技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

セルロースナノファイバーの特性向上に向けた原料選定と調製

セルロースナノファイバーの実用化に適した原料樹種、微細化技術を詳解する

セルロースナノファイバーの特性向上に向けた原料選定と調製

~セルロースの微細化技術の最新動向~
東京都 開催 会場 開催

植物原料別の特性差異から最先端のフィブリル化技術までを3名の講師が徹底解説する特別セミナー!

概要

本セミナーでは、セルロースの基本的な性質、原料、細胞壁の構造などの基礎から解説し、セルロースナノファイバーの単離法、応用例について詳解いたします。

開催日

  • 2010年10月26日(火) 11時00分 16時30分

受講対象者

  • セルロースナノファイバーの応用分野の技術者、研究者、開発者、企画担当者
    • 高分子複合材料
    • 医療材料
    • 食品素材
    • 化粧品素材
    • エネルギー関連材料
  • セルロースナノファイバーの技術者、研究者、開発者、企画担当者
  • これからセルロースナノファイバーに携わる方
  • セルロースナノファイバーで課題を抱えている方
  • バイオマス由来の複合材料に関連のある技術者

修得知識

  • セルロースの基礎
    • セルロースの基本的性質
    • セルロースの原料
    • 植物細胞壁の構造
  • セルロースナノファイバーの基礎
    • セルロースナノファイバーの単離法
  • セルロースナノファイバーの応用例

プログラム

第1部 様々な植物原料からのセルロースナノファイバー単離法とその性質 (11:00~12:30)

 全ての植物細胞壁はセルロースから成るナノファイバーを骨格としています。植物原料からセルロースナノファイバーを単離する場合、セルロースの性質や植物細胞壁の構造について深く理解することが重要です。そのような基本的性質について、またこれまで行われてきたセルロースナノファイバーの単離法について簡単に説明した後、私達がこれまで進めてきたセルロースナノファイバーの単離方法について詳しく解説します。 また、種々の植物原料の違いに触れながら、単離したセルロースナノファイバーの性質や応用例について紹介します。

  1. セルロースナノファイバーとは
    1. セルロースの基本的性質
    2. 原料について
    3. 植物細胞壁の構造
  2. セルロースナノファイバー単離法の概説
    1. 様々な単離法の紹介
    2. 単離における問題点
  3. グラインダーを用いたセルロースナノファイバー単離方法
  4. セルロースナノファイバーの基本的性質
  5. 植物原料間の性質比較
  6. セルロースナノファイバーの応用例
    1. 補強繊維
    2. ゲル化
    3. その他
    • 質疑応答

第2部 超耐熱性セルラーゼとウォータージェットを用いた新規セルロース前処理技術の開発 (13:15~14:45)

 セルロースは地球上における最大のバイオマスであり、再生可能な産業資源としての有効利用が期待されています。セルロースを高効率で加水分解してグルコースを得ることができれば、バイオリファイナリーとして、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類やコハク酸等の有機酸を発酵法によって製造することができます。
 また、バイオマス由来の複合材料 (グリーンコンポジット) の開発においても、ナノレベルで均一に微細化 (ナノファイバー化) されたセルロースが注目されています。しかし、天然バイオマス中のセルロースは強固な結晶構造を有するために加水分解やナノファイバー化が困難であり、現時点でその有効利用への技術開発は滞っている。
 本講演ではセルロース前処理 (ナノファイバー化) のためにウォータージェット技術と、超耐熱性セルロース加水分解酵素を応用したバイオマスの有効利用技術について紹介します。

  1. 超耐熱性微生物および超耐熱性酵素の発見
    1. 超耐熱性セルラーゼの発見
    2. 超耐熱性セルラーゼの機能解析
    3. 超耐熱性セルラーゼの構造解析
    4. 超耐熱性セルラーゼの実用化
  2. バイオマスの有効利用
    1. バイオマスの前処理技術
    2. 新規前処理技術によるセルロースナノファイバーの生産
    3. 電子顕微鏡によるセルロースナノファイバーの解析
    4. 超耐熱性セルラーゼと新規前処理技術の実用化
  3. 今後のバイオマス有効利用技術の動向
    • 質疑応答

第3部 酵素加水分解で生産されるセルロースナノファイバー (15:00~16:30)

 近年、セルロースナノファイバーは、生分解性であることに加えて力学的な強度が評価され、樹脂等への補強材としての研究・利用が進んでいる。セルロースナノファイバーの製法は物理的破砕や硫酸加水分解法が主なものであるが、我々はセルロースナノファイバーの生産方法としてセルラーゼ処理を用いた方法を考案した。
 本講演では、各種セルロース試料について機械的処理とセルラーゼ処理を併せて処理した場合の形態変化について透過電子顕微鏡、原子間力顕微鏡等での観察結果および結晶性などの特性について説明し、ナノファイバー生産の可能性を探る。

  1. セルロースナノファイバーとは?
  2. セルロースについて
  3. セルラーゼについて
  4. セルロースミクロフィブリルの酵素分解
    1. セルロースの酵素分解について―なぜセルロース酵素加水分解が難しいか
    2. Trichodermaのセロビオハイドロラーゼ (CBH) の結晶セルロースへの作用
    3. TrichodermaのCBHのセルロース吸着ドメインの結晶セルロースへの作用
    4. Trichoderma等のエンドグルカナーゼの結晶セルロースへの作用
  5. Trichoderma等のエンドグルカナーゼと機械的処理の組合せによる
    ナノファイバーのキャラクタリゼーション
    • 質疑応答

講師

  • 阿部 賢太郎
    京都大学 次世代開拓研究ユニット
    特定助教
  • 石川 一彦
    (独)産業技術総合研究所 バイオマス研究センター
    主任研究員
  • 林 徳子
    国立研究開発法人 森林総合研究所 新素材研究拠点
    拠点長

会場

大田区産業プラザ PiO

6階 D会議室

東京都 大田区 南蒲田1-20-20
大田区産業プラザ PiOの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 47,250円 (税込)
複数名
: 38,000円 (税別) / 39,900円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名で参加の場合1名につき 7,350円割引
  • 3名で参加の場合1名につき 10,500円割引 (同一法人に限ります)
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/4/26 バイオマスプラスチックの設計と低環境負荷、機能性の両立 オンライン
2024/5/13 車載用プラスチックの基礎と最新動向 オンライン
2024/5/14 熱可塑性エラストマー (TPE) の基礎と生分解性TPEの開発 オンライン
2024/5/17 バイオマスプラスチックの技術動向と活用事例 オンライン
2024/5/20 廃プラスチックの最新リサイクル技術の動向 オンライン
2024/5/21 再生可能エネルギー源としての木質系バイオマス利用の道標 東京都 会場・オンライン
2024/5/22 マーセル化による天然繊維の樹脂複合化と特性改善 オンライン
2024/5/27 木質バイオマスの基礎知識から利活用の課題、最新動向と展望 オンライン
2024/5/27 熱可塑性エラストマー (TPE) の基礎と生分解性TPEの開発 オンライン
2024/5/29 高分子複合材料のレオロジーとメカニズムに基づく材料設計 オンライン
2024/5/30 プラスチックの高度マテリアルリサイクルと高度成形プロセス オンライン
2024/5/30 炭素繊維強化プラスチック (CFRP) オンライン
2024/5/31 木質バイオマスの基礎知識から利活用の課題、最新動向と展望 オンライン
2024/5/31 熱硬化性樹脂複合材料 (GFRP & CFRP) の基礎とリサイクル技術 オンライン
2024/6/4 バイオマスプラスチック/生分解性プラスチックの開発動向と海洋分解を含めた将来展望 大阪府 会場・オンライン
2024/6/4 マーセル化による天然繊維の樹脂複合化と特性改善 オンライン
2024/6/11 高分子複合材料のレオロジーとメカニズムに基づく材料設計 オンライン
2024/6/12 熱硬化性樹脂複合材料 (GFRP & CFRP) の基礎とリサイクル技術 オンライン
2024/7/5 サーキュラーエコノミーが目指す持続可能な社会におけるプラスチックの使い方 オンライン
2024/7/23 プラスチック廃棄物が抱える問題と高分子複合材料メカニカルリサイクル技術 オンライン

関連する出版物

発行年月
2023/9/8 2024年版 スマートエネルギー市場の実態と将来展望
2023/3/31 バイオマス材料の開発と応用
2022/7/15 2022年版 スマートエネルギー市場の実態と将来展望
2022/6/28 GFRP & CFRPのリサイクル技術の動向・課題と回収材の用途開発
2022/5/31 樹脂/フィラー複合材料の界面制御と評価
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2021/12/24 動的粘弾性測定とそのデータ解釈事例
2021/7/16 2021年版 スマートエネルギー市場の実態と将来展望
2021/3/1 セルロースナノファイバー最新業界レポート
2020/9/30 食品容器包装の新しいニーズ、規制とその対応
2020/5/22 2020年版 スマートエネルギー市場の実態と将来展望
2019/4/19 2019年版 スマートエネルギー市場の実態と将来展望
2018/11/19 炭素繊維・炭素繊維複合材料の未来
2017/3/24 2017年版 スマートエネルギー市場の実態と将来展望
2016/2/20 自動車用プラスチック部品・材料の新展開 2016
2015/3/27 2015年版 再生可能エネルギー市場の実態と将来展望
2013/1/25 炭素繊維 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/1/25 炭素繊維 技術開発実態分析調査報告書
2012/11/25 FRP(繊維強化プラスチック) 技術開発実態分析調査報告書
2012/11/25 FRP(繊維強化プラスチック) 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)