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ベイズ最適化による材料開発の効率化と試行回数の低減化

ベイズ最適化による材料開発の効率化と試行回数の低減化

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、効率的な材料設計やプロセス・装置設計を可能にする実験計画法について取り上げ、必要なデータ解析理論とベイズ最適化の基礎、具体的な応用例や最新の研究事例などを解説いたします。

開催日

  • 2023年3月10日(金) 10時30分 16時15分

プログラム

第1部 ベイズ最適化を用いた材料探索・開発の効率化とガウス過程回帰精度

(2023年3月10日 10:30〜12:00)

 高機能性材料の開発やコンピュータシミュレーションによる設計などの研究・開発の現場において、効率的にシミュレーション・実験・製造を実施するために実験計画法が活用される。例えば5つの実験パラメータもしくはシミュレーション条件 (反応器体積・反応温度・反応時間など) があり、それぞれ 10 の候補の値がある場合、すべての組み合わせは10万通りになってしまう。しかし実験計画法を用いれば、その中の数回のシミュレーション候補・実験候補から実験パラメータと装置の性能・材料の物性・活性との間の関係性を統計的手法によりモデル化することで、所望の装置性能・物性・活性を実現するための候補を効率的に探索できる。このようにシミュレーションデータや実験データを活用することで、効率的な材料設計およびプロセス・装置設計を達成できる。
 本講演では、そのような (適応的) 実験計画法や、実験計画法を実現するためのデータ解析理論およびベイズ最適化の概要を解説する。さらに具体的な材料設計およびプロセス・装置設計の例や最新の研究事例を紹介する。

  1. ケモインフォマティクス・マテリアルズインフォマティクス・プロセスインフォマティクス
    1. 分子設計とは
    2. 材料設計とは
    3. プロセス設計・装置設計とは
    4. モデルの活用した材料設計・プロセス設計・装置設計
  2. データ解析・実験計画法・ベイズ最適化
    1. 線形回帰分析
    2. 非線形回帰分析
    3. 実験計画法
    4. 適応的実験計画法
    5. ガウス過程による回帰
    6. ベイズ最適化
  3. 研究事例・応用事例
    1. ベイズ最適化の応用事例
    2. 材料設計の実例
    3. プロセス設計・装置設計の実例
    • 質疑応答

第2部 ベイズ最適化と低次元化によるモノづくりの効率化と試行回数の低減化

(2023年3月10日 13:00〜14:30)

 製造業でのベイズ最適化の適用における2つの課題と、その課題を解決するベイズ最適化の拡張手法について紹介する。1つ目は試行回数を削減したいという課題であり、低次元化やドメイン知識を用いたベイズ最適化手法を紹介する。特に、ベイズ最適化と低次元化の組合せによるシミュレーションモデルのキャリブレーション効率化の技術紹介を行う。2つ目の課題は適用範囲を拡大したいというもので、ロバスト性や制約に対応するベイズ最適化手法を紹介する。特に、製造時に設計パラメータが変動しても制約を常に満たすロバストなパラメータを求めるロバスト制約付きベイズ最適化の技術紹介を行う。

  1. 東芝のAI技術
  2. 製造業でのベイズ最適化の適用事例
    1. 材料の組成設計
    2. 風車配置設計
  3. 適用におけるベイズ最適化の課題
    1. 試行回数削減 (高次元の問題の場合や複雑な目的関数の場合)
    2. 適用範囲拡大 (ロバスト性や制約に対応)
  4. 試行回数削減のための解決策
    1. 低次元化
    2. ドメイン知識活用
  5. 技術紹介1 (キャリブレーション効率化)
  6. 適用範囲拡大のための拡張手法
    1. ロバスト性への対応
    2. 制約への対応
  7. 技術紹介2 (ロバスト制約付きベイズ最適化)
    • 質疑応答

第3部 多目的ベイズ最適化による材料開発の効率化とそのポイント

(2023年3月10日 14:45〜16:15)

 産業界における材料設計では、その用途に応じて、複数の目的変数の最適化が要求されることが多い。例えば100°C環境で10年間使用される材料であれば、軽量性や伸縮性等の材料機能に関する目的変数に加えて、100°Cに耐える耐熱性と10年継続利用可能な耐久性が要求される。こうした最適化問題を効率的に解くことが期待される多目的ベイズ最適化であるが、現状はアカデミアを中心に限られた成功例が報告され始めている状態であり、産業界のどんな課題に、どのように使えばいいのか判断することは難しい。
 そこで本講座では産業界の立場で多目的ベイズ最適化の研究に従事する講師の視点から、複数の多目的ベイズ最適化手法の簡単な原理とその長所・短所について紹介する。合わせて、単目的ベイズ最適化の延長で簡易的に多目的ベイズ最適化を実現する方法や、講師の所属するレゾナックにおける最新の技術開発、活用事例についても紹介する。

  1. レゾナック機能性材料部門におけるマテリアルズインフォマティクスの取り組み概要
  2. 多目的ベイズ最適化入門
    1. ベイズ最適化の原理復習
    2. 多目的ベイズ最適化手法
  3. 多目的ベイズ最適化手法の長所・短所
    1. 多目的ベイズ最適化手法の比較方法
    2. 各手法の長所・短所
  4. 単目的ベイズ最適化ツールで簡易的に多目的ベイズ最適化を実現する方法
  5. レゾナック機能性材料部門における機能性材料開発のための多目的ベイズ最適化
    1. 機能性材料開発のための多目的ベイズ最適化手法開発
    2. 実務での有効性を確認するための性能検証
    3. 多目的ベイズ最適化を搭載したマテリアルズインフォマティクスプラットフォーム
  6. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 金子 弘昌
    明治大学 理工学部 応用化学科
    准教授
  • 桐淵 大貴
    株式会社 東芝 研究開発センター 知能化システム研究所 システムAIラボラトリー
    研究主務
  • 花岡 恭平
    株式会社レゾナック 計算情報科学研究センター
    MI先端基盤開発担当プロフェッショナル

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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