技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

匂いのセンシング技術とその定量化

匂いのセンシング技術とその定量化

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、定量的な取扱いが困難な「嗅覚」について取り上げ、いかにしてセンサで感じ取り、数値化、定量化を実現するのか、その最新研究動向について詳解いたします。

開催日

  • 2019年8月30日(金) 10時00分 17時00分

受講対象者

  • 嗅覚センサ、バイオセンサ、バイオデバイスに関連する技術者、開発者、研究者
    • 医療機器
    • 呼気診断
    • ヘルスケア など

プログラム

第1部 嗅覚IoTセンサMSSの総合的研究開発と産学官連携による標準化

(2019年8月30日 10:00〜11:30)

 嗅覚IoTセンサに要求される要素を網羅したセンサ素子MSSについて、その動作原理から、周辺要素技術の開発・統合までを総合的にご紹介します。また、機械学習との融合による新たなアプリケーション展開や、産学官連携に関する最新情報をご紹介します。

  1. はじめに
    1. ニオイとは?
    2. 嗅覚センサの現状
  2. MSSとシステム要素技術の研究開発
    1. ナノメカニカルセンサについて
    2. MSSの動作原理
    3. 感応膜の設計と被覆方法
    4. MSSの応用例
  3. 産学官連携による最先端技術の垂直統合
    1. MSSアライアンスと最新成果紹介
    2. MSSフォーラムのご案内
  4. ハード (センサ) とソフト (機械学習) の融合
    1. ニオイから特定指標の定量抽出
    2. 情報計測による化学センサの新たな展開
  5. 気体分子の新たな絶対量評価手法
    1. 流体熱力学質量分析 (AMA)
    2. アプリケーション事例
  6. まとめ
    1. 嗅覚センサのアプリケーション分類
    2. 将来展望と今後の課題
    • 質疑応答

第2部 ヒト嗅覚受容体発現細胞アレイの開発と匂いの定量化

(2019年8月30日 12:10〜13:40)

 ヒトの5感のうち、依然として定量的な取扱いが困難なものが「嗅覚」である。ヒトの感じる匂いや香りを、1つのセンサーで全て感じ取り、定量的に表現し、そして匂いデータ (香りデータ) を第3者に確実に伝えることができれば、匂いや香りの研究やビジネスにおける影響は計り知れない。
 本講座では、匂い・香りセンシングの現状を概説し、上記目的を達成する我々が実用化したセンサー「ヒト嗅覚受容体発現細胞アレイ」を具体的に紹介し、それにより初めて可能になる研究やビジネスについて述べたい。

  1. 今までの匂い検出技術
  2. 我々が開発したヒト嗅覚受容体発現細胞アレイ技術
  3. 匂いマトリックスによる匂い・香りの定量的表現法
  4. 匂いマトリックスにより何が可能になるか?
  5. 大阪大学で進めている匂いプロジェクトの紹介
  6. 株式会社 香味醗酵のビジネスの紹介
  7. 共同研究開発スキームの紹介
  8. 受託解析スキームの紹介
  9. 実際に進んでいる企業様との案件の紹介 (non – NDAレベル)
    • 質疑応答

第3部 匂いを測る超高感度バイオセンサの開発

(2019年8月30日 13:50〜15:20)

 ケミカルセンサ、バイオセンサの基本原理、計測の基礎について述べた後、嗅覚の仕組みについて学びます。その後、表面プラズモン共鳴バイオセンサを用いた匂い物質検知について、原理、表面作製、選択性の付与、測定方法、サンプリングについて説明致します。

  1. ケミカルセンサ,バイオセンサの基礎
    1. 物理センサと化学センサ
    2. 五感とセンサ
    3. 化学センサとは
    4. バイオセンサとは
    5. ターゲットの認識手法
  2. 匂い計測への応用
    1. 鼻の構造
    2. 嗅細胞
    3. 嗅覚受容体の構造
    4. ヒトの嗅覚のしくみ
    5. 匂い分子受容体
    6. 匂い受容機構 ~匂いコード~
    7. ある匂い分子の濃度変化と受容体の応答の強さ (親和性) の関係
    8. イヌとヒトの比較
    9. 表面プラズモン共鳴バイオセンサ
    10. 超高感度匂いセンサ (Electronic Dog Nose)
    11. 現場で使用するために必要な要素技術
    12. センサ表面の作製
    13. 抗原抗体反応を用いた測定方法
    14. ターゲット類似化合物の構造および抗体に対する親和性
    15. 間接競合法による低分子の測定例 (トリニトロトルエン)
    16. デンドロン (デンドリマー) を用いたセンサ表面
    17. 表面開始原子移動ラジカル重合によるセンサ表面
    18. トリニトロトルエン (TNT) に対する応答特性
    19. 香料の測定 (飲料製造ラインの洗浄度判定)
    20. 低分子に対する抗体獲得の実績
  3. 展望
    • 質疑応答

第4部 ガスセンサとAI技術を活用した臭いの検出技術

(2019年8月30日 15:30〜17:00)

 五感情報のなかで、嗅覚に関する工学的研究は発展途上の感が強い。本講義は匂い計測の原理および匂いセンサによる匂い計測と匂い識別法について述べ、筆者らがコニカミノルタ 株式会社 BICとの共同で開発したKunkun bodyの概要について述べる。これらの研究成果が、新たな製品開発のヒントとなれば幸いです。

  1. 匂いセンサの原理
    1. 半導体ガスセンサ
    2. QCMセンサ
  2. 匂い識別に関する研究
    1. 匂いデータの前処理、雑音除去手法
    2. 匂い計測データの取得
    3. 匂い特徴量 ( ニューラルネットワークによる匂い識別法)
    4. ニューラルネットワークによる匂い識別結果
  3. 匂い情報処理の今後の展開
    1. 匂い通信
    2. 匂い合成
    • 質疑応答

講師

  • 吉川 元起
    国立研究開発法人 物質・材料研究機構 (NIMS) 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 (MANA)
    グループリーダー
  • 黒田 俊一
    大阪大学 産業科学研究所
    教授
  • 小野寺 武
    九州大学 大学院 システム情報科学研究院 情報エレクトロニクス部門
    准教授
  • 大松 繁
    広島大学 デジタルものづくり教育研究センター データ駆動型スマートシステム部門
    特任教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 118,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

関連する出版物

発行年月
2023/6/30 生産プロセスにおけるIoT、ローカル5Gの活用
2022/4/6 Society 5.0 時代を切り開くデバイス・部材・製造装置
2021/6/30 人工知能を用いた五感・認知機能の可視化とメカニズム解明
2020/10/30 においのセンシング、分析とその可視化、数値化
2020/7/31 生体情報センシングと人の状態推定への応用
2020/4/30 生体情報計測による感情の可視化技術
2019/2/28 においを "見える化" する分析・評価技術
2019/1/31 センサフュージョン技術の開発と応用事例
2018/11/30 臭いの測定法と消臭・脱臭技術 事例集
2017/6/30 生体情報センシングとヘルスケアへの最新応用
2014/10/27 化粧品に求められる使用感の共有と感性価値の数値化・定量化
2014/6/30 マイクロセンサ 技術開発実態分析調査報告書(CD-ROM版)
2013/9/15 カプセル内視鏡 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/9/15 カプセル内視鏡 技術開発実態分析調査報告書
2013/2/20 消臭・脱臭・除菌機器 技術開発実態分析調査報告書
2013/2/20 消臭・脱臭・除菌機器 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/1/30 圧力センサ 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/1/30 圧力センサ 技術開発実態分析調査報告書
2009/4/22 MEMSデバイス総論 【新装版】
2007/5/28 車載カメラ/セキュリティカメラ・システム