遂行するためには、土地賃貸借契約、売電契約、建設契約 (EPC) 、運営契約 (O&M) 、パネルの調達契約と性能保証、保険契約、プロジェクトファイナンスの融資契約・担保契約などさまざまな契約書を作成・交渉しプロジェクトを組成していく必要がある。また、電力会社との工事負担金の交渉も不可欠である。また、小規模な案件では、不動産ファイナンスの考えを応用した匿名組合を利用するTK-GKストラクチャー なども検討する必要がある。太陽光発電の屋根貸しモデルなど新しい形態に対応した契約の作成も必要となる。
 さらに最近太陽光パネルの反射光をめぐる東京高等裁判所の判決が出た。損害賠償を認めた横浜地方裁判所とまったく正反対の結論で裁判所もまだ方向性を決めかねているように思われる。

  1. 全量買取法案をめぐる最近の動き
    • ( a ) 経済産業省の報告書徴収
    • ( b ) 電力会社との交渉方法 工事負担金
    • ( c ) 東京高等裁判所の屋根の反射光をめぐる判決
    • ( d ) パブリックコメントに対する回答 (「考え」) の重要ポイント
  2. 太陽光発電事業のM&Aの注意点
    • ( a ) 再エネ法の許認可と売電契約
    • ( b ) 土地のデューディリジェンス
    • ( c ) パネルの交換の問題
  3. 特定契約 (電力受給契約) の内容
    • ( a ) 各電力会社の要綱との関係
    • ( b ) 受給開始日の記載
    • ( c ) 受給開始遅延の逸失利益
    • ( d ) 買取代金の変更 (3条8項)
    • ( e ) 出力抑制と損害の補償
    • ( f ) 電力安定供給・電力品質
    • ( g ) 契約解除と逸失利益
    • ( h ) 担保権の設定
    • ( i ) 法令変更
    • ( j ) 倒産申立権放棄、責任財産限定
  4. 各種契約
    • ( a ) 土地賃貸借契約
    • ( b ) 建設契約 (EPC)
    • ( c ) 運営契約 (O&M)
    • ( d ) パネルの供給契約と性能保証
    • ( e ) 保険契約
    • ( f ) 屋根貸し契約
  5. 匿名組合ストラクチャー
  6. 質疑応答

講師

  • 江口 直明
    東京青山・青木・狛法律事務所 (ベーカー&マッケンジー外国法事務弁護士事務所)
    パートナー / 弁護士

会場

SSK セミナールーム
東京都 港区 西新橋2-6-2 ザイマックス西新橋ビル 4F
SSK セミナールームの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 30,000円 (税別) / 31,500円 (税込)
複数名
: 20,000円 (税別) / 21,000円 (税込)

割引特典について

  • 複数名同時受講割引
    • 同一団体より複数ご参加の場合、2人目以降 21,000円(税込) で受講いただけます。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/11/20 廃プラスチックのリサイクル関連技術における最新動向 オンライン
2025/11/20 産業分野の排熱回収技術とバイナリー発電の原理、特徴、適用例 オンライン
2025/11/21 水素・アンモニア・メタノールの低コスト化に向けた技術革新と用途展開の最新動向について オンライン
2025/11/21 廃プラスチックのリサイクル関連技術における最新動向 オンライン
2025/11/21 2050年 再生可能エネルギー9割の未来 その科学的根拠と国際議論の最新動向 オンライン
2025/11/27 電力需要の増加と蓄電池ビジネス、送電網増強への最適事業戦略 オンライン
2025/11/27 電力需給逼迫と電力価格、蓄電池を取り巻く日本企業の事業戦略 オンライン
2025/11/27 低濃度CO2の回収・資源化技術の最新動向と今後の展望 オンライン
2025/11/28 燃料電池・水電解の電極触媒およびセルの構造観察・分析法 オンライン
2025/11/28 低濃度CO2の回収・資源化技術の最新動向と今後の展望 オンライン
2025/12/1 燃料電池・水電解の電極触媒およびセルの構造観察・分析法 オンライン
2025/12/3 スズ系ペロブスカイト太陽電池の材料、プロセス技術 オンライン
2025/12/4 グリーン水素製造技術を見据えた水電解の役割 オンライン
2025/12/4 原子力発電安全性向上の取り組みと新規制への対応 東京都 会場・オンライン
2025/12/15 グリーン水素製造技術を見据えた水電解の役割 オンライン
2026/4/24 熱利用解析技術 ピンチテクノロジーの基礎と応用 オンライン

関連する出版物

発行年月
2018/3/30 熱利用技術の基礎と最新動向
2018/2/26 再生可能エネルギーと大型蓄電システムの技術と市場
2018/2/23 2018年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2017/11/17 2018年版 燃料電池市場・技術の実態と将来展望
2017/9/29 触媒からみるメタン戦略・二酸化炭素戦略
2017/9/22 2017年版 スマートグリッド市場の実態と将来展望
2017/8/25 2017年版 リチウムイオン電池市場の実態と将来展望
2017/7/21 2017年版 スマートコミュニティ市場の実態と将来展望
2017/5/26 2017年版 HEMS市場・関連機器の実態と将来展望
2017/3/24 2017年版 スマートエネルギー市場の実態と将来展望
2017/2/24 2017年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2017/1/27 2017年版 太陽光発電市場・技術の実態と将来展望
2016/11/16 2017年版 燃料電池市場・技術の実態と将来展望
2016/9/23 2016年版 スマートハウス市場の実態と将来展望
2016/8/26 2016年版 リチウムイオン電池市場の実態と将来展望
2016/7/22 2016年版 スマートグリッド市場の実態と将来展望
2016/5/27 2016年版 スマートコミュニティ市場の実態と将来展望
2016/2/26 2016年版 車載用・産業用蓄電池市場の実態と将来展望
2016/1/29 2016年版 太陽光発電市場・技術の実態と将来展望
2015/12/18 2015年〜2016年版 電力自由化市場総覧 (2016年 新春号)