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粘着剤・粘着テープの剥離メカニズムと動的挙動、応力分布の解析

粘着剤・粘着テープの剥離メカニズムと動的挙動、応力分布の解析

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、粘着剤・粘着テープの使用環境・条件を包括的に捉え、レオロジー・非線形動力学に基づき、粘着剤の剥離を解説いたします。

開催日

  • 2024年9月27日(金) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 粘着・接着・剥離技術に関連する技術者
    • テープ、シールなどの粘着剤、粘着製品
    • 住宅・建築材料
    • 電気・電子部品
    • 電子機器
    • 自動車
    • 医療
    • 生活環境部材
    • 塗装
    • 印刷
    • 包装
    • 事務用品 など
  • 粘着剤・剥離剤のユーザ
  • これから粘着・剥離に携わる方
  • 粘着・剥離で課題を抱えている方

修得知識

  • 粘着・剥離の基礎
  • 剥離現象を捉える包括的な視点
  • 粘着剤の代表的な材料である高分子の力学物性 (粘弾性・時間温度換算則)
  • 粘着の3要素 (タック・保持力・粘着力)
  • 「くっつきやすくはがしやすい」粘着剤を推定する経験則
  • テープ剥離において剥離強さの速度・角度依存式
  • 粘着・剥離の力学的特性に関わる粘性・弾性・ぬれの基礎、関連
  • 糸引きを引き起こす不安定性 (フィンガリング不安定性) と対策
  • タック測定時、テープ剥離時における形態形成の実例
  • ジッピング (スティック – スリップ振動) の原因と対策
  • 剥離速度・剥離角度と剥離の挙動の関係、実例

プログラム

 粘着剤・粘着テープには、どうすればくっつくかという課題と共に、どうすれば (きれいに) 剥がれるかという重要で困難な課題がある。例えば、同じ粘着テープを使用したとしても、そのテープをどこに貼ったか、そのテープをどのように剥がしたかによって、テープの剥がれ方 (例えば、剥離強さ・ジッピングなどの動的挙動) は大きく異なる。従って、粘着剤の剥離は、単に粘着剤の物性 (弾性率・表面張力) だけで決まる性質ではなく、その粘着剤を使用している環境や条件に強く依存していると考えた方が良いように思われる。
 本セミナーでは、粘着剤・粘着テープの使用環境・条件を包括的に捉え、レオロジー・非線形動力学に基づいて、粘着剤の剥離メカニズムに対する普遍的で一般的な視点・取り扱い方を解説する。
 粘着・剥離に対する物理的な基礎知識。特に剥離現象を捉える包括的な視点 (講演項目を参照) 。特に、粘着剤の代表的な材料である高分子の力学物性 (粘弾性・時間温度換算則) 、ならびに、粘着の3要素 (タック・保持力・粘着力) について、それらの意味をレオロジーの観点から説明する。
 粘着剤の開発においては、「くっつきやすくはがしやすい」粘着剤が良いとされる事が多いが、このような良い粘着剤を推定する経験則を紹介する。テープ剥離において剥離強さの速度・角度依存式を紹介する。粘着・剥離の力学的特性には粘性・弾性・ぬれが関わっており、これらを統一した枠組みで議論することのできる「スケーリング」という考え方を解説する。
 剥離時の粘着剤は大変形し、糸引き形態が形成される。糸引きを引き起こす不安定性 (フィンガリング不安定性) を解説し、タック測定時、および、テープ剥離時における形態形成の実例を紹介する。 テープ剥離においては、システム全体の剛性が剥離の動的挙動に影響を及ぼし、ジッピング (スティック – スリップ振動) などが起こる。また、剥離速度・剥離角度によって剥離の挙動が大きく異なる。これらに関する実例を紹介する。

  1. はじめに:粘着・剥離現象を俯瞰する
    1. 歴史的背景
    2. 空間スケールと粘着現象
      1. 分子間力
      2. 濡れ
      3. 粘弾性
      4. 大変形
      5. 装置剛性
    3. 3つの主要な研究分野
      1. 高分子化学
      2. レオロジー
      3. 非線形動力学
  2. 粘着・剥離とレオロジー
    1. 表面張力とぬれ
    2. 粘弾性
    3. 剥離と粘着の三要素
      1. タック
      2. 保持力
      3. 粘着力
    4. 粘着特性に関する経験則
    5. テープ剥離時の応力分布
    6. 剥離強さの依存性
      1. 角度
      2. 速度
      3. テープ厚さ
  3. 剥離における粘着剤の変形メカニズム
    1. 糸引きが起きる原因となる不安定性:ヴィスカス・フィンガリング
    2. タックにおける粘着剤の剥離形態と力学特性
    3. 粘着テープの剥離における粘着剤の糸引き
  4. 剥離の非線形動力学
    1. 入力と出力の関係:粘着・剥離の場合
    2. 速度・装置の剛性への依存性
    3. ジッピング (スティック – スリップ剥離) が起こる要因
    4. 剥離速度・装置の剛性を軸にした動的相図の重要性
    5. 剥離強さを決める要因は?
    • 質疑応答

講師

  • 山崎 義弘
    早稲田大学 理工学術院 先進理工学部 物理学科
    教授

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

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