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成形加工における樹脂製品の物性変化

成形加工における樹脂製品の物性変化

~ブリードアウト不良を事例として / プラスチックの成形加工 / ブリードアウト不良とは? / 成形加工で物性が変わる理由 / 成形加工による構造と物性の変化 / 成形加工によるブリード性の変化~
オンライン 開催

開催日

  • 2024年1月26日(金) 10時30分 16時30分

修得知識

  • ブリードアウト不良の原因と対策、未然防止策
  • 射出成形を中心としたプラスチック成形品の内部の構造形成のメカニズム
  • 内部構造の変化にともなう物性の変化

プログラム

 20年以上ブリードアウト不良に関する講師を務めてきました。従来は、高分子材料の中を添加剤などが移動・拡散する現象の理解を主として説明していました。物理化学を基礎として受講者が問題解決するための基礎を作ることが主眼としていました。ただ、学術的で理解が難しい面もあったので、この度、成形現場に視点を置いて、講座を再構成しました。現場で成形条件を変えると、成形品の内部に何が起こるのか、そして最終的にブリードアウト特性に何が起こるのか一緒に考えましょう。
 主に樹脂成型品を設計、成形、取り扱う業務をしている技術者を対象とします。主に射出成形を中心としたプラスチック成形品の内部の構造形成のメカニズム。その内部構造の変化にともなう物性の変化。

  1. プラスチックの中をモノが素通りするということ
    1. ブリードアウト不良とは何か
    2. ブリードアウト不良と類似した現象
      (包装材から食品への添加剤の移行、フォギングなど)
    3. 身の回りのプラスチック製品の化学的物理的な構造
      1. 単一素材の製品
      2. 多層構造の製品
      3. 多相構造の製品
      4. 微細孔のある製品
      5. 発泡、不織布など
    4. 成形加工方法と製品の巨視的な構造
      1. フィルム成形
      2. シート熱成形
      3. ブロー成形
      4. 射出成形
    5. プラスチックの微視的な構造
      1. 一次構造 化学結合できまる構造
      2. 二次構造 一本の分子鎖の形態に関する構造
      3. 三次構造 分子鎖が集合した微細構造
      4. 四次構造 凝集構造 空孔、フィブリルなど
  2. 成形加工による微視的な構造の変化
    1. 成形加工で物性が変わる理由
      1. カタログのMFRだけでは分からないこと
      2. 溶融粘度の測定方法
      3. 分子量分布の違い
      4. 分子量分布により溶融粘度の剪断速度依存性が変化する
    2. 成形加工による構造と物性の変化
      1. 延伸による結晶構造の変化
      2. 射出成形
      3. 流動による結晶化と造核剤による結晶化
      4. 急冷と徐冷による結晶化
  3. 成形加工によるブリード性の変化
    1. ブリードアウト不良の感覚的な説明 (高分子材料の特性、添加剤)
      1. 自由体積という概念
      2. 緩和という概念
      3. 分子鎖の運動という概念
      4. 化学的な親和性という概念
    2. 基本原理の科学的な説明 (拡散、溶解度)
      1. 拡散方程式の意味するところ
      2. 各種モデルを用いた解
      3. 溶解度の意味するところ
      4. 添加剤の溶解度の理論式
    3. 射出成形品の場所によるブリード性の違い
  4. まとめと質疑応答

講師

  • 小林 豊
    株式会社 プライムポリマー 自動車材研究所
    所長付

主催

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    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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