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セルロースナノファイバーの特性向上に向けた原料選定と調製・セルロースナノファイバー複合材料の特性向上技術と用途展開

セルロースナノファイバーの特性向上に向けた原料選定と調製・セルロースナノファイバー複合材料の特性向上技術と用途展開

東京都 開催 会場 開催

概要

このセミナーは、セルロースナノファイバーに関する2つのセミナーをセットにしたコースです。

特別割引にてご受講いただけます。
通常受講料 94,500円 → 特別割引 78,000円

開催日

  • 2010年10月26日(火) 11時00分 16時30分
  • 2010年10月29日(金) 11時00分 17時15分

受講対象者

  • セルロースナノファイバーの応用分野の技術者、研究者、開発者、企画担当者
    • 高分子複合材料
    • 医療材料
    • 食品素材
    • 化粧品素材
    • エネルギー関連材料
  • セルロースナノファイバーの技術者、研究者、開発者、企画担当者
  • これからセルロースナノファイバーに携わる方
  • セルロースナノファイバーで課題を抱えている方
  • バイオマス由来の複合材料に関連のある技術者
  • 複合材料としてセルロースナノファイバーを応用を検討している技術者
  • セルロースナノファイバーを使用した樹脂の特性改善を検討している技術者
  • セルロースナノファイバーを応用した新材料を研究している方

修得知識

  • セルロースの基礎
    • セルロースの基本的性質
    • セルロースの原料
    • 植物細胞壁の構造
  • セルロースナノファイバーの基礎
    • セルロースナノファイバーの単離法
  • セルロースを用いた環境調和複合材料
  • セルロースナノファイバーの応用
    • 樹脂の特性改善
    • 強化ゴム材料への応用
    • ウッドプラスチックへの応用

プログラム

2010年10月26日「セルロースナノファイバーの特性向上に向けた原料選定と調製 ~セルロースの微細化技術の最新動向~」

第1部 様々な植物原料からのセルロースナノファイバー単離法とその性質 (2010年10月26日 11:00~12:30)

講師

京都大学 次世代開拓研究ユニット
特定助教 阿部 賢太郎 氏

 全ての植物細胞壁はセルロースから成るナノファイバーを骨格としています。植物原料からセルロースナノファイバーを単離する場合、セルロースの性質や植物細胞壁の構造について深く理解することが重要です。そのような基本的性質について、またこれまで行われてきたセルロースナノファイバーの単離法について簡単に説明した後、私達がこれまで進めてきたセルロースナノファイバーの単離方法について詳しく解説します。 また、種々の植物原料の違いに触れながら、単離したセルロースナノファイバーの性質や応用例について紹介します。

  1. セルロースナノファイバーとは
    1. セルロースの基本的性質
    2. 原料について
    3. 植物細胞壁の構造
  2. セルロースナノファイバー単離法の概説
    1. 様々な単離法の紹介
    2. 単離における問題点
  3. グラインダーを用いたセルロースナノファイバー単離方法
  4. セルロースナノファイバーの基本的性質
  5. 植物原料間の性質比較
  6. セルロースナノファイバーの応用例
    1. 補強繊維
    2. ゲル化
    3. その他
    • 質疑応答

第2部 超耐熱性セルラーゼとウォータージェットを用いた新規セルロース前処理技術の開発 (2010年10月26日 13:15~14:45)

講師

(独)産業技術総合研究所 バイオマス研究センター
主任研究員 石川 一彦 氏

 セルロースは地球上における最大のバイオマスであり、再生可能な産業資源としての有効利用が期待されています。セルロースを高効率で加水分解してグルコースを得ることができれば、バイオリファイナリーとして、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類やコハク酸等の有機酸を発酵法によって製造することができます。
 また、バイオマス由来の複合材料 (グリーンコンポジット) の開発においても、ナノレベルで均一に微細化 (ナノファイバー化) されたセルロースが注目されています。しかし、天然バイオマス中のセルロースは強固な結晶構造を有するために加水分解やナノファイバー化が困難であり、現時点でその有効利用への技術開発は滞っている。
 本講演ではセルロース前処理 (ナノファイバー化) のためにウォータージェット技術と、超耐熱性セルロース加水分解酵素を応用したバイオマスの有効利用技術について紹介します。

  1. 超耐熱性微生物および超耐熱性酵素の発見
    1. 超耐熱性セルラーゼの発見
    2. 超耐熱性セルラーゼの機能解析
    3. 超耐熱性セルラーゼの構造解析
    4. 超耐熱性セルラーゼの実用化
  2. バイオマスの有効利用
    1. バイオマスの前処理技術
    2. 新規前処理技術によるセルロースナノファイバーの生産
    3. 電子顕微鏡によるセルロースナノファイバーの解析
    4. 超耐熱性セルラーゼと新規前処理技術の実用化
  3. 今後のバイオマス有効利用技術の動向
    • 質疑応答

第3部 酵素加水分解で生産されるセルロースナノファイバー (2010年10月26日 15:00~16:30)

講師

(独)森林総合研究所 きのこ・微生物研究領域 微生物工学研究室
主任研究員 林 徳子 氏

 近年、セルロースナノファイバーは、生分解性であることに加えて力学的な強度が評価され、樹脂等への補強材としての研究・利用が進んでいる。セルロースナノファイバーの製法は物理的破砕や硫酸加水分解法が主なものであるが、我々はセルロースナノファイバーの生産方法としてセルラーゼ処理を用いた方法を考案した。
 本講演では、各種セルロース試料について機械的処理とセルラーゼ処理を併せて処理した場合の形態変化について透過電子顕微鏡、原子間力顕微鏡等での観察結果および結晶性などの特性について説明し、ナノファイバー生産の可能性を探る。

  1. セルロースナノファイバーとは?
  2. セルロースについて
  3. セルラーゼについて
  4. セルロースミクロフィブリルの酵素分解
    1. セルロースの酵素分解について―なぜセルロース酵素加水分解が難しいか
    2. Trichodermaのセロビオハイドロラーゼ (CBH) の結晶セルロースへの作用
    3. TrichodermaのCBHのセルロース吸着ドメインの結晶セルロースへの作用
    4. Trichoderma等のエンドグルカナーゼの結晶セルロースへの作用
  5. Trichoderma等のエンドグルカナーゼと機械的処理の組合せによる
    ナノファイバーのキャラクタリゼーション
    • 質疑応答

2010年10月29日「セルロースナノファイバー複合材料の特性向上技術と用途展開」

第1部 セルロースナノファイバーの構造・物性と複合材料の利用展開 (2010年10月29日 11:00~12:20)

講師

神戸大学 大学院 工学研究科 応用化学専攻
教授 西野 孝 氏

 セルロースは地球上で最も豊富な再生可能資源であり,その有効利用が求められている。本講では,セルロース自身の構造や物性、そしてセルロースを用いた環境調和複合材料について概説したのち、セルロースナノファイバーについて作り方、ナノファイバーを利用した複合材料について解説する。
 セルロースナノファイバーはセルロース自身が有する高い力学物性、熱特性等に加えて、ナノ材料として高比表面積などの特性を併せ持ち、複合材料であっても透明な材料,熱膨張も熱収縮もしない極めて寸法安定性に優れた材料などを創製することができる。

  1. セルロースとは
  2. セルロースの階層構造
    1. 植物の高次構造
    2. ナノファイバー化
    3. 結晶構造
    4. 分子構造
  3. セルロースの物性
    1. 力学物性
    2. 熱物性
    3. 表面物性
  4. セルロース系複合材料と用途展開
    1. セルロース繊維充てん複合材料
    2. 全セルロース複合材料
  5. セルロースナノ複合材料と用途展開
    1. セルロースナノファイバー充てん複合材料
    2. セルロースナノファイバー存在下での乳酸のin situ重合
    3. 全セルロースナノ複合材料
    4. セルロースナノファイバー/ナノダイアモンド複合材料
    • 質疑応答

第2部 ミクロフィブリル化セルロース添加による樹脂の特性改善と複合材料への応用 (2010年10月29日 13:00~14:20)

講師

同志社大学 理工学部 機械システム工学科
教授 藤井 透 氏

 植物系単繊維:パルプを精密摩砕すれば、セルロースのナノ結晶繊維を主体としたMFC (ミクロフィブリル化セルロース) が得られる。これは元単繊維の素状と特性により、クモの巣状の形態をなす。そのサイズはナノオーダ~ミクロオーダ台で、これを熱硬化性樹脂に均一分散させれば、その量が極めてわずかであっても顕著な樹脂の特性改善が達成できる。そのじん性は時には数倍高められる。その結果、これをDFRPなどの先端複合材料のエポキシ母材に添加して、複合材料を成形すれば、その耐久性が飛躍的に改善される。
 本講座では、種々の実験データを基に、その強化メカニズムについて説明する。また、植物性MFCと同様な特性を持つバクテリアセルロースナノ繊維についても、言及し、複合材料の耐久性向上効果について具体例を示す。

  1. MFC (ミクロフィブリル化セルロース)
  2. 竹繊維
  3. 竹パルプ
  4. 植物繊維
  5. パルプ
  6. 耐久性
  7. 破壊じん性
  8. エタノール置換
  9. 樹脂への混入
  10. その限界
  11. 粘度増加
  12. 疲労、寿命
    • 質疑応答

第3部 セルロースナノファイバーを用いた強化ゴム材料の開発 (2010年10月29日 14:35~15:50)

講師

住友ゴム工業 (株) 材料開発本部 材料第二部
課長代理 磯部 行夫 氏

 セルロースナノファイバーは軽量で高強度な天然由来繊維としてその活用技術開発が世界中で行われています。タイヤをはじめとする私たちの生活に身近に存在する各種ゴム材料は、様々な方法、材料で補強されており、セルロースナノファイバーのもつ特徴をうまく活かすことで、より軽量で高機能かつ石油資源への依存の低いものづくりを実現できると考えています。
 本講演ではセルロースナノファイバーを用いた強化ゴム材料の各種設計要素 (繊維原料、解繊方法、繊維導入量、ゴムとの界面制御など) について紹介します。

  1. イントロ (開発背景)
  2. セルロースナノファイバーゴム材料の作製方法
    1. セルロースナノファイバーの作製方法
    2. セルロースナノファイバーとゴムの複合化方法
  3. 複合化パラメータの影響
    1. 繊維原料
    2. 解繊手法
    3. 導入量
    4. 界面制御
  4. 今後の課題
  5. まとめ
    • 質疑応答

第4部 セルロースナノファイバー技術のウッドプラスチックへの応用 (2010年10月29日 16:00~17:15)

講師

ヤマハリビングテック (株) WPC事業推進グループ
グループ長 伊藤 弘和 氏

 近年セルロースナノファイバーと熱可塑性プラスチックの複合材料は注目されている。この素材は広義に言えば木質系材料とプラスチックとの複合化、即ちウッドプラスチックの範疇である。したがって、ナノ化素材におけるサイズ効果を除けば、特性や留意点はウッドプラスチックに類似することが多い。
 本講演では、ウッドプラスチックの概要をまずご説明した上で、ウッドプラスチックをベースとしたセルロースナノファイバーの応用を紹介する。

  1. ウッドプラスチックの概要
    1. ウッドプラスチックの特性
    2. ウッドプラスチックを取り巻く環境
    3. ウッドプラスチックの課題、展望
    4. ウッドプラスチック生産における留意点
  2. セルロースナノファイバーのウッドプラスチックへの利用
    1. セルロースナノファイバーの概要
    2. セルロースナノファイバー利用に期待される効果
    3. 間伐材の有効利用
  3. 具体的な実用事例紹介
    1. フィブリル化技術の応用
    • 質疑応答

会場

大田区産業プラザ PiO
  • 2010/10/26 東京・大田区蒲田 大田区産業プラザ (PiO) 6F D会議室
  • 2010/10/29 東京・千代田区駿河台 総評会館 4F 404室
東京都 大田区 南蒲田1-20-20
大田区産業プラザ PiOの地図

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 75,238円 (税別) / 79,000円 (税込)
複数名
: 68,238円 (税別) / 71,650円 (税込)

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