技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

天然植物繊維を強化材とする複合材料の基礎と応用

天然植物繊維を強化材とする複合材料の基礎と応用

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、高分子系複合材料の強化繊維として利用可能な天然 (植物) 繊維について取り上げ、繊維の取り出し、強度など、その基本特性を示すとともに、高分子系複合材料の強化繊維としての実用性と問題点について解説いたします。

開催日

  • 2024年12月17日(火) 12時30分 16時30分

プログラム

 地球温暖化効果ガスの一つであるCO2の世界的削減が喫緊の課題なっている。わが国でも、政府の地球温暖化対策推進本部の会合で2013年度に比べて46%削減することを目指すと表明された。その主体は化石エネルギー使用の削減にあるが、複合材料分野でも、再生産可能天然資源・バイオマスの活用が真剣に議論されるようになってきた。EUでも、EU指令として「製品にカーボンフットプリント表示を義務付ける」、さらには、「製造時一定以上のCO2を排出する製品は輸入させない」との動きもあると聞く。
 今、話題のフラックス繊維もかっては日本で作られていた、Bmatに使われている撚っていないヤーン、素撚り平糸として、70以上前に日本でも作られ、売られていた!など、ご存知ですか?
 FRP (繊維強化<熱硬化性>プラスチックス) およびFRTP (熱可塑性樹脂母材のFRP) に代表される高分子系複合材料の強化材についても、再生産可能な天然繊維に注目が集まっている。不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を母材とするFRPについて、ガラス繊維、時には炭素繊維代替として再生産可能で、CNな天然資源を使う試み/研究が進められている。これらの研究では、専ら植物繊維が使われている。FRPやFRTPの強化材として (主として研究分野で) 用いられている繊維は、靭皮繊維と葉脈繊維であるフラックス、ジュート、サイザル麻などである。フラックスやケナフ、サイザルは自動車用のマットおよびPP (ポリプロピレン) バインダー繊維と組み合わせて、内装材:例えば天井やリヤパーティションなどのスタンパブルシートとして実用されている。
 天然繊維をガラス繊維代替の強化材として使うことに関して、多くの研究例がある。また、専ら天然繊維の特性について網羅的に示した本、報告書等も出版されている。本セミナーでは、高分子系複合材料の強化繊維として利用可能な天然 (植物) 繊維について、どのように繊維を取り出すか? 強度は? など、その基本特性を示すとともに、高分子系複合材料の強化繊維としての実用性と問題点について説明する。例えば、表面処理は必要か?などである。
 今後の世界的需要の高まりを考えるとき、既存の植物繊維だけでは世界の需要を満たすことができないと予想される。そこで、麻系繊維に代え、豊富、且つ安価に取り出せる可能性のある新しい繊維素材:竹および葦についても説明する。

  1. カーボンフリー時代の天然植物繊維
    1. 再生産可能天然資源
    2. カーボンフットプリント:竹 (繊維) を例に、CO2吸収能を考える
  2. 天然植物繊維の種類と特性
    1. 複合材料の強化材として必要な要素
    2. 複合材料の強化材として使える植物繊維
  3. 利用可能な植物繊維の取り出しと課題、新しい試み
    1. フラックス (亜麻) 、ヘンプ (大麻)
    2. ラミー (苧麻)
    3. ジュート (黄麻) /ケナフ (洋麻)
    4. サイザル麻
    5. マニラ麻/バナナ
    6. パイナップル (ウォータジェット)
      ※動画紹介
  4. 利用可能な植物繊維の種類と特性
    1. フラックス (亜麻) 、ヘンプ (大麻)
    2. ラミー (苧麻)
    3. ジュート (黄麻) /ケナフ (洋麻) … 最も強いジュートは?
    4. サイザル麻
    5. マニラ麻/バナナ
    6. パイナップル
  5. 天然植物繊維を使った複合材料の実際
    1. 天然繊維の信頼性 (強度のバラツキは?)
    2. 熱硬化性樹脂を母材とするFRP (積層板)
    3. 熱可塑性樹脂を母材とする不織布
    4. 天然繊維を強化材とするPPペレットと射出成形
    5. フィラーとしての天然足物繊維 (抽出残渣の活用)
    6. 表面処理
    7. 天然繊維はガラス繊維代替になるか? (天然繊維を使った複合材料の正しい認識)
  6. 竹繊維の可能性
    1. 竹繊維の抽出法
      • 爆砕法
      • アルカリ処理
      • バイオレッチング
    2. 竹繊維の特性
    3. 種々の竹繊維複合材料
    4. PLA/部分フィブリル化竹繊維複合材料
  7. セルロースナノファイバー (CNF) とその活用
    1. CNFとは
    2. その活用
  8. バイオプラスチックスを母材とするバイオコンポジットへの期待
    1. バイオプラスチックス
    2. 現状と今後の可能性
    3. 問題点

会場

江東区産業会館

第2会議室

東京都 江東区 東陽4丁目5-18
江東区産業会館の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

案内割引・複数名同時申込割引について

R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
案内および割引をご希望される方は、お申込みの際、「案内の希望 (割引適用)」の欄から案内方法をご選択ください。

「案内の希望」をご選択いただいた場合、1名様 42,000円(税別) / 46,200円(税込) で受講いただけます。
複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。

  • R&D支援センターからの案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,000円(税別) / 46,200円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • R&D支援センターからの案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/12/23 高分子延伸による分子配向・結晶化制御技術 東京都 会場
2024/12/24 プラスチックフィルムの種類、添加剤、 製膜、応用、評価 オンライン
2024/12/24 自動車リサイクルの日本および世界の現状と今後のリサイクル戦略 オンライン
2024/12/25 プラスチック廃棄、海洋汚染防止、再生プラスチック、PFAS問題に関する国内外規格規制の動向と対応 オンライン
2024/12/25 加工の基礎と機械加工技術 オンライン
2024/12/26 架橋剤を使うための総合知識 オンライン
2024/12/27 架橋剤を使うための総合知識 オンライン
2024/12/27 静的・動的光散乱法を中心とした粒径計測の基礎と応用 オンライン
2025/1/6 チクソ性の基礎、制御、測定・評価と実用系への活用方法 オンライン
2025/1/7 高感度化フォトレジスト材料の合成・設計・開発技術 オンライン
2025/1/8 高分子・ポリマー材料の合成、重合反応の基礎、プロセスと工業化・実用化の総合知識 オンライン
2025/1/10 欧州連合 (EU) の食品包装規制と安全問題の最新動向 オンライン
2025/1/15 高分子の劣化・変色メカニズムと対策技術、評価方法 オンライン
2025/1/15 高分子重合反応の基礎とモノマー・開始剤の選定、プロセス最適化 オンライン
2025/1/15 分子シミュレーションによる高分子材料の内部構造と破壊メカニズムの解析 オンライン
2025/1/16 プラスチック・樹脂における耐衝撃性向上技術と衝撃特性解析 オンライン
2025/1/17 高分子の結晶化メカニズムと解析ノウハウ オンライン
2025/1/20 「ポリプロピレン」の材料としての基本的な構造、特性、その応用 オンライン
2025/1/20 化学反応型樹脂の硬化率・硬化挙動の測定・評価法 オンライン
2025/1/20 プラスチックのリサイクル促進に向けた材料設計・成形加工の技術と知識 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/7/29 サステナブルなプラスチックの技術と展望
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026 (書籍版 + CD版)
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026
2024/7/17 世界のリサイクルPET 最新業界レポート
2024/6/28 ハイドロゲルの特性と作製および医療材料への応用
2024/5/30 PETボトルの最新リサイクル技術動向
2024/2/29 プラスチックのリサイクルと再生材の改質技術
2023/10/31 エポキシ樹脂の配合設計と高機能化
2023/7/31 熱可塑性エラストマーの特性と選定技術
2023/7/14 リサイクル材・バイオマス複合プラスチックの技術と仕組
2023/3/31 バイオマス材料の開発と応用
2023/3/31 溶融紡糸技術の基礎と高性能・高機能化および生産管理の実践
2023/1/31 液晶ポリマー (LCP) の物性と成形技術および高性能化
2023/1/6 バイオプラスチックの高機能化
2022/12/31 容器包装材料の環境対応とリサイクル技術
2022/10/5 世界のプラスチックリサイクル 最新業界レポート
2022/8/31 ポリイミドの高機能設計と応用技術
2022/6/28 GFRP & CFRPのリサイクル技術の動向・課題と回収材の用途開発
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/31 樹脂/フィラー複合材料の界面制御と評価