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環境対応型塗料と塗装技術

環境対応型塗料と塗装技術

~VOC削減と性能向上を目指して~
オンライン 開催

開催日

  • 2022年11月16日(水) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • コーティング関係の原料メーカー技術担当者
  • 塗料メーカーの品質管理・塗料設計・研究開発担当者
  • 塗装・コーティング分野の製造担当者・工程管理者 (初心者から中堅技術者)
  • コーティング技術と技能を深めたい方
  • コーティング被膜の付着性能、物理的強度を見極めたい方

修得知識

  • 塗料の基礎
  • 塗料が被塗物にくっつく理論
  • 液体塗料であるハイソリッド、水性塗料はどのようにして開発されてきたのか
  • 水性塗料と言えども有機溶剤を塗料中に10%程度含有しているがなぜ必要なのか
  • 固体粉末である粉体塗料の特徴と問題点は
  • 静電塗装に対する理解、良い仕上がり外観を得る基礎力

プログラム

 コーティング材料 (塗料) は流動状態で被塗物を覆い、付着、固化します。近年、塗膜形成時に大気中に飛散する有機溶剤成分 (VOC) が光化学スモッグや大気汚染の原因物質であることがわかり、VOCを削減する塗料に開発の目が注がれています。VOC削減塗料とは、ハイソリッド、水性、粉体塗料であり、環境対応型塗料とも呼ばれています。これら塗料には、元来から持つ合成樹脂の特性を変性して使用するため、従来塗膜に比べて、仕上がり性や硬化塗膜の物性には不具合を発生することが多く、その対策も必要です。
 本セミナーでは、環境対応型塗料とはどのような塗料なのかを溶剤型塗料と比較しながら、整理して行きます。そして、VOC削減による塗料の不具合をどのようにして克服するかについて必要な考え方を述べ、欠陥対策について解説します。

 塗料の必要条件は、1) 流動すること、2) くっつくこと、3) 固まることに集約できます。塗料は有機材料、無機材料の混合物であり、絶妙なバランスで塗装効果を発揮しています。VOCの削減とは、言いかえれば油絵の具を水彩絵の具に替えたり、さらには、粉末絵の具を与えるから、同じように仕上げろと言うことですが、環境に優しいものづくりは我々にとって必須項目です。そこで、VOC削減を進めるために次に示す現状把握と問題点をあぶり出すことを本セミナーの目標にします。

  • 現状の把握、例えば、液体塗料であるハイソリッド、水性塗料はどのようにして開発されてきたのか。なお、水性塗料と言えども有機溶剤を塗料中に10%程度含有しているが、なぜ必要なのか。
  • 固体粉末である粉体塗料の特徴と問題点は何か。
  • 工業塗装では塗着効率の良い静電塗装を用いることが多い。静電塗装に対する理解を深め、良い仕上がり外観を得る基礎力を身に付ける。
  1. 第1章 塗料・塗装と環境問題
    1. CO2の排出問題
    2. VOCの排出問題
    3. VOC削減対策
      1. VOC削減型塗料のはなし
        1. ハイソリッド
        2. 水性塗料
        3. 粉体塗料
      2. VOC削減効果
  2. 第2章 水性塗料と塗装のはなし
    1. 水性塗料の概要と技術課題
      1. 塗膜の耐水性改良法
      2. 表面張力の作用
        1. 表面張力とは
        2. 表面張力差による流動 – はじきと対流
      3. エマルション (Em) エナメルの作り方
    2. 塗料用樹脂の水性化手法 – 基礎編
      1. 水の存在下で樹脂を合成するタイプ – 乳化重合
      2. 溶剤可溶性樹脂を強制乳化する方法
      3. 溶剤可溶性樹脂を水性樹脂に転換する方法
      4. 電着塗料用樹脂の調製法
      5. カチオン電着塗装とは
    3. ポリウレタンディスパージョン (PUD) の調製法
    4. 水性塗料の架橋反応
      1. ラテックス/水溶性樹脂系焼付塗膜
      2. PUDとアクリル樹脂Emとの架橋反応
    5. 水性塗料の物性改良法
  3. 第3章 粉体塗料と塗装のはなし
    1. 粉体塗料の概要と技術課題
      • 粉体塗料のメリット・デメリットから見えてくるもの
    2. 粉体塗料の分類と設計
      1. クッキータイプ塗料の分類
      2. 粉体塗料の特徴
    3. 粉体塗料を作って見よう
    4. 塗装仕上げに及ぼす粉体塗料の要因
      1. 粒径
      2. エッジカバー性
    5. 塗装不良と対策
  4. 第4章 静電塗装入門
    1. 静電塗装を理解するために役立つ知識
      1. 静電気の基礎知識
      2. 塗料の電気抵抗値について
    2. 液体塗料の静電スプレー
      1. 空気霧化
      2. 回転カップ式
      3. 電気抵抗値が及ぼす影響
    3. 粉体塗料の静電スプレー
      1. コロナ放電式
      2. 摩擦帯電 (トリボ) 式
      3. 流動浸漬法
      4. 逆電離現象とは
  5. 第5章 欠陥事例とその対策
    1. 水性塗料のはじきを防止する添加剤の配合
      • 表面張力のムラを消せる配合がハジキ止めの要因
    2. 粉体塗装した鋼管内面塗膜のはく離事例
      • 収縮応力が原因となったはく離事例
    3. 本セミナーに関連するQ&A

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

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「案内の希望」をご選択いただいた場合、1名様 40,000円(税別) / 44,000円(税込) で受講いただけます。
複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。

  • R&D支援センターからの案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 40,000円(税別) / 44,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
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    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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