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表面のぬれ性制御と評価技術

表面のぬれ性制御と評価技術

~撥水、撥油、防汚表面の設計~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、ぬれ性の制御、評価の基礎から解説し、撥水、撥油性、防汚表面を実現する表面設計のポイント、PFAS (PFOS/PFOA) 規制対応に向けたフッ素に頼らない表面の設計事例について詳解いたします。

開催日

  • 2025年3月14日(金) 10時15分16時15分

受講対象者

  • ぬれ性制御に関連する技術者
    • 表面処理
    • 撥水・親水・撥油
    • 化学
    • 材料
    • 機械潤滑
    • 半導体製造プロセス
    • 培養培地・細胞・細菌・微生物の付着制御

修得知識

  • 実用的な表面処理 (撥水・撥油性/親水性付与) に関する基礎知識
  • ぬれ性評価の正しい知識
  • 最新の国内外の研究開発動向

プログラム

第1部 フッ素フリーで実現できるぬれ性 (撥水・撥油性) の制御技術と評価

(2025年3月14日 10:15〜12:15, 13:05〜15:05)

 本セミナーでは、まず最初に、固体表面のぬれ性 (撥水・撥油性、親水性) をどのように評価し、いかに制御するかについての基礎知識や、応用・実用上ポイントとなる動的ぬれ性についての理解と取得を目指します。次いで、ぬれ性を制御するための各種表面処理・改質技術について、国内外の最新の研究開発動向を紹介します。
 さらに、PFOA・PFOS等の長鎖有機フッ素化合 (PFAS) への法規制を鑑み、講師らが開発している各種機能性薄膜 (単分子膜、ゲル、ポリマーブラシ、ハイブリッド皮膜等) を用いた脱フッ素・フッ素代替表面処理・改質技術について、例を挙げて分かりやすく解説します。

  1. ぬれの基礎とこれまでの評価法の問題点
    1. Youngの式
    2. 表面張力の定義と測定方法
    3. 表面自由エネルギーとは?
    4. Cassieの式 (凹凸表面におけるぬれ)
    5. Wenzelの式 (複合表面におけるぬれ)
    6. CassieとWenzelの式は本当に正しいのか?
    7. 既存理論を否定する研究事例
    8. 3相接触線の重要性
    9. これまでのぬれ性評価法とその問題点
    10. 静的接触角とぬれ性との関係
  2. 動的ぬれ性の考え方と測定・制御方法
    1. 動的ぬれ性とは?
    2. 動的ぬれ性制御の重要性
    3. 動的接触角の定義と近年の役割
    4. 動的接触角の測定方法
      1. Wilhelmy法とその特徴
      2. 滑落/転落法とその特徴
      3. 拡張収縮法とその特徴
    5. 接触角ヒステリシスの定義と発生原因
    6. 自然界における高/低接触角ヒステリシス表面
    7. 接触角ヒステリシス制御に関する過去の研究
    8. 接触角ヒステリシスを抑制するためのコンセプト
    9. 接触角ヒステリシスと滑落性の関係 (Kawasaki/Furmidgeの式)
    10. 低接触角ヒステリシス表面の応用事例
  3. 撥水/撥油処理の最新研究動向
    1. バイオミメティクス (生物模倣技術) とは?
    2. 超撥水/撥油性を得るための表面設計指針
    3. これまでの超撥水/撥油性表面の問題点・課題
    4. 耐久性アップ/長寿命化のためのコンセプトと研究事例
    5. 最近の超撥水/撥油性の定義
    6. 超撥水/撥油処理の最新研究開発動向
    7. SLIPS (Slippery Liquid-Infused Porous Surfaces) の特徴・設計・課題
  4. 長鎖有機フッ素化合物に依存しない各種撥水/撥油/難付着性処理技術
    〜PFAS (PFOS/PFOA) 規制への対応として〜
    1. フッ素フリー撥水/撥油処理の最新研究開発動向
    2. 各種機能性薄膜を利用したフッ素フリー撥水/撥油/難付着性表面の開発事例
      1. 単分子膜を利用した撥水/撥油性表面の作製方法とその特徴
      2. 有機-無機ハイブリッド皮膜による撥水/撥油性表面の作製方法とその特徴
      3. フッ素化合物よりも優れた耐熱性を示す撥油性皮膜の作製方法とその特徴
      4. オルガノゲルを利用した難付着性表面の作製方法と各種応用事例 (着氷雪防止)
  5. 現状の課題と最近のトピックス
    1. 親水性と滑水性を並立させることができる特異な表面処理
    2. 傷が植物並みに長期間、自己修復する超撥水性材料
    • 質疑応答

第2部 ボトルブラシポリマーの特徴と構造制御による表面のぬれ性制御、船底塗料への応用可能性

(2025年3月14日 15:15〜16:15)

 表面特性を自在に制御する技術は環境、生活、医療、工業など幅広い分野で重要である。高分子の化学組成や高次構造を制御することで、本来の性質を向上させる、或いは、表面に新しい機能を付与することなどが可能である。
 本講演では構造制御ボトルブラシポリマーを中心に、ポリマーブラシの基礎と防汚性能について解説し、船底塗料としての応用可能性について紹介する。

  1. はじめに/ポリマーブラシ
    1. ポリマーブラシの合成
    2. ポリマーブラシの構造・物性
    3. ポリマーブラシの防汚性能 (生体汚損)
  2. ボトルブラシポリマー
    1. ボトルブラシポリマーの構造
    2. ボトルブラシポリマーの合成
    3. ボトルブラシポリマーの防汚性能 (海洋生物汚損)
    4. ボトルブラシポリマーの長期安定性
  3. まとめと今後の課題
    • 質疑応答

講師

  • 穂積 篤
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所
    上級主任研究員
  • 吉川 千晶
    国立研究開発法人 物質材料研究機構 高分子・バイオ材料研究センター 高分子材料分野 表面制御高分子チーム
    チームリーダー

主催

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お問い合わせ

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(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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