技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー
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本書では、ポリエステル、ナイロン、スーパー繊維を中心に、製造方法、繊維の特徴及び用途を解説いたします。
我が国の合成繊維産業が全盛期にあった1970年代から1990年代にかけて、我が国は世界の最先端繊維技術を競い合っていた。特に、1980年代には、衣料用繊維では高速紡糸技術、新しい紡糸技術や紡編織・繊維加工技術を駆使して開発した「新合繊」や「マイクロファイバー」等の高機能・高感性繊維、また産業資材用繊維では、マイカーブームと高速走行時代が要請した乗用車ラジアルタイヤ用HMLS (High Modulus Low shrinkage) -PET繊維とその製造のための高速紡糸延伸プロセス、ジャンボジェット機用N66超高強度繊維等、更に、炭素繊維をはじめとする高性能・高機能繊維 (スーパー繊維) 等の新技術が次々と開発され、世界の最先端で開発競争をしていることが実感できた。
しかしながら、2000年以降は円高による国際競争力の低下、バブルの崩壊により長期間に渡って経済が停滞する中、繊維業界は懸命の快復努力もかかわらず縮小の一途をたどってきた。最近は、特に汎用繊維では生産規模、高効率な最新鋭設備、そして生産技術においても中国に圧倒されている。我が国の合成繊維事業は縮小を余儀なくされ、年間生産量は世界シェアの1%を切っている。そして、事業規模の縮小に伴って技術開発戦力も縮小したため、研究技術開発の対象も、新増設が盛んだった拡大期には新プロセス開発が重要であったが、最近は旧設備を使いこなしながら、知恵を絞って高付加価値新製品の開発に取り組んでいる。今後は、得意とする衣料用高機能・高感性繊維及び産業資材用高性能・高機能繊維に特化し、社会要請である健康・安全、環境負荷低減等の解決に貢献し、人生を楽しく暮らせるようなサービスを繊維製品を介して提供していくことが必要である。
世界の繊維生産量は約1億トン/年で、合成繊維が約7千万トン/年を占めるが、うち溶融紡糸は、製造される繊維の実に約98%を占める最も重要な製造方法である。他は湿式紡糸のアクリル繊維が約145万トン/年 (約2%) 、スーパー繊維が約23万トン/年 (約0.3%) である。スーパー繊維の多くは湿式紡糸をベースとして新たに開発された特殊紡糸法によって生産されているが、ポリアリレート、PPS (ポリフェニルスルフィド) 、ポリエーテルイミド繊維等は溶融紡糸によって生産されている。溶融紡糸は、最もエネルギー消費量の少ない紡糸法であり、製造コストは最も有利で、かつ環境負荷の少ない製造法としてSDGs に貢献する。溶融紡糸は、デュポンのカロザスがナイロン66を発明して以来、最大生産量を誇るポリエステル等各種素材に展開され、新製品開発、品質改善、高生産性・高収率プロセス開発、等を追求した研究技術開発が継続されてきた。
本書では、繊維系学科が縮小する中で、先人研究者の溶融紡糸研究成果を引継ぎ発展させてきた大学の先生方が溶融紡糸技術の理論的な解説と最新の溶融紡糸繊維の研究成果を執筆されている。また、溶融紡糸技術開発の最盛期に、研究および技術開発や生産現場を経験してきた技術者が、これまで公開されていなかった溶融紡糸及び装置技術等のノウハウを含めて執筆して貰っている。溶融紡糸の研究および技術開発の神髄を、次の世代に引き継ぐ最後の機会と捉え、ここに成書として発刊の機会を得たことは幸いである。
(一般社団法人) 日本繊維技術士センター相談役 齋藤 磯雄
発行年月 | |
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