技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

具体的データ事例を用いた安定性試験の統計解析

具体的データ事例を用いた安定性試験の統計解析

~安全性予測、OOTのイレギュラー対応事例・規格外のリスク予測~
オンライン 開催

このセミナーは2023年1月に開催したセミナーのオンラインセミナー:オンデマンド配信です。
オンラインセミナーは、お申し込み日より10営業日間、動画をご視聴いただけます。
お申込は、2024年1月30日まで受け付けいたします。
(収録日:2023年5月23日 ※映像時間:4時間46分)

開催日

  • 2024年1月30日(火) 10時30分 16時30分

修得知識

  • 溶出試験
  • 含量
  • 類縁、不純物
  • 統計・確率の視点
  • 経時変化のばらつきの理解
  • 確率の求め方(95%信頼区間)
  • 安定性試験の結果から製造時に規格外となるリスクがどの程度となるか、潜在リスクをどのように見積もるか
  • 回帰式による有効期間切れ時の予測

プログラム

 安定性モニタリングはPIC/S GMPの6つのギャップの一つとして実施が通知で定められ、各社が実施しています。また富山県のある製造所では安定性モニタリング未実施により製品回収になりました。
 今、多くの会社が安定性モニタリングで規格不適合により製品回収が増えています。問題は規格不適合の結果が出て回収していることです。安定性は直ぐに規格不適合が起きるのではなく、規格下限 (含量や溶出) 、規格上限 (類縁や不純物) に近づいているのです。前もって推測できます。その推測に統計・確率の知識が必要です。規格不適合を予測し、対応を今行っていると、規格不適合になり製品回収になった時には、今流通している製品並びに物流在庫品は製品回収のリスクがありません。欠品回避ができるのです。欠品になることと製品回収では雲泥の差があります。なんといっても患者様に継続して服用していただけます。また営業サイドからは一度他社の製品回収になると再度納入することはハードルが高くなります。このセミナーにご参加され、それができれば参加費以上のメリットがあります。
 実際に起きている多くの安定性モニタリングの製品回収事例からも問題点を学ぶことにより、どこに注意が必要かも知ります。
 安定性モニタリングで製品回収の多い下記の対策について統計的な視点で説明します。統計的視点とは、統計・確率だけでなく、3ゲン (現場、現物、現実) ・5ゲン (原理、原則) が重要です。事例からその視点を紹介します。

  1. 改正GMP省令の安定性モニタリング
    1. 溶出試験不適合による製品回収
    2. 福井県/富山県製造所の第三者委員会からの学び
      • OOSの取り扱い
      • 安定性モニタリングの取り扱い
    3. 安定性モニタリングの実施
    4. 25°C×60%と申請時の室温成り行きの長期安定性で齟齬が生じた場合
    5. 製品品質照査の定期と臨時の確認の意味
  2. 安定性モニタリングによる製品回収事例
    1. 含量の低下による規格逸脱による製品回収
    2. 溶出試験不適合による製品回収事例
    3. 類縁/不純物
    4. 製品回収事例から見えて来るもの
    5. 欠品を来さない場合
    6. 欠品を来す場合
  3. 知っておきたい統計の知識
    1. バラツキの概念と分析バラツキの要因
      • データを見るとは規格適合だけでなく、そのデータの発生確率を知ること
    2. 95%信頼区間 (バラツキによる規格不適合を考える)
    3. 相関係数と回帰式 (含量低下を考える)
    4. F検定&t検定
    5. 分散分析
  4. OOS発生時のラボエラー調査
    1. 標準品変更時のOOS
    2. ラボエラーに気付かず製品回収
    3. PMDAによる試験不備による製品回収
    4. 日医工のOOSの判断不備への当局の指摘
    5. 規格限界値付近のデータの意味とその対応
    6. 欧米のOOSガイドライン
  5. 溶出試験以外の安定性モニタリングでの製品回収
    1. 含量
    2. 原薬の新製法による物性変化 (結晶形) による安定性での低下
    3. 原薬の粒子径 (ビタミンA) のバラツキと経年での安定性のバランス
    4. 類縁/不純物
    5. 研究開発時点でのデータ処理の問題
    6. 原薬の出発物質変更による経年での不溶性異物
    7. 生薬の類縁物質の原薬と経年での管理
    8. その他
  6. ラボエラーによる製品回収/欠品対応事例
    1. 凍結乾燥製剤の製品回収 (2005年) の事例
    2. 標準品変更に伴う欠品リスクによる当局対応
  7. 原薬の製造方法変更による物性変化の安定性への影響
    1. 1/10スケールの確認
    2. フルスケールでの問題
    3. 対応
  8. 原薬の粒子径 (ビタミンA) のバラツキと経年での安定性のバランス
    1. 経年対策で粒子径を大きく
    2. 経年で規格不適合
  9. 割り増し仕込み (過量仕込み) について
    1. ICH Q8
    2. 2013年GMP事例集
    3. 実際の事例
    4. 福井県の製造所の割り増し仕込み事例を考える
  10. 類縁/不純物
    1. 研究開発時点でのデータ処理の問題
    2. 原薬の出発物質変更による経年での不溶性異物
    3. 生薬の類縁物質の原薬と経年での管理
  11. 製造時/安定性モニタリング時の溶出試験とOOSの関係
    1. 溶出試験でOOSが出た場合の対応
    2. 製品回収のリスク
  12. 海外製造所品の溶出試験齟齬対応
    1. 海外製造所と受け入れ試験結果の不一致
    2. 話し合いの結果
    3. 取り決め事項への反映
  13. 海外販売品導入時の品質評価 (溶出試験)
    1. 導入時の品質の確認
    2. 溶出試験の課題とその対応
  14. 国内販売品の販売移管時の品質評価 (溶出試験)
    1. 移管時の品質の確認
    2. 溶出試験の課題とその対応
  15. 溶出試験で製品回収を起こさないために
    1. 製品品質照査結果からリスクのある製品の抽出 (確率/統計の視点から)
    2. 改善対応
      • 処方変更
      • 製造方法変更
      • 包装変更
    3. 溶出試験の堅牢性 (影響を受けやすい製品のリストアップ)
      • 原薬の粒子径管理
      • 経年で低下する場合
      • OOT管理
  16. 技術移管時の溶出試験の確認と溶出試験に影響を及ぼす因子
    1. 4液性の溶出挙動確認
    2. 原料
    3. 製造方法
    4. 包装 (ピンホール)
  17. QCで防ぎたい品質トラブル
    1. 溶出試験の統計確率のリスクの考え方
    2. 主薬の結晶形の影響
    3. 主薬の物性の溶出試験への影響
    4. 類縁物質が注射剤の不溶性異物に影響
    • 質疑応答

参考資料 (時間に余裕がある場合)

  1. 分析バリデーションとサンプリングの関係
    1. “原則品質部門がサンプリングする“の意味 (GMP逐条解説&事例集から)
    2. QCは評価する部門、分析バリデーションはツールの検証
    3. サンプリングとは、製造方法、均質性、ロット構成を把握して行う
    4. 承認書や日局にn数が規定されていない理由
    5. サンプリング試料の粉砕や縮分時の注意点
  2. OOS/OOTについて
    1. OOS/OOTの考え方
    2. OOS/OOTの仕組みと違い
    3. OOTの導入について (工程能力指数CpとCpkの活用)
    4. OOTを3σに設定して何度もOOTが出ている事例対応
    5. 錠剤硬度のOOTの事例対応
    6. 海外製造所のOOS調査不備による欠品リスクの事例
    7. 海外のOOSのガイダンス (EU&FDA)
      • FDAガイダンス (2022年5月改訂版の翻訳) 紹介
  3. ラボエラー調査
    1. ラボエラーチエックシート活用
    2. 試験器具、溶液の試験終了時まで保管
    3. 明確なラボエラーが断定できない時
    4. 安定性試験で含量が低下事例を考える
      • ラボエラー有無
      • 過去の安定栄試験のデータ参照
      • 標準品と検体の面積値検証
      • データ処理の確認
    5. 安定性モニタリングで溶出試験がOOS/OOTの対応事例
    6. 強熱残分試験のOOSの対応事例
  4. 製造工程の調査
    1. 該当ロットの逸脱確認
    2. 最近のロットの試験結果の確認
    3. 最近のインプロデータの確認
  5. 再試験/再サンプリングの問題点
    1. 再試験のための調査
    2. 試験者数と試験数
    3. 再試験の判定
    4. サンプリング時の問題有無
    5. 再サンプリングのための調査
    6. 再サンプリングの根拠
    7. OOSを考慮して最初にどの程度サンプリングするのか
    8. 最初のデータを棄却するためにどうするか
  6. OOSが棄却できなかった時の対応
    1. 原因究明
    2. 是正対応 (CAPA)
  7. OOSで頭を悩ました事例
    1. 事例1:A顆粒
    2. 事例2:Bカプセルの溶出試験
    3. 事例3:品質再評価
    4. 事例4:Cバルク (原薬)
  8. 人が創る品質&Quality Culture

講師

  • 脇坂 盛雄
    株式会社 ミノファーゲン製薬
    顧問

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 34,700円 (税別) / 38,170円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 34,700円(税別) / 38,170円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

オンデマンドセミナーの留意点

  • 申込み後、すぐに視聴可能なため、本セミナーのキャンセルは承りかねます。 予めご了承ください。
  • 録画セミナーの動画をお手元のPCやスマホ・タブレッドなどからご視聴・学習することができます。
  • お申し込み前に、 視聴環境 をご確認いただき、 視聴テスト にて動作確認をお願いいたします。
  • 3営業日後までに、メールをお送りいたします。
  • 視聴期間は申込日より10営業日の間です。
    ご視聴いただけなかった場合でも期間延長いたしませんのでご注意ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
  • 動画視聴・インターネット環境をご確認ください
    • セキュリティの設定や、動作環境によってはご視聴いただけない場合がございます。
    • サンプル動画が閲覧できるかを事前にご確認いただいたうえで、お申し込みください。
  • 本セミナーの録音・撮影、複製は固くお断りいたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/6/21 医薬品製造における不純物管理と当局への対応の重要ポイント 東京都 会場・オンライン
2024/6/21 非臨床試験QC/QAの留意点とGLP品質マネジメントシステムから学ぶ非臨床試験の信頼性保証 オンライン
2024/6/21 GMP省令改正における原材料供給者管理への対応と原薬・原料・資材各々の取決め事例 オンライン
2024/6/21 実務経験をふまえた医薬品開発担当者のための人材育成プログラム (導入/継続教育) オンライン
2024/6/21 ICH Q3D/日局をふまえた元素不純物管理 (新薬・既存薬) のための分析・試験法設定のポイント オンライン
2024/6/21 免疫性血栓性血小板減少性紫斑病の歴史、病態、治療の新たな展開と残された課題 オンライン
2024/6/24 リスクマネジメント/ワーストケースアプローチに基づく洗浄バリデーション実施 (残留限度値・DHT/CHT設定など) と残留物の評価法 オンライン
2024/6/24 変更管理・逸脱管理コース (2日間) オンライン
2024/6/24 適正なCAPA実現につながる逸脱・OOS処理フロー及び原因・試験室調査の進め方と処置事例 オンライン
2024/6/24 バイオ医薬品製造におけるGMP対応をふまえたプロセス開発からの設備設計・スケールアップ オンライン
2024/6/24 日米欧の規制対応を可能とするためのグローバルPV体制構築とベンダーコントロール オンライン
2024/6/24 オンコロジー領域における医薬品売上予測手法とデータ収集及び注意点 オンライン
2024/6/25 実際に起こったトラブル事例から学ぶ解決策の考え方、スケールアップ・ダウン検討および実験計画の具体的な進め方 オンライン
2024/6/25 医薬品製造現場における少人数体制のQC/QA業務効率化/コスト削減 オンライン
2024/6/25 経皮吸収の基礎と評価方法 オンライン
2024/6/25 治験総括報告書及びCTD 2.5の基本的な作成法と照会事項への対策 オンライン
2024/6/26 生産移行後のトラブルを未然に防ぐための製造設備および支援設備のバリデーション 東京都 会場・オンライン
2024/6/26 開発から製造販売後までの一貫した安全性評価の取りまとめ方と効率的な資料作成方法 (基礎編 + 実践編) オンライン
2024/6/26 GMP超入門講座 オンライン
2024/6/26 改正GMPに対応する技術移転/移管での同等性評価とバリデーション/作業者教育 オンライン

関連する出版物

発行年月
2022/6/17 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (追補版)
2022/3/31 疾患原因遺伝子・タンパク質の解析技術と創薬/診断技術への応用
2022/3/10 改正GMP省令対応 QA (品質保証) 実務ノウハウ集
2021/11/26 改正GMP省令で要求される「医薬品品質システム」と継続的改善 (書籍 + ebook版)
2021/11/26 改正GMP省令で要求される「医薬品品質システム」と継続的改善
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点) (製本版 + ebook版)
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点)
2021/10/11 抗ウイルス薬 (CD-ROM版)
2021/10/11 抗ウイルス薬
2021/9/22 パージファクター活用 (スコアリングと判定基準) 及びニトロソアミン類のリスク評価
2021/9/22 パージファクター活用 (スコアリングと判定基準) 及びニトロソアミン類のリスク評価 (書籍版 + ebook版)
2021/8/31 創薬研究者・アカデミア研究者が知っておくべき最新の免疫学とその応用技術
2021/8/26 薬事規制・承認審査の3極比較と試験立案・臨床データパッケージ/CMCグローバル申請 (製本版+ebook版)
2021/8/26 薬事規制・承認審査の3極比較と試験立案・臨床データパッケージ/CMCグローバル申請
2021/5/27 [Global] 治験/市販後での安全性情報の収集・評価・報告要否とPVベンダーコントロール
2021/5/27 [Global] 治験/市販後での安全性情報の収集・評価・報告要否とPVベンダーコントロール (書籍 + ebook版)
2021/3/30 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ
2020/6/30 米国での体外診断用医薬品の開発/審査対応 実務集
2020/4/27 各国要求及び治験環境と現地の実情
2020/3/30 当局要求をふまえたデータインテグリティ手順書作成の要点