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バイオベース接着剤の動向と開発事例

バイオベース接着剤の動向と開発事例

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、バイオベース接着剤について取り上げ、異種材料間でも高い接着性を示すバイオベース接着剤の開発、バイオベース接着剤の設計の考え方を詳解いたします。

開催日

  • 2025年7月30日(水) 10時30分16時15分

受講対象者

  • バイオマス材料や生分解性プラスチックの研究・開発に関心のある技術者・研究者
  • 接着剤・接着技術の新規応用や環境対応型材料に関心のある企業の開発担当者
  • カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミー推進に取り組む産業界の企画担当者
  • 実際に接着剤の設計に携われている方々
  • バイオベース系の設計・検討している方

修得知識

  • 熱可塑性デンプンや熱可塑性ゼラチンの基礎特性と、それらを用いた接着材料設計の考え方
  • 異種材料間接着やホットメルト成形に適した、全バイオベース接着剤の加工手法
  • 熱可塑性バイオポリマーの包装材や成形材料など他分野展開の可能性
  • 顔料分散安定化の基本的概念と湿潤分散剤の機能
  • 消泡の理論と接着剤に有効な添加剤の種類
  • レオロジーコントロール剤の構造と適用の仕方
  • バイオベースの添加剤の概要

プログラム

第1部 ALLバイオベース・生分解性接着剤の開発

(2025年7月30日 10:30〜12:00)

 本講演では、全てバイオ由来成分からなる生分解性接着剤の開発について紹介する。動物由来のゼラチンと植物由来のデンプンを用いて、熱可塑性ブレンドによるホットメルト接着材料を創製し、冷水中での安定性と熱水による易解体性を両立させた。
 本技術は、異種材料間においても高い接着性能を示し、成形・接着時に溶媒を用いないことから、低環境負荷での利用が可能である。循環型社会の実現に向けた、持続可能な接着技術の一端を提示する。

  1. 生分解性プラスチックの基礎
    1. バイオプラスチック・生分解性プラスチックの種類
    2. 生分解性プラスチックの用途と開発状況
  2. バイオポリマーの基礎
    1. バイオポリマーの種類と機能
    2. バイオポリマーの熱可塑化技術
    3. 熱可塑性デンプンの応用
    4. 熱可塑性ゼラチンの応用
  3. バイオベース接着剤の開発
    1. 環境負荷低減とサーキュラーエコノミーへの貢献
    2. ゼラチン/デンプンブレンド接着剤の合成と機能評価
    3. 易解体性評価
  4. 今後の展望と社会実装に向けた課題
    • 質疑応答

第2部 環境に優しい接着剤およびシーラント用添加剤

〜バイオベース系を含む添加剤の種類と効果〜

(2025年7月30日 13:00〜14:30)

 主に粒子・フィラーの分散安定化、レオロジー特性の制御、脱泡・消泡のメカニズムなど基本となる単位技術についてまずは解説する。そのうえでバイオベースの接着剤に有効な各種添加剤を紹介する。植物由来やバイオベース比率の高い湿潤分散剤や消泡剤に加え、層状ケイ酸塩のような無機系レオロジーコントロール剤など、実験データと共に使い方にも触れる。

  1. 粒子・フィラーのかかわる事象と添加剤の効果
    1. 粒子濃度のアップと作業性改善
    2. 粒子・フィラーの分散安定化と粘性
    3. 粒子表面への濡れ・吸着と安定化
    4. 湿潤分散剤の構造と効果
    5. 凝集抑制と流動性改善
    6. バイオベースの湿潤分散剤の例
  2. 泡の不具合と対策 膜欠陥の防止
    1. 泡安定化メカニズムと消泡の考え方
    2. 消泡・脱泡剤の構造と種類、使い方の注意点
    3. 選定・添加方法
    4. バイオベースの消泡剤の例
  3. レオロジー特性と制御の仕方
    1. たれと形状保持
    2. 無機系のレオロジーコントロール剤
    3. 層状ケイ酸塩の構造と特徴、バリヤー効果
    4. 有機系及びバイオベースのレオロジーコントロール剤の構造と特徴
  4. 基材への濡れ性の向上 表面調整剤の構造と特徴
  5. その他のバイオベース添加剤
    • 質疑応答

第3部 再生可能なバイオベース接着剤の開発

(2025年7月30日 14:45〜16:15)

「易解体性接着」に注目が高まっている。しかし、そもそも接着と剥離は相反する物理現象であるため、強い接着と容易な剥離を両立させることは難しい技術課題である。易解体性接着剤が抱える問題を解決するため、最近著者らは何度でも繰り返し使用することができ、不要になったときには基板から完全に除去できるRORM (Reset-On demand, Reuse-Many) 型接着剤を開発した。RORM型接着剤の特徴は、使用中は非常に高い接着強度を示すが、使用後には溶剤に溶解し、剥離・回収できることである。高強度かつ易解体を兼ね備えたRORM型接着剤を実現するため、著者らは「カフェ酸」に注目した。カフェ酸は、ケイ皮酸のパラ位とメタ位にヒドロキシル基が導入されたフェニルプロパノイドの1種であり、植物由来の精油の成分として知られているRORM型 (Reset-On demand, Reuse-Many) 型接着剤の接着と剥離機構と、その応用事例を紹介するとともに、接着接合を基点とする資源循環社会の実現に向けた取組みを紹介する。
  • RORM型接着剤の合成
  • 光環化反応に伴ったRORM機構の発現
  • 難被着体への適用
  • RORM型接着剤による太陽エネルギーから力学エネルギーへの変換
  • 誘導加熱を用いた遠隔・水中接着
  • 質疑応答

講師

  • 宇山 浩
    大阪大学 大学院 工学研究科 応用化学専攻
    教授
  • 若原 章博
    ビックケミー・ジャパン株式会社
    シニアソリューションナビゲーター
  • 内藤 昌信
    国立研究開発法人 物質・材料研究機構 (NIMS) 異材接着材料グループ
    グループリーダー

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
  • 5名様以降は、1名あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 200,000円(税別) / 220,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 230,000円(税別) / 253,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

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