技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

タンパク質の溶液状態の理解と課題 (凝集制御、安定化など) への応用

相分離生物学入門

タンパク質の溶液状態の理解と課題 (凝集制御、安定化など) への応用

~タンパク質凝集の仕組みと凝集抑制剤の開発、タンパク質の加熱凝集の制御、バイオ医薬品の安定化技術~
オンライン 開催

開催日

  • 2021年9月7日(火) 13時00分 16時30分

修得知識

  • 相分離生物学の基礎
  • タンパク質溶液科学の基礎
    • タンパク質の立体構造の安定化因子など
  • タンパク質凝集の仕組み
    • タンパク質の加熱凝集の定量法など
  • アルギニン:タンパク質溶液の添加剤
    • アミノ酸、アルギニンによるタンパク質凝集抑制など
  • タンパク質の凝集と相分離の技術
    • 相分離液滴によるバイオ医薬品の安定化
    • タンパク質の濃縮法など

プログラム

 相分離生物学という新しい分野が誕生し、タンパク質の溶液科学がふたたび注目を集めるようになっています。
 本講座では、これから相分離生物学を研究に取り入れたい人に向けて、まず既存の分野との違いについて、基本的な見方を紹介します。さらに、この分野の基礎となるアミノ酸の溶解度や相互作用などのタンパク質の溶液状態を理解するための基礎を紹介します。講演者の研究を例に、タンパク質凝集の仕組みと凝集抑制剤の開発、産業的な応用例となるタンパク質の加熱凝集の制御や、バイオ医薬品の安定化技術について紹介します。最後に、タンパク質溶液の状態制御や、新しい創薬の可能性、計測機器の開発などから、分野の今後について議論します。
 本講習会では、相分離生物学に興味がある方や、タンパク質に関する研究や開発をこれから始める方にとって有益になるよう、とくにこの背後にあるタンパク質の溶液状態を理解する考え方を解説します。どのように産業の問題を解決できるのか、これまでの経験をもとに具体的な事例を紹介します。

  1. 相分離生物学の基礎
    1. 古典的な液-液相分離
    2. 非共有結合の相互作用
    3. 細胞内にある多様な相分離液滴
    4. 相分離論争:染色体
    5. 添加剤としてのヘキサンジオール
    6. 相分離液滴による翻訳の制御
    7. 翻訳後修飾による相分離液滴の制御
    8. 天然変性タンパク質の真の働き
    9. 相分離液滴による酵素連続反応
    10. メタボロン仮設
    11. タンパク質の三状態と安定化の仕組み
    12. 新しいアミロイド仮設
  2. タンパク質溶液科学の基礎
    1. タンパク質の立体構造の安定化因子
      1. 種類の天然アミノ酸
    2. アミノ酸の溶解度
    3. アミノ酸側鎖とハイドロパシー
    4. 相分離液滴の安定化因子
    5. 見過ごされていたπ-π相互作用
  3. タンパク質凝集の仕組み
    1. タンパク質の加熱凝集の定量法
    2. タンパク質凝集抑制剤
    3. 変性剤と界面活性剤
    4. ホフマイスター系列
    5. 高濃度の添加剤と選択的相互作用
    6. 高分子による排除体積効果
    7. タンパク質を安定化するオスモライト
    8. 化学劣化をふせぐアミン
  4. アルギニン:タンパク質溶液の添加剤
    1. アミノ酸によるタンパク質凝集抑制
    2. アルギニンによるタンパク質凝集抑制
    3. アルギニンの多様な応用例
    4. 高性能なアルギニン誘導体
    5. 最小サイズのタンパク質凝集抑制剤
    6. タンパク質凝集抑制剤のデザイン原理
    7. 抗体の加熱凝集と抑制技術
    8. アラントインとヒダントイン
  5. タンパク質の凝集と相分離の技術
    1. ・卵白タンパク質の加熱凝集と制御
    2. カオトロープとコスモトロープの性質
    3. 卵白凝集を完全にふせぐアルギニン
    4. 試験管内で再現する共凝集と相分離の違い
    5. タンパク質ー高分子電解質複合体
    6. 相分離液滴によるバイオ医薬品の安定化
    7. 相分離液滴によるタンパク質の濃縮法
    8. 相分離性タグによるペプチドの精製法
    9. 水性二相溶液による抗体凝集体の除去法
  6. 配布資料で読み解く今後の展望
    1. タンパク質の状態に対する添加剤の効果
    2. 相分離生物学で考える新しい創薬の視点
    3. 『相分離生物学の全貌』から読み解く今後の展望
    • 質疑応答

講師

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 30,400円 (税別) / 33,440円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 30,400円(税別) / 33,440円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/12/13 デスクトップで行う医薬品市場予測のスキルアップと精度向上 オンライン
2024/12/13 現場の視点で考える効果的な洗浄バリデーションのポイントと継続的な検証 オンライン
2024/12/13 承認申請プロセスに関わるPMDA提出資料 (CTD/照会事項回答) 作成のポイント オンライン
2024/12/13 分析法バリデーションのための統計解析入門と分析能パラメータ計算法入門 東京都 オンライン
2024/12/13 医薬品モダリティ (抗体/核酸/中分子/再生医療) の実用化とDDS技術の特許戦略 オンライン
2024/12/13 バイオ医薬品の薬物動態学 オンライン
2024/12/13 造粒・打錠工程の基礎知識およびスケールアップ方法・トラブル対応 オンライン
2024/12/16 製薬用水の製造法・品質管理・バリデーション方法の基礎、査察事例を踏まえた考察 オンライン
2024/12/16 医薬品承認申請書のコンプライアンスとグレー部分への対応 オンライン
2024/12/16 ペプチド医薬品の疾患別事例からみる市場性およびペプチドの合成・分析のポイント オンライン
2024/12/17 省力化・効率化で実践するCSVへのヒント オンライン
2024/12/17 デスクトップで行う医薬品市場予測のスキルアップと精度向上 オンライン
2024/12/17 医薬品製造現場におけるコスト削減と少人数体制のQC/QA業務効率化 オンライン
2024/12/17 動物細胞におけるバイオリアクターの装置・操作設計/スケールアップと大量培養における注意点 オンライン
2024/12/17 LNP (脂質ナノ粒子) 製剤における品質評価/製剤設計・品質管理・製造プロセスとDDS技術・動向 オンライン
2024/12/17 無菌製剤・再生医療等製品の工場における査察対応とGMP改善業務 オンライン
2024/12/17 再生医療を含めた国際共同治験の進め方と各ステージ毎における対応手法 オンライン
2024/12/17 PV業務においてグローバルSOPとローカルSOPをどう棲み分け、整合性を図るか オンライン
2024/12/17 抗体の基本構造と糖鎖修飾を利用した均一ADCの合成 オンライン
2024/12/17 再生医療等製品の製造現場におけるGCTP適合性調査対策のポイント オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応 (製本版 + ebook版)
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応
2024/1/31 不純物の分析法と化学物質の取り扱い
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略 (製本版 + ebook版)
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略
2023/11/30 当局査察に対応した試験検査室管理実務ノウハウ
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション - (製本版 + ebook版)
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション -
2023/8/31 ゲノム編集の最新技術と医薬品・遺伝子治療・農業・水畜産物
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応 (製本版 + ebook版)
2023/2/28 mRNAの制御機構の解明と治療薬・ワクチンへの活用
2023/2/26 核酸医薬・mRNA医薬の製造分析の基礎と基盤技術開発
2023/1/31 新規モダリティ医薬品のための新しいDDS技術と製剤化
2023/1/31 超入門 改正GMP省令セミナー
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法 (製本版 + ebook版)
2022/11/30 抗体医薬品製造
2022/10/26 バイオ医薬品の製剤安定化/高品質化のための不純物の規格設定と評価・管理手法 (製本版 + ebook版)
2022/10/26 バイオ医薬品の製剤安定化/高品質化のための不純物の規格設定と評価・管理手法