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分散・凝集を決めるゼータ電位の基礎と分散安定性の評価

分散・凝集を決めるゼータ電位の基礎と分散安定性の評価

~DLVO理論に基づいたゼータ電位の理解~
オンライン 開催

視聴期間は2023年8月30日〜9月12日を予定しております。
お申し込みは2023年8月30日まで承ります。

概要

本セミナーでは、ナノ粒子・微粒子分散系の定性性評価の標準理論であるDLVO理論に基づいてゼータ電位の基礎から応用まで解説いたします。
電気泳動移動度の測定とゼータ電位の計算方法が身に付くほか、Excelを使って分散凝集を評価するためのポテンシャル曲線を描くことができるようになります。

開催日

  • 2023年8月30日(水) 10時30分 2023年9月12日(火) 16時00分

受講対象者

  • 粉体・微粒子分散に関連する技術者
    • 医薬品
    • 食品
    • 化粧品
    • セラミックス
    • トナー
    • 肥料
    • 化学原料
    • 電子材料
    • 金属材料
    • 電池材料
    • 粉末治金 など
  • ゼータ電位に関心のある研究者・技術者・開発部門・技術管理部門

修得知識

  • ゼータ電位 (分散促進因子) とハマカー定数 (凝集促進因子) の理解
  • 電気泳動移動度の測定法とゼータ電位の計算法
  • DLVO理論の基礎
  • Excelによるナノ粒子・微粒子間相互作用のポテンシャル曲線と分散安定性マップの描き方

プログラム

 ナノ粒子・微粒子分散系の定性性評価の標準理論であるDLVO理論に基づいてゼータ電位の基礎から応用まで解説する。キーワードはゼータ電位 (分散促進因子) とハマカー定数 (凝集促進因子) である。電気泳動移動度の測定とゼータ電位の求め方について解説する。分散・凝集を定量的に評価するためのポテンシャル曲線と分散系の安定性を予測する安定性マップの描き方について詳述する。

  • はじめに:自然界の意志 (自然を支配する原理)
    • 確率の大きい状態へ:エントロピー (無秩序さの度合) を増やしたい <斥力的な作用>
    • 力に逆らわない→ポテンシャルエネルギー (力に逆らっている度合) を下げたい
      (力に逆らうと、エネルギーが上がってしまう) <引力的な作用>
    • 力とポテンシャルエネルギー (力に逆らっている度合) の関係
  1. ナノ粒子・微粒子集団は必ず凝集する
    1. 分子間に引力がないと分子集団から微粒子 (分子集合体) はできない
    2. 分子間に働く普遍的なファンデルワールス引力
    3. 微粒子表面の分子は微粒子内部の分子に比べ高エネルギー状態にある
    4. 微粒子間に斥力がなければ、分散媒質との親和性が強くない限り、微粒子集団は必ず凝集する
    5. エネルギーと電位の尺度;熱エネルギー4×10 – 21 Jと25 mVが基準値
    6. ポテンシャル曲線の谷と山の意味:山を越えられるか、谷から抜け出せるか
  2. 分子間引力とナノ粒子・微粒子間引力
    1. 微粒子間引力は分子間に働くファンデルワールス引力を合計したもの
    2. 微粒子集団の凝集促進因子:ハマカー定数
    3. 分散の目安:ハマカー定数に打ちかつ微粒子間斥力が必要
    4. 似た者同士は引き合う「類は友を呼ぶ」
    5. 疎水性粒子と親水性粒子
  3. 微粒子間引力に対抗する微粒子間斥力を得る方法:何かで粒子表面を覆う
    1. 静電斥力:対イオンの雲で粒子表面を覆う
    2. 高分子等で粒子表面を被覆:立体相互作用
  4. 界面電気現象の基礎
    1. 水系と非水系 (有機溶媒系) の違い:誘電率の差 (誘電率の大きな水と小さな油)
    2. 電荷と電場・電位の関係
    3. 帯電微粒子は裸ではなく拡散電気二重層 (対イオンの雲) で覆われている
    4. 拡散電気二重層の厚さと微粒子表面の電位が界面電気現象を支配する
    5. ポアソン・ボルツマンの式
    6. 微粒子集団の分散促進因子:ゼータ電位 (表面電位にほぼ等しい)
    7. 分散の目安:熱エネルギーに相当するゼータ電位25mVが基準
  5. 電気泳動移動度の測定とゼータ電位を計算する式:
    • ゼータ電位は直接測定する量ではなく計算から求める。どの式を用いるべきかが重要
      1. 電気泳動とゼータ電位
      2. スモルコフスキーの式:大きな固体粒子に適用、形状によらない
      3. ヒュッケルの式:小さな固体粒子や非水系 (有機溶媒系) に適用
      4. ヘンリーの式:任意のサイズでゼータ電位が50mV以下の球状固体粒子に適用
      5. 円柱状固体粒子の場合:粒子の方向について平均をとると球と大差ない
      6. ゼータ電位が50mV以上では緩和効果 (拡散電気二重層の変形) が重要になる
      7. 緩和効果を考慮した式:任意のサイズとゼータ電位をもつ球状固体粒子に適用
      8. 種々の理論式の適用範囲
      9. 測定例
  6. エマルションと柔らかい粒子 (高分子で被覆した粒子) の電気泳動
    1. エマルションは同じゼータ電位をもつ固体粒子より速く泳動する
    2. ヘルマン・藤田の球状高分子電解質の電気泳動理論
    3. 柔らかい粒子の電気泳動は固体粒子と全く異なる
    4. 柔らかい粒子か固体粒子かの見分け方
    5. 柔らかい粒子の電気泳動移動度の解析法と実例
  7. 沈降電位、濃厚系、非水系 (有機溶媒系) の電気泳動および動的電気泳動:CVP法とESA法
    1. 沈降電位:CVPと同じ原理
    2. 体積分率が1%を超えると濃厚系の扱いが必要
    3. 動的電気泳動:CVP法とESA法
    4. 非水系 (有機溶媒系) では、粒子の電荷が非常に大きいと電荷に依存しない
      一定の電気泳動移動度を示すようになる:対イオン凝縮効果
  8. 微粒子間の静電反発エネルギー: DLVO理論
    1. 1個の粒子に働く力
    2. 2個の粒子間の静電斥力:拡散電気二重層の重なりが引き起こす対イオンの浸透圧増加
    3. DLVO理論:分散安定性を説明する標準理論
  9. 分散系の安定性を評価する方法:エクセルを用いたポテンシャル曲線の描き方
    1. 全相互作用エネルギーとナノ粒子・微粒子分散系の安定性
    2. 安定性のわかるマップ:ポテンシャルの山の高さが熱エネルギーkTの15倍あると安定
    3. 凝集確率と安定度比の計算法
    4. 柔らかい粒子の場合
    5. エクセル
    6. 非水系 (有機溶媒系) における球状粒子間の全相互作用のポテンシャル曲線
    7. 結論
    • 質疑応答

講師

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 34,700円 (税別) / 38,170円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 34,700円(税別) / 38,170円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
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  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

アーカイブ配信セミナー

  • 「ビデオグ」を使ったアーカイブ配信セミナーとなります。
  • 当日のセミナーを、後日にお手元のPCなどからご視聴ができます。
  • お申し込み前に、 視聴環境 をご確認いただき、 視聴テスト にて動作確認をお願いいたします。
  • 別途、ID,パスワードをメールにてご連絡申し上げます。
  • 視聴期間は2023年8月30日〜9月12日を予定しております。
    ご視聴いただけなかった場合でも期間延長いたしませんのでご注意ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルを配布予定です。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
本セミナーは終了いたしました。

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