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遮音・吸音・制振材料の軽量化と自動車室内静粛性の向上

遮音・吸音・制振材料の軽量化と自動車室内静粛性の向上

オンライン 開催

開催日

  • 2025年5月26日(月) 11時00分 16時30分

受講対象者

  • 自動車メーカー・部品メーカーの技術者
  • 材料メーカーの開発担当者
  • NVH (騒音・振動) 関連のエンジニア
  • 断熱材の開発者および熱マネージメントを必要とする製品の開発者
  • 遮音材の開発者および音響制御を必要とする製品の開発者
  • セルロースナノファイバーの研究開発者および応用展開に関心のある方
  • 技術のアウトソーシングや受託研究に関心のある方
  • 自動車室内における防音材料の音響評価・開発に携わる方
  • 自動車室内の防音材料に必要な吸音率と音響透過損失
  • 防音材料の音響的な理論、メカニズム

修得知識

  • 吸音・遮音の基礎・メカニズム
  • 吸音・遮音性能の測定方法
  • EV時代の遮音・吸音・制振技術の基礎
  • FRTPを活用した軽量・高剛性設計
  • トポロジー最適化によるドアパネル設計手法
  • 振動・音響特性の測定・評価技術
  • 実践的な解析・測定手法
  • 軽量化と静粛性を両立する設計のヒント
  • シリカエアロゲル/セルロースナノファイバー複合材の軽量遮音材への応用
  • 新しい遮音材開発のアプローチ

プログラム

第1部 吸音・遮音のメカニズムとNVへの取組み

(2025年5月26日 11:00〜12:00)

 自動車や建築業界で昨今音響メタマテリアルの研究開発が盛んにおこなわれています。その理由は、従来の吸音材・遮音材だと対策が難しい周波数帯域に対して適用できる可能性を有しているからにほかなりません。ただ、音響メタマテリアルを用いるとはいえ、そこで発現する吸音や遮音のメカニズムや正しい評価法をしっかり理解しておくことは非常に重要です。
 このセッションでは、吸音・遮音の基本的な考え方に加え、吸音材や遮音材の内装としてよく用いられる多孔質材料の吸音メカニズムについて紹介したうえで、吸音・遮音性能の代表的な計測方法およびその注意点についてご説明と、不織布・ウレタンをはじめとした当社のNV関連素材について紹介します。

  1. 自己紹介・会社紹介
  2. 吸音・遮音の基礎
    1. 吸音、遮音と音響メタマテリアル
    2. 吸音、遮音とは
    3. 吸音
      • 反射
      • インピーダンス
    4. 遮音
      • 質量則
      • 剛性則
      • コインシデンス
      • 二重壁
  3. 吸音・遮音性能の測定方法
    1. 吸音率・透過損失
    2. 音響管を用いた吸音率・透過損失測定、測定の注意点
    3. 残響室を用いた吸音率・透過損失測定、測定の注意点
  4. 多孔質材料の吸音メカニズム
    1. 多孔質材料中の音波の振る舞い
    2. 毛細管モデル
    3. Rigid frameモデル、Limp frameモデル、Biotモデル
    • 質疑応答

第2部 熱可塑性ガラス繊維複合材料を用いた車ドアパネルの制振軽量化技術

(2025年5月26日 13:00〜14:00)

 本講座では、自動車室内の静粛性向上をテーマに、遮音・吸音・制振技術の最新動向を解説します。特に、EV化の進展に伴う軽量化と騒音問題の両立に焦点を当て、最適材料の選定とトポロジー最適化を活用した設計手法について詳しく紹介します。

  1. 背景・目的
  2. ドアパネルを模擬した測定用ボックス
    1. 実ドアパネルの測定関連
    2. 測定用ボックスの製作
  3. 振動騒音対策
    1. ドアインナーパネルのトポロジー最適化及び最適な材料の選定
    2. 振動モード確認
    3. 音響性能の確認
  4. まとめ
    • 質疑応答

第3部 シリカエアロゲル/セルロースナノファイバー複合材の軽量遮音材への応用

(2025年5月26日 14:15〜15:15)

 地球温暖化対策の省エネはもちろん、自動車の電動化により冷暖房に費やす電力の削減やスマホなど電子機器の薄型・軽量化のための熱マネージメントの重要性など優れた断熱材へのニーズが大きくなっています。また、自動車のEV化、自動運転技術の発達に伴い、車内エンターテイメント性が求められ、ますます静粛性が重要になっています。
 従来の遮音材は、質量が大きいほど遮音性が高くなる性質を有しているため、遮音材を車に使用することで自動車の重量がふえ、燃費の悪化や運動性能に大きく影響を及ぼすので、大量に遮音材を使用することが難しいのが現状です。空気分子の運動を抑制するシリカエアロゲルとナノメートルオーダーの細いセルロースナノファイバーを複合化することで空気よりも断熱性が高いシートや物理法則である質量則に従わない軽くても優れた遮音性の材料を開発しました。
 本セミナーではその技術的特徴や応用の展望・可能性までを解説します。音を通さない遮音は、重い材料ほど優れているという物理法則 (質量則) に従わない、16分の1の軽さで同等の遮音性を有する材料を開発しました。自動車のみならず、航空・宇宙への展開が期待できます。

  1. シリカエアロゲルとは
  2. セルロースナノファイバーとは
  3. シリカエアロゲル/セルロースナノファイバー水分散液の作製と特徴
  4. 空気より優れた断熱性の紙 (シリカエアロゲル/セルロースナノファイバー複合体)
  5. 防音について
    1. 吸音、遮音、防振、制振
    2. 音響透過損失と吸音率
    3. 騒音レベルと音の大きさの目安
    4. 垂直入射音響透過損失の測定
  6. 不快音を遮断し心地よい音を通すユニークな音響材 (周波数選択フィルター)
    1. シリカエアロゲル/セルロースナノファイバー複合体の音響特性
    2. 不織布などに含浸した周波数選択フィルター
  7. 物理法則に従わない軽量遮音メタマテリアル
    1. 軽量遮音メタマテリアルの音響特性
    2. 質量則と軽量遮音材の音響透過損失の比較
    • 質疑応答

第4部 ノイズキャンセリング機能を有する防音材料開発

(2025年5月26日 15:30〜16:30)

 一般的な自動車用防音材料の音響性能を紹介し、目標とすべき音響透過損失と吸音率を解説する。 このことを踏まえ、必要な遮音性能を確保しつつ、実車において軽量化、及び車室内騒音の低減を実現できた防音構造を紹介する。 更に、この防音構造について伝達マトリクス法により理論的な考察を加え、その音響的メカニズムを解説する。

  1. 自動車用防音材料に必要な音響性能
    1. 音響透過損失
    2. 吸音率
  2. 新防音構造
    1. ノイズキャンセリング機能を有する防音構造
    2. 遮音性能の確認
    3. 実車による性能確認
  3. 伝達マトリクス法による理論的考察
    1. 周波数応答
    2. 体積速度
    • 質疑応答

講師

  • 中川 博
    三井化学 株式会社 高分子・複合材料研究所 フロンティアサイエンスG
  • 胡 月
    フォスター電機 株式会社 開発部
    主査
  • 左 亦根
    帝人株式会社 Composites Business Unit Composites Business Sales and Marketing Department
    担当課長
  • 羽山 秀和
    株式会社KRI スマートマテリアル研究センター エコマテリアル研究室
    主席研究員
  • 加藤 大輔
    株式会社 HOWA 車両音響開発部
    上級スペシャリスト

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
  • 5名様以降は、1名あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 220,000円(税別) / 242,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 250,000円(税別) / 275,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
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