技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

新規バイオプラスチックの台頭とポリ乳酸の高機能化材料設計技術

新規バイオプラスチックの台頭とポリ乳酸の高機能化材料設計技術

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、ポリ乳酸の基本特性、高性能・高機能化技術、材料設計技術、成形加工技術と製品・用途開発の現状と課題について基礎から応用まで解説いたします。

開催日

  • 2013年10月24日(木) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • バイオプラスチック・ポリ乳酸に関連する技術者
    • 自動車分野
    • 電気・電子分野
    • スポーツ分野 など
  • バイオプラスチック・ポリ乳酸に関連する分野のマーケティング担当者、事業企画担当者、経営者

修得知識

  • バイオプラスチックの基礎
  • 実用可能性の高いポリ乳酸の基礎と応用
    • 高機能化
    • 材料設計
    • 成形加工
    • 製品・用途開発

プログラム

 近年、新しく生まれつつある数多くの新規バイオプラスチックに関する最新情報を提供すると共に、それらの基本特性や潜在的可能性について言及する。また、現時点で最も実用化が進んでいるポリ乳酸のさらなる高性能・高機能化材料設計技術とその応用に関して紹介する。

  1. バイオプラスチックの基礎と最新動向
    1. 地球環境・資源・廃棄物問題 …自然界が有する真のリサイクルシステムである炭素循環にリンクすることの重要性
    2. バイオプラスチックの分類…日本バイオプラスチック協会 (JBPA) 識別表示制度
      • グリーンプラとバイオマスプラの違い
      • 原料由来と生分解性を基軸とする4象限分類法
    3. 新規バイオプラスチックの台頭 …基本特性とメーカー動向について
      • バイオポリオレフィン (HDPE, LLDPE, LDPE, PP)
      • バイオポリカーボネート (イソソルバイド系)
      • バイオポリアミド (PA4, PA410, PA56, PA510, PA610, PA11, PA10T, ポリ尿素)
      • バイオポリエステル (PHA, PGA, PBS, PBAT, 高L組成PLA, sc-PLA, 完全bio-PET, PPT, PEF)
    4. 素材の選定評価基準・方法について …具体例について考察する
      • 生分解性と植物性はどちらが重要か?
      • 最も歴史の古いPHA系が伸びない理由とは?
      • sc-PLAははたしてPLAの本命となり得るのか?
      • 将来完全bio-PETが出てくれば、そもそもPLAなど全く必要なくなるのか?
      • 石油系PSを置き換えうる可能性の最も高いバイオプラスチックは何か?
      • 高ガスバリア性バイオポリエステルのPGAとPEFはどちらが本命か?
      • バイオポリカーボネートは既存石油系ポリカーボネートを置き換えうるか?
      • 数多いバイオポリアミドの中で将来の本命候補となるのは?
      • bio-PEとPBS, PBATは競合するのか,それとも棲み分けるのか?
      • 市販bio-PEが既存石油系PEと品質・性能や成形加工性が同じでない理由は?
    5. バイオプラスチック原料ソースの多様化 …食料資源 (デンプン) から非食料資源 (セルロース) へ
  2. ポリ乳酸の高性能・高機能化材料設計指針
    1. ポリ乳酸を選択する理由
      1. 基本特性…100%植物由来の完全生分解性プラスチック
      2. 2段階2様式の特異的生分解機構 …耐久性構造材料 (非生分解性) とバイオリサイクル材 (生分解性) の双方に展開が可能
      3. 優れた物理的・化学的・生物学的性質…強度、透明性、耐水・耐油性、安全性
    2. ポリ乳酸単独系
      1. 結晶性高分子の成形加工プロセスにおける結晶化
        • 融点からの降温冷却過程における溶融結晶化…射出成形、押出成形、ダイレクトブロー
        • 室温からの再昇温過程における冷結晶化…真空・圧空成形、ビーズ発泡
      2. ポリ乳酸ベースレジンの選択と結晶化ダイナミクス
        • ステレオコンプレックス型ポリ乳酸 (sc-PLA)
        • 高L組成ポリ乳酸 (highly LLA-rich PLA)
          • 結晶化速度、結晶化度、融点のD体含量依存性
          • 結晶化温度依存性…低温成形と成形加工性向上
          • 非等温結晶化…冷却速度依存性
      3. 結晶化促進添加剤の成形加工分野別選択指針…耐熱性、成形加工性、寸法安定性
        • 結晶核剤・・・射出成形、真空・圧空成形
        • 架橋剤・・・射出成形、押出・発泡・ブロー成形
        • マルチ機能改質剤*・・・射出成形、真空・圧空成形
           * ポリグリセリン脂肪酸エステル (PGFE) …1%の添加量で耐熱性 (成形加工性、寸法安定性) と耐衝撃性 (可塑性) の同時向上 (両立) は可能か?
      4. 長期耐久性 (耐加水分解性) …残留ラクチド、カルボキシル末端基封鎖技術
      5. 耐衝撃性…可塑・柔軟剤、フィラー
      6. 難燃性…難燃材/ベースレジンの選択
      7. ガスバリア性…ガスバリア層の導入 (共押出、コーティング)
    3. ポリマーアロイ系 …代表的各社グレード一覧表 (PC/PLA, ABS/PLA, PP/PLA等)
      1. PLAの選択…高結晶性or低結晶性、耐久性処方の有無が最終性能に影響
      2. 相手ポリマーの選択理由…難燃性、耐衝撃性、成形加工性、柔軟性、透明性
      3. 相溶化剤の分子設計…相溶性/非相溶性バランス、過剰な相溶性は結晶化阻害
      4. 相分離ドメインサイズ…ナノ~ミクロン
      5. 植物度…最低25% (JBPAバイオマスプラ認証基準)
    4. 最新の実用化例 (写真等で紹介) …農林・園芸・土木、食品容器・包装、電気・情報機器ほか
    • 質疑応答・名刺交換

講師

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

4F 第1特別講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 42,667円 (税別) / 44,800円 (税込)
複数名
: 35,667円 (税別) / 37,450円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名で参加の場合、1名につき 7,350円割引
  • 3名で参加の場合、1名につき 10,500円割引 (同一法人に限ります)
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/11/25 バイオマスフィラーの樹脂への分散、複合化技術 オンライン
2024/11/26 セラミックグリーンシート成形技術の総合知識 オンライン
2024/11/26 光学用透明樹脂の基礎、屈折率制御および光吸収・散乱メカニズムと高透明化 オンライン
2024/11/26 ポリマー・高分子材料のモノマー化・解重合技術の基礎とケミカルリサイクルの技術動向 オンライン
2024/11/27 光硬化型材料の基礎と応用のポイント オンライン
2024/11/27 プラスチック成形品における残留ひずみの発生メカニズムおよび対策とアニール処理技術 オンライン
2024/11/27 ゴム・プラスチック材料の破損、破壊原因とその解析法 東京都 会場
2024/11/27 プラスチックのマテリアルリサイクル技術入門 オンライン
2024/11/27 加速する国内外のプラスチック規制の動向とリサイクルの最新事情 オンライン
2024/11/27 粘着・剥離のメカニズムとその制御 オンライン
2024/11/28 プラスチック成形品の残留応力発生メカニズム&長期信頼性の予測法 オンライン
2024/11/28 固体高分子材料の動的粘弾性測定 オンライン
2024/11/28 金属・セラミックス粉末の成形・焼結プロセスのメカニズムとその応用 オンライン
2024/11/28 熱分析の基礎、測定と正しいデータ解釈 オンライン
2024/11/28 架橋ポリオレフィンのマテリアルリサイクル技術の最先端 オンライン
2024/11/29 UV硬化接着剤の材料設計と深部硬化 オンライン
2024/11/29 トライボロジー 入門講座 オンライン
2024/11/29 架橋ポリオレフィンのマテリアルリサイクル技術の現状と動向 オンライン
2024/12/3 加速する国内外のプラスチック規制の動向とリサイクルの最新事情 オンライン
2024/12/4 ポリマーアロイにおける相溶性の基礎と物性制御ノウハウ オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/7/29 サステナブルなプラスチックの技術と展望
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026 (書籍版 + CD版)
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026
2024/7/17 世界のリサイクルPET 最新業界レポート
2024/6/28 ハイドロゲルの特性と作製および医療材料への応用
2024/5/30 PETボトルの最新リサイクル技術動向
2024/2/29 プラスチックのリサイクルと再生材の改質技術
2023/10/31 エポキシ樹脂の配合設計と高機能化
2023/9/1 プラ容器 vs 紙包装 vs パウチ包装市場の現状と展望 [書籍 + PDF版]
2023/9/1 プラ容器 vs 紙包装 vs パウチ包装市場の現状と展望
2023/7/31 熱可塑性エラストマーの特性と選定技術
2023/7/14 リサイクル材・バイオマス複合プラスチックの技術と仕組
2023/3/31 バイオマス材料の開発と応用
2023/1/31 液晶ポリマー (LCP) の物性と成形技術および高性能化
2023/1/6 バイオプラスチックの高機能化
2022/12/31 容器包装材料の環境対応とリサイクル技術
2022/10/20 発泡成形・中空成形・圧空成形の量産実施に向けての準備と、環境負荷低減の具体的な手段の解説
2022/10/5 世界のプラスチックリサイクル 最新業界レポート
2022/8/31 ポリイミドの高機能設計と応用技術
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発