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次世代レドックスフロー電池の基礎・研究開発から実証・市場動向

次世代レドックスフロー電池の基礎・研究開発から実証・市場動向

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、レドックスフロー電池について取り上げ、定置型蓄電池の役割・将来、レドックスフロー電池の基礎・運用面、レドックスフロー電池の部材ごとの開発要素、レドックスフロー電池の活用方法について、最新の情報を交えながら分かりやすく解説いたします。

配信期間

  • 2025年11月28日(金) 10時30分2025年12月11日(木) 16時00分

お申し込みの締切日

  • 2025年12月9日(火) 16時00分

受講対象者

  • 定置型蓄電池に関する研究開発に携わる方
  • これから定置型蓄電池に携わる方
  • レドックスフロー電池の知識を身につけたい方
  • 再生可能エネルギーと定置型蓄電池が連動した電力需給システムに関心がある方
  • レドックスフロー電池について自社製品への活用について検討されている方
  • レドックスフロー電池の仕組みやシステム構成、原理から修得されたい方
  • 自動車、家電、設備、その他関連企業の方

修得知識

  • 次世代レドックスフロー電池の研究開発動向
  • 定置型蓄電池の役割や将来について
  • レドックスフロー電池の基礎や運用面でのポイント
  • レドックスフロー電池の部材に関する基礎要素
  • レドックスフロー電池の活用方法
  • バナジウムレドックスフローバッテリーの蓄電池産業界での位置づけ

プログラム

第1部「次世代レドックスフロー電池に向けた基礎・動向と新規電解液の開発」

(10:30〜12:00)

 再生可能エネルギーの大量導入には、大容量で高安全性・高耐久性を備えた蓄電技術の開発が不可欠です。リチウムイオン電池をはじめとする蓄電技術の中で、レドックスフロー電池は電解液の高い設計自由度により、長期サイクル安定性と安全性に優れた蓄電池として注目されています。現在、バナジウムの酸化還元反応を活用した電解液の開発が主流ですが、バナジウムの埋蔵量は約2,200万トン (2019年時点) に限られ、大規模導入には資源制約やサプライチェーンのリスク (主要産出国:中国、ロシアなど) などの課題を抱えています。これらの課題を克服するため、世界的に新規電解液の研究が加速しています。
 本セミナーでは、次世代レドックスフロー電池に向けた電解液開発の最新動向を紹介します。

  1. はじめに
    1. 再生可能エネルギーと蓄電池の役割
  2. 系統用蓄電池について
    1. 系統用蓄電池とは
    2. 系統用蓄電池の種類と特徴
  3. レドックスフロー電池について
    1. レドックスフロー電池とは
    2. 国内外の開発動向
    3. レドックスフロー電池の課題
    4. 次世代レドックスフロー電池に向けた取組み

第2部「太陽光発電と連携したレドックスフロー電池のシステム実証と課題」

(12:45〜14:15)

 世界は、2030年以降を見据えたエネルギーの脱炭素化、すなわち温室効果ガス削減の中長期目標の達成を迫られています。その一方で、非常災害の発生時に地域社会が迅速かつ柔軟に社会活動を回復させる力を確保するための「地域レジリエンス」への対応も並行して進められ、実証研究が活発に行われています。こうした社会情勢の中、電力系統内で再生可能エネルギーを安定的かつ有効に活用する技術への注目が高まっています。その有力な手段の一つが「定置型蓄電池の充放電運用」です。これは、発電・送電・需要の各段階を幅広く支えることができるためです。
 本講演では、定置型蓄電池の中でも高い安全性と長寿命を特長とする「レドックスフロー電池」を中核に、太陽光発電と連携したシステム実証とその課題について解説します。また、エネルギー分野における社会的動向、レドックスフロー電池の基礎、開発の要素、さらには応用・実証の事例についてもご紹介いたします。

  1. はじめに
  2. 電力貯蔵用定置型蓄電池の位置づけ
    1. 電力貯蔵技術の必要性
    2. 再生可能エネルギーとそれを活用したエネルギーシステムとの相性
    3. 定置型蓄電池の種類と特徴
  3. レドックスフロー電池とは?
    1. 化学電池の基本的な考え方 (酸化還元反応について)
    2. 他の定置型蓄電池とレドックスフロー電池との比較
    3. レドックスフロー電池の原理
    4. バナジウム系レドックスフロー電池 (VRFB) の基礎と応用利用
  4. 定置型蓄電池としてのレドックスフロー電池の活用方法 (研究事例)
    1. MPPT (Maximum Power Point Tracking) 機構を取り入れた活用方法
    2. 複数の入出力に対応した活用方法
    3. 太陽光や風力発電の入力特性
  5. 本学ならびに自治体におけるレドックスフロー電池の応用実証の実例
    1. 非常災害時を想定した応用実証の事例の紹介
  6. まとめと今後の展望

第3部「バナジウムレドックスフローバッテリー (VRFB) の二次電池市場での立ち位置」

(14:30〜16:00)

 日本の再生可能エネルギー技術のほとんどがNEDOのサンシャイン計画、ムーンライト計画を端緒としています。
 今回ご案内する「バナジウムレドックスフローバッテリー」も両計画の中で育まれた技術でした。絶対的な安全性と長寿命という特徴を持ちながら、モビリティ、コスト競争力に劣ることで普及が遅れていたこの電池は30年近い雌伏の時間を経て、ようやく世界的に実用の場が広がり、産業に必要なサプライチェーンが整い、全面的な応用局面の広がりを見せています。
 当社は、石油コークス燃焼煤からの独自のバナジウム抽出法、それを応用した独自のバナジウム電解液の製造法を磨いて参りました。2000年代に一度は途絶えかけた技術、いわゆる「枯れた技術」ですが、グローバルな蓄電池市場の拡大、それに伴うバナジウムレドックスフローバッテリーの市場の最新事情を皆様にもわかりやすくご説明したいと思います。

  1. はじめに
    1. 弊社の沿革
    2. バナジウムレドックスフローバッテリーの産業化の歴史
    3. バナジウムレドックスフローバッテリーの仕組み、応用における特徴
    4. その他の二次電池との特性比較
  2. 二次電池市場における立ち位置
    1. 定置式蓄電池の市場の拡大
    2. 次世代電池世界市場
    3. 中国市場の拡大
  3. 最新導入事例
    1. 新潟県柏崎市
    2. 鹿児島県南九州市
    3. 島根県隠岐郡海士町
    4. 沖縄県国頭村
    5. 神奈川県藤沢市
  4. 長期脱炭素電源オークション
    1. 最新の制度動向
    2. 応用例 (計画)
  5. 小型化への挑戦
    1. 最新モデル概要
    2. 応用例 (計画)

講師

  • 兼賀 量一
    国立研究開発法人産業技術総合研究所 省エネルギー技術研究部門
    上級主任研究員
  • 松浦 宏昭
    埼玉工業大学 工学部 生命環境化学科
    教授
  • 田中 利朗
    株式会社LEシステム
    取締役

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

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  • R&D支援センターからの案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
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  • R&D支援センターからの案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)

アーカイブ配信セミナー

  • 当日のセミナーを、後日にお手元のPCやスマホ・タブレッドなどからご視聴・学習することができます。
  • 配信開始となりましたら、改めてメールでご案内いたします。
  • 視聴サイトにログインしていただき、ご視聴いただきます。
  • 視聴期間は2025年11月28日〜12月11日を予定しております。
    ご視聴いただけなかった場合でも期間延長いたしませんのでご注意ください。

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