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ポリ乳酸の最先端技術講座

ポリ乳酸の最先端技術講座

~使い捨てから長期耐久性構造材料まで~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、SDGs対応に向けたポリ乳酸の最近の動向、応用事例について解説いたします。

開催日

  • 2023年1月17日(火) 10時00分 17時00分

受講対象者

  • ポリ乳酸に関連する技術者
    • 自動車分野
    • 電気・電子分野
    • スポーツ分野 など
  • ポリ乳酸に関連する分野のマーケティング担当者、事業企画担当者、経営者

修得知識

  • 地球環境保全と資源循環型社会に向けて、SDGsとしてのポリ乳酸
  • ポリ乳酸の生分解機構と分解制御技術、抗菌・防カビ性発現機構、高性能化材料設計技術
  • ポリ乳酸の成形加工と最新製品・市場開発動向

プログラム

 現下の地球環境・資源・廃棄物問題の背景下、次世代バイオプラスチックの最有力候補と目されるポリ乳酸 (PLA) の急速な市場拡大に伴い世界的に新設・増産計画 (2024年:50万トン/年) が相次いでいる。日本においても、これまで脱プラの象徴的存在であった大手製紙会社がいよいよ非可食バイオマスを原料にPLAの製造に乗り出すことが報道されている。なぜ、数多くあるバイオプラの中でPLAが選択されるのか?その背景には、PLAは単なる植物由来生分解性プラではなく、既に旧来の石油系汎用プラと同等以上の性能レベルにあることはもとより、使い捨て用途から10年以上の長期耐久性構造材料としての製品寿命を有し、本来ならばトレードオフの関係にある生分解性と耐久性の両立、生分解性と抗菌・防カビ性の両立、耐熱性と耐衝撃性の両立などを可能にしている、正しく次世代スマートプラスチックとしての基本的要件を具備していることにある。
 本講では、これらポリ乳酸が内包する 潜在的能力と奇跡のパラドックス構造を解明すると共に、最新の技術・製品・市場開発動向について紹介する。

  1. 地球環境・資源・廃棄物問題と生分解性プラスチック
    1. 20世紀の石油を原料とする合成高分子化学工業が内包するパラドックス
    2. 海洋プラスチック汚染問題の正しい理解と解決策
    3. 自然界の真のリサイクルシステムとしての物質循環 (炭素循環) へのリンク
    4. 植物由来生分解性プラスチック (生分解性バイオマスプラ) への転換
    5. 世界の法規制と業界動向
  2. ポリ乳酸 (PLA) の基本特性
    1. 植物由来生分解性樹脂 … 熱可塑性脂肪族ポリエステル (Tm:170°C, Tg:58°C)
    2. 原料は枯渇しない植物由来の再生可能資源 (renewable resource)
    3. バイオマス由来で地球温暖化に関与しない (carbon – neutral)
      • LCAによる環境負荷の客観的・定量的表示 (石油系プラとの比較)
    4. 安全・食品衛生性 … 「厚生省告示370号」一般規格、個別規格適合
    5. 抗菌・防カビ性
      1. プラスチックのカビ抵抗性試験 … JIS Z – 2911
      2. 繊維の抗菌・防カビ性試験、その他
      3. 消費者から届けられた声
        • PLAは生分解性でありながら卓越した抗菌・防カビ性を発現!お餅にカビが生えるようにデンプン系や微生物産生ポリエステル系は真っ黒なカビが 一面に生える。
    6. ポリ乳酸の原料ソースの時代的変遷 … 可食から非可食バイオマス原料へ
      1. 可食バイオマス … デンプン (トウモロコシ) や廃糖蜜 (サトウキビ)
      2. 非可食バイオマス … リグノセルロース (茎や葉、雑草、稲わら、廃木材)
    7. ポリ乳酸レジンメーカー
      1. ニートレジン … ネイチャーワークス、トタル・コービオン、豊原集団他
      2. コンパウンドレジン (高性能・高機能化PLAレジン) … ユニチカ
  3. ポリ乳酸の分解 (開始・速度) の制御と製品寿命
    1. 生分解機構 … 非酵素分解型 (2段階、2様式の特異的な分解機構)
      1. 分解開始のトリガー … 自動スイッチオン機構内蔵 (Tg=58°C)
      2. 分解速度の制御 … 残留ラクチド、カルボキシル末端基濃度など
        • タイプS … 分解速度速い/製品寿命短い
        • タイプM … 中程度
        • タイプL … 分解速度遅い/製品寿命長い
    2. 各種使用環境下での奉仕期間 (製品寿命)
      1. 生体内分解吸収性医用材料 … Sタイプ:数か月~半年
      2. 自然環境 (土、海水) 下 … Mタイプ:約3年 (約5年で分解消滅)
      3. 室温環境下 … Mタイプ:3~5年からLタイプ:10年以上まで
      4. 高温・高湿・アルカリ環境下 (自動食器洗い機) … Lタイプ:5年以上
    3. 製品使用後の再資源化 (リサイクル) … 真に持続可能な資源循環型社会へ
      1. マテリアルリサイクル … 5回程度の再溶融・成形可能 (Lタイプ)
      2. ケミカルリサイクル … 熱分解による原料ラクチドへの効率的還元
      3. バイオリサイクル … 堆肥化 (好気性下) 又はバイオガス化 (嫌気性下)
  4. ポリ乳酸の高性能化材料設計 … 既存石油系汎用プラと同等以上
    1. 耐熱性
      1. 結晶性高分子の耐熱性支配因子 … 成形加工工程での結晶化速度
        • 主剤 … 高L組成ポリ乳酸 (High %L PLA) 、%D<0.5
        • 添加剤 … 造核剤 (分散型、溶解型) 、結晶化促進剤、マルチ機能改質剤
      2. 耐熱性、透明耐熱性の現状到達レベル
        • 電気・電子機器筐体、部品 … 150 °C/低荷重下 (0.45MPa)
        • 食品容器 … 120~130°C x 5分/電子レンジ加熱
        • ティバッグ、飲用カップ … 5~100°C/熱湯注入
        • 透明耐熱性 (ヘイズ<5%) … 130°C
    2. 耐衝撃性
      1. 耐衝撃性改良添加剤 (AタイプとBタイプ) の選択・配合設計と作用機序
      2. 耐衝撃性の現状到達レベル
        • 電気・電子機器筐体、部品 … 9.6 kJ/cm2 (シャルピー衝撃強度)
        • シート成形品 … 落球法 (100gの重りを50cmの高さから)
      3. 耐熱性と耐衝撃性の同時付与
    3. 寸法安定性
      1. フィルムや繊維・不織布の後加工段階での熱収縮率低減
      2. 射出成形品などの室温放置下、二次結晶化による経時変化 (収縮、そり) 防止
  5. ポリ乳酸の成形加工と製品・市場開発動向
    1. 成形加工分野 … 繊維・不織布・モノフィラメント、フィルム・シート、真空成形、射出成形、発泡成形 (押出発泡、ビーズ発泡) 、ブロー成形
    2. 用途・製品・市場開発動向 <多数の製品写真で説明>
      1. タイプS … 生体内分解吸収性医用材料 (~半年)
      2. タイプM
        • 自然環境下で一定期間 (3~5年) 使用する農林・園芸・土木・水産資材
        • 短期間 (~1年) 使用の使い捨て食品容器・包装材、食器具、生活・衛生資材
        • 中期間 (3~5年) 使用の衣料、不織布、生活・衛生雑貨、産業資材
    3. タイプL … 長期間 (5~10年以上) 使用の電気・電子機器筐体・部品、リターナブル食器、自動車内装部品、産業資材、3Dプリンター用モノフィラメント
  6. 質疑応答

講師

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
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  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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