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バイオマスモノマーの開発と応用事例

バイオマスモノマーの開発と応用事例

~バイオマス由来の機能性モノマーからのポリマー合成、重合法から物性、コーティングなどの実事例まで~
オンライン 開催

開催日

  • 2022年9月22日(木) 10時00分 17時00分

修得知識

  • 微生物発酵により生産可能な化学品群
  • 生産株育種の考え方
  • デジタル技術を利用した生産株育種の取り組み
  • 植物由来モノマーの生産事例

プログラム

第1部 バイオマス由来芳香族モノマーの発酵生産

(2022年9月22日 10:00〜11:30)

 バイオテクノロジーの進歩により、微生物の細胞内で進行している多数の化学反応を把握し、代謝経路を設計し、狙った通りの遺伝子組換えを施すことが可能になっている。これにより欲しい化学品を大量に生産する微生物生産株を創ることへの障壁が下がった。
 本講では、デジタル技術を取り入れた生産株育種の事例を解説し、さらにバイオマスを原料としたモノマー生産技術の研究開発について紹介する。

  1. 微生物を利用した化学品発酵生産技術
    1. 発酵生産 対 化学生産
    2. どのような化学品を発酵生産できるのか
      1. アルコール
      2. アミノ酸
      3. 脂肪族有機酸
      4. 芳香族化合物
      5. 抗生物質、複雑な構造を持つ化合物
  2. コリネ型細菌を用いた化学品生産
    1. コリネ型細菌
      1. コリネ型細菌とは
      2. 生産宿主としてのコリネ型細菌の優位点
    2. 生産菌の育種
      1. 生産菌の代謝設計
      2. 生産菌の遺伝子組換え
      3. 生産菌の性能評価・生産検討
      4. スマートセル技術を利用したカテコール生産菌育種
  3. 微生物による芳香族モノマー生産
    1. フェノールの生産
    2. 4-アミノ安息香酸の生産
    3. 4-ヒドロキシ安息香酸の生産
    • 質疑応答

第2部 バイオマスアクリレートの種類と特徴

(2022年9月22日 12:10〜13:40)

 近年、持続可能な開発目標 (SUSTAINABLE DELVELOPMENT GOALS) に関する活動が世界的に活発になっている。展示会や各社CSRなどでもSDGsの内容を元に取り組む企業が増加している。一方、化学業界では、マイクロプラスチックによる海洋汚染対策が急務とされている。これまでプラスチック製品は主に石油原料から生み出されており、百万年以上のサイクルが必要とされている。循環型エネルギーが必要とされる昨今では、石油由来原料からサイクル時間が短いとされる植物由来への転換が求められている。
 本講演ではアクリル酸エステルにおけるバイオマス開発動向について、ご紹介する。

  1. アクリレートの現状と用途
    1. アクリレートとは?
    2. アクリレートの用途
  2. バイオマス原料について
    1. バイオマス原料が求められる背景
    2. バイオマス材料の現状
  3. アクリレートのバイオマス技術・材料
    1. クリレートの原料について
    2. アクリル酸のバイオマス化
    3. アクリレートのバイオマス化
    • 質疑応答

第3部 バイオマスアクリル樹脂の特性と設計、用途例

(2022年9月22日 13:50〜15:20)

  1. バイオマス樹脂の市場動向
    1. バイオマス樹脂の種類と原料
  2. 樹脂設計
    1. ラジカル重合技術 (油性)
    2. ラジカル重合技術 (水性)
    3. バイオマスアクリル樹脂の設計
    4. 紫外線硬化型バイオマスアクリル樹脂の設計
    5. ウレタンアクリレートの設計
    6. バイオマスウレタンアクリレートの設計
    7. 水性UV (ウレタンディスパーション) の設計
  3. 物性例及びコーティング材としての用途展開例
    1. バイオマス度の測定
    2. バイオマスアクリルの基本物性 (油性)
    3. バイオマスアクリルの基本物性 (水性)
    4. 紫外線硬化型アクリル樹脂の基本物性
    5. バイオマスウレタンアクリレートの基本物性
    6. 水性UV (ウレタンディスパージョン) の基本物性
  4. 今後の動向
    • 質疑応答

第4部 バイオマスアクリル樹脂の特性と設計、用途例

(2022年9月22日 15:30〜17:00)

 第二世代バイオマスとしてヘミセルロースとセルロースから製造されるフラン誘導体 (フルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール (HMF) など) が注目されている。フラン誘導体の中でもフルフラールは化学工業の資源として20世紀初頭から使用されてきたが、現在の用途は、潤滑剤の抽出溶剤、金属成形のバインダーのフラン樹脂に限定されている。一方、20世紀終盤からは、安価で豊富な非可食バイオマス資源であるフラン誘導体をバイオ燃料、汎用高分子のモノマー、および新規高分子に利用する研究が飛躍的に発展してきた。例えば、ポリ (エチレンフラノエート) (PEF) は、ポリ (エチレンテレフタレート) (PET) の代替品として注目され、社会実装が検討されている。
 本講演では、19世紀のフラン誘導体発見から20世紀初頭の化成品原料としてのフラン誘導体、そして、現在のバイオマス由来の高分子原料としてのフラン誘導体の有用性を解説し、その将来展望を述べる。

  1. 第2世代バイオマス資源としてのフラン誘導体
  2. フルフラールとヒドロキシメチルフルフラール (HMF)
  3. 汎用高分子モノマーへの変換
  4. 機能性モノマーへの変換と重合
  5. フラン誘導体からのテレフタル酸合成
  6. フラン樹脂
  7. モノフラン含有高分子
  8. ビスフラン含有高分子
  9. ビフラン含有高分子
  10. フラン環の利用
  11. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 久保田 健
    地球環境産業技術研究機構 (RITE) バイオ研究グループ
    主任研究員
  • 飯塚 大輔
    大阪有機化学工業 株式会社 化成品部 化成品課
    主任
  • 朝田 泰広
    大成ファインケミカル 株式会社 技術グループ
    課長
  • 橘 熊野
    群馬大学 大学院 理工学府 分子化学部門
    准教授

主催

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  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
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  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

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