2011年12月6日「光学活性医薬品におけるキラル製造プロセス開発への留意点」講師
第1部
光学異性体分析法と医薬品の品質評価
(2011年12月6日 10:30~12:30)
~CMC開発研究と評価試験法の設定~
- はじめに (医薬品品質評価とレギュラトリーサイエンス)
- 医薬品開発のプロセスとCMC研究
- 薬事法・局方・ICHガイドライン
- 薬事法と日局 (JP)
- 日局 (JP) 一般試験法
- ICHガイドライン (Qパート)
- 光学異性体を含む類縁物質の品質評価におけるレギュレーション
- 原薬に対する規制
- 製剤に対する規制
- 分析法バリデーションと試験法の設定
- エナンチオマー分析法
- 旋光度測定法<2.49> (JP一般試験法)
- 液体クロマトグラフィー<2.01> (JP一般試験法)
- ガスクロマトグラフィー<2.02> (JP一般試験法)
- キャピラリー電気泳動法 (JP参考情報)
- その他
- おわりに
第2部 実用的不斉合成反応
~ラボスケールから大量合成まで~
(2011年12月6日 13:15~14:15)
様々な手法を用いて望ましい一方の光学活性化合物を選択的に合成することは、言い換えれば廃棄物となってしまう化合物の生成を抑制することであり時代の要請に合った技術とも言える。
本講座では、均一系触媒反応を用いたプロセス化学の構築について実例を交えながら紹介する。
- 均一系不斉触媒反応について
- ℓ-メントールの工業化
- 製法の変遷
- ミルセン法の開発
- ロジウム錯体による不斉異性化反応
- カルバペネム系抗菌薬重要中間体の工業化
- 触媒的不斉合成ルートの構築
- 触媒反応最適化によるコストダウンの検討
- 1,2-プロパンジオールの製造
- アセトールの不斉水素化
- 高選択不斉配位子の開発
- 乳酸メチルのエステル還元
- エステル還元触媒の開発
第3部
光学活性フッ素医薬品の合成に役立つ最新合成法
(2011年12月6日 14:30~16:30)
- 含フッ素医薬品について
- 求核的不斉トリフルオロメチル化反応
- 求核的不斉モノフルオロメチル化反応
- 求電子的不斉トリフルオロメチル化反応
2011年12月21日「光学活性化合物の製造、取得技術と工業化プロセスの構築」
第1部
不斉合成を用いた光学活性化合物の製造
(2011年12月21日 12:30~14:30)
香料、医薬品中間体には、光学活性化合物が多い。
従って、ほしいものだけを作るためには不斉合成の技術が必要になる。
近年の環境問題との関連では、余分な廃棄物の出ない不斉触媒反応の開発が重要になっている。
高砂香料工業の取り組みは、新規不斉触媒の開発を行い、それをどのようにして製品にまで持っていくのか、という問題解決への取り組みと言える。
- 全ての始まりはBINAP
- はじめに製品ありき (L-メントール)
- メントール合成の歴史 (高砂香料)
- 新規合成法に不斉合成法を採用した
- 決め手となる不斉触媒 (不斉異性化反応)
- スケールアップの問題点
- はじめに触媒ありき (4AA) 3.1 4AAとは
- 決め手となる不斉触媒 (不斉水素化反応)
- 速度論的分割の成功
- 2立体特異的酸化反応
- スケールアップの問題点
- はじめに製品ありき (セラミド)
- セラミドとは
- 決め手となる不斉触媒 (不斉水素化反応)
- スケールアップの問題点
- その他製品
- 触媒ビジネスの新製品
- まとめと今後の課題
第2部
光学分割剤および分子構造・会合特性制御による光学活性物質の開発
(2011年12月21日 14:40~16:40)
光学分割におけるキラル認識は精密な分子構造制御と分子間相互作用によって行われている。近年の結晶構造解析の進歩によって多くの分子結晶の構造が明らかにされ、科学的な観点ばかりでなく実用面においても重要な情報が得られるようになった。
本講演では、医薬中間体の原料として重要なキラル低分子の光学分割、そして近年学術的に着目されているキラル超分子会合体の光学分割について、分子構造と相互作用の観点から述べる。
- 光学分割
- 光学分割と不斉合成
- ジアステレオマー塩法
- キラル低分子
- 光学分割例
- 単結晶X線構造解析
- 分子間相互作用
- ジアステレオマー塩の結晶構造
- キラル超分子会合体
- 超分子会合体の合成
- キラル超分子アニオンの光学分割
- キラル超分子カチオンの光学分割
- これからのキラルテクノロジー
- エントロピー制御
- キラルスイッチング