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乳化 (エマルション) の考え方、HLB値と相図の使い方、乳化剤選定と物性の制御・評価

乳化 (エマルション) の考え方、HLB値と相図の使い方、乳化剤選定と物性の制御・評価

~乳化手法および乳化剤の選び方と使い方 / ナノエマルションへの応用、乳化状態の安定化への取り組み、乳化に関する装置選定のポイント~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、乳化について基礎から解説し、乳化剤の選択、乳化剤の組み合わせ、配合順序、安定性評価等の乳化技術の応用について詳解いたします。

開催日

  • 2020年2月28日(金) 10時00分 17時00分

受講対象者

  • 乳化、エマルションに関連する技術者、開発者、生産技術担当者、品質保証担当者
    • 化粧品
    • 医薬品
    • 製剤
    • 食品
    • 接着剤
    • 乳化剤・界面活性剤 など
  • 乳化、エマルションで課題を抱えている方

修得知識

  • 乳化剤・エマルションの基礎
  • エマルションの設計
  • 乳化剤の選定ポイント
  • エマルションの安定性と評価方法
  • エマルションの安定性向上のポイント

プログラム

第1部 乳化・エマルションの基礎と安定性を維持する乳化剤の使いこなし方

(2020年2月28日 10:00~15:00) ※昼食休憩を挟みます

 乳化技術は被乳化油性基材の利便性、製剤のファション性、並びに機能・効果の向上が計れることから、化粧品をはじめ、食品、医薬品、トイレタリー製品、化学品等の広範囲な産業分野で注目されている基盤技術の一つといっても過言でない。安定で機能的に優れたエマルションを製造するためには、注目している被乳化油性基材に対する、最適な乳化剤の選択に負うことが大きい。 本講義では、1) 乳化剤の選定・最適化に対して、乳化剤 (界面活性剤) の化学構造に立脚した指標値として、HLB値、有機概念図法によるIOB値、および拡張HLB値を重層的に駆使し、科学的な乳化剤の選定法、2) 油性成分間の混合、並びに油相の水相へ分散に関しては、溶解度パラメータの活用、そして、3) 乳化製剤の分散安定性評価については、粒子/粒子間の凝集理論に基づいた評価法並びにその加速試験法の評価指針について、詳細に解説する。
 今回は、特に研究開発およびエマルションの生産に携わっている者が同じ技術概念で、生産現場の一連の乳化の素過程を観察し、乳化技術をさらに進化させることを狙いとしている。各指標値の算定式は簡便で、実用的、かつ基礎研究にも十分に耐えるものを選定している。エマルション製剤の開発の一助になれば、幸いである。

  1. はじめに
  2. 「乳化メカニズム」のいろいろ
    1. 自然界の自己乳化形態
    2. 粘土物質による乳化形態
    3. 微粒子を乳化剤とした乳化形態 (Pickering Emulsion、 三相乳化)
    4. 界面活性剤を乳化剤とした乳化形態
  3. 界面活性剤剤 (乳化剤) 水溶液の物理化学的性質
    1. 界面活性剤の化学構造要因と機能・作用
    2. 界面活性剤の相挙動
    3. 界面活性剤水溶液の物理化学的性質
      1. クラフト点
      2. 曇点
      3. 吸着等温式
      4. 臨界ミセル濃度 (cmc) とその作用因子
    4. 界面活性剤の化学構造要因と分子集合体
    5. 界面活性剤高濃度分散液の高次分子集合体 (液晶)
  4. 物質/物質間の相溶性の指標値
  5. HLB方式による乳化剤の選定およびその最適化針
    1. HLB方式による乳化剤の選定法
    2. 油性基剤の所要HLB値および混合油性基材の所要HLB値の計算法
    3. 乳化剤のHLB値および混合乳化剤のHLB値の計算法
    4. 混合乳化剤による所要HLB値の最適化指針
  6. 拡張HLB値
    1. 乳化剤のHLB値の算定式の推移
    2. Davies方式による乳化剤のHLB値の算定式
    3. 有機概念図法による界面活性剤の (親水性/疎水性) 比の
      • 指標値の算出法 – (無機性値/有機性値) 比 (IOB値;Inorganic – Organic Balance)
    4. 小田式による界面活性剤のHLB値の算定式
    5. 混合界面活性剤の拡張HLB値の算定式
  7. 乳化技術
    1. 物理的 (機械的) 乳化方式
      1. 乳化機の種類と特徴
      2. 高剪断力乳化機の性能比較
    2. 物理化学的乳化方式
      1. 油相混合 – 溶解度パラメータの活用
      2. Fedors式による溶解度パラメータの算出法
      3. 乳化剤の添加方法
    3. 主な物理化学的乳化方式
      1. 転相乳化法
      2. 転相温度乳化法
      3. D相乳化法
      4. ゲル乳化法
      5. 液晶乳化法
  8. スケールアップ時の留意事項
  9. エマルションの安定性評価法
    1. 保存経日中に見られる主なエマルションの変化
      1. 化学変化
      2. 物理的変化
      3. 微生物汚染
    2. エマルションの不安定化過程
    3. エマルションの粒子径とクリーミング速度およびブラウン運動の変位
    4. エマルションの安定性評価の加速試験法
  10. エマルションの物性評価
    1. エマルションの「型」の判別法
    2. エマルションの粒子挙動の観察
    3. スピンプローブ法ESRによる乳化膜の配向性
    4. エマルション中の水の様態
    5. エマルションのレオロジー特性
    • 質疑応答

第2部 乳化・エマルションの状態解析および相図の読み方/描き方、および実用系への応用

(2020年2月28日 15:15〜17:00)

  1. 乳化状態解析と相図の基礎
    1. 乳化、可溶化、マイクロエマルション、ナノエマルションとは
    2. 界面活性剤が作る会合体
    3. 相図の読み方、描き方と界面活性剤選択および乳化への応用
      1. 三角座標の読み方、相図作成法と乳化系での使い方
      2. 最適乳化条件、可溶化条件を知る方法
  2. エマルション調製・安定化・特性制御の技術
    1. 微細なエマルションをするための根本原理
    2. 液晶、D相を用いた微細エマルション調製
    3. マイクロエマルションからのナノエマルション生成と安定化
  3. 実用系で生きる最新乳化・可溶化技術と開発事例
    1. αゲルの生成、安定化と高保湿エマルション
    2. 自己乳化製剤 (クレンジング) への液晶、両連続マイクロエマルションの応用
    3. 持続性と使用感を両立させたエマルション
      • 高内相W/O製剤
      • ピッカリングエマルション 他
    • 質疑応答

講師

  • 堀内 照夫
    株式会社 ミルボン 中央研究所
    開発顧問
  • 鈴木 敏幸
    ニッコールグループ 株式会社 コスモステクニカルセンター
    執行役員

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。

本セミナーは終了いたしました。

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