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EV化による新たな騒音と対策技術

EV化による新たな騒音と対策技術

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、EV化による騒音の基礎解説、モータからの騒音や電動ポンプ、パワーステアリングなど動作音の課題と静音化、ロードノイズ等を効果的に遮音、快音化する技術として音響メタマテリアルとアクティブノイズコントロール等を取り上げ、解説いたします。

開催日

  • 2022年3月23日(水) 9時30分 16時30分

受講対象者

  • 機械、機器、自動車部品などの設計・開発・品質担当者

プログラム

 EV化により、新たな騒音が顕在化してきています。本セミナーでは、EV化による騒音の基礎解説、モータからの騒音や電動ポンプ、パワーステアリングなど動作音の課題と静音化、ロードノイズ等を効果的に遮音、快音化する技術として音響メタマテリアルとアクティブノイズコントロール等を取り上げ、解説いたします。

第1部 EV化により顕在化してきた騒音と静音技術

(9:30 – 11:00)

 EVはガソリン車に比べて静粛性が優れていると言われているが、ガソリン車ではマスキングされていた騒音が、EVでは目立つようになってきた。ガソリン車の騒音要因は第一位エンジン音、第二位ロードノイズであるが、EVでは第一位ロードノイズ、第二位が低級ノイズ (ガタやキシミなど) となる。第三位はEV特有のモータ音等である。また年々厳しくなる車外音規制はEV化で有利になると思われていたが車外騒音の要因の一つにタイヤ騒音が有り、Phase3ではタイヤ騒音だけでも規制値をクリアできない見通しである。 (車外騒音規制はPhase1~Phase3まで段階的に実施されPhase3は2024年からとなっている)
 本講演ではこのような状況を説明し、これらに関した対策事例を紹介する。

  1. 自動車の主な振動騒音現象
  2. ハイブリッド車や電気自動車の振動騒音
  3. エンジン車 (ガソリン車) とEVの車内騒音比較
  4. EV特有の振動騒音
  5. 車外音規制強化の動き
    1. Phase1~Phase3までの段階的実施
    2. 新加速騒音試験概要
    3. タイヤ単体騒音とタイヤノイズメカニズム
  6. ロードノイズ対策事例
    1. ホイール振動特性
    2. 取付け部剛性Upによる改善例
    3. 車体パネルの積層制振防音構造
  7. 間違い易い音響知識
    1. 音圧分布と粒子速度分布
    2. 遮音の注意点=コインシデンス効果
  8. 間違い易い振動知識
    1. 波長と制振効果
    2. 質量付加と制振効果
    3. パネル剛性アップと制振効果

第2部 自動車用モータ駆動システムにおける振動・騒音と低減技術

(11:10 – 12:10)

 カーボンニュートラルに向けて各国でCO2排出量の削減が求められており,自動車分野では永久磁石同期モータを駆動源として採用した電動車 (電気自動車やハイブリッド自動車など) の普及が加速している。永久磁石同期モータは小型・高出力・高効率という特長を備える一方で,モータの電磁力に起因した振動・騒音が増大する課題がある。
 本セミナーでは,永久磁石同期モータを使用したモータ駆動システムによって発生する振動・騒音の発生メカニズムを紹介し,その低減手法をモータ・制御・機構に分けて紹介する。本セミナーの受講によって,電気系・機械系を含むシステム視点での振動・騒音低減手法を学ぶことを目標としている。

  1. 自動車の電動化に伴う振動・騒音の課題
  2. 一般的なモータにおける振動・騒音の発生メカニズム
  3. 電磁力による振動・騒音とその種類
  4. 電磁力による振動
    • 騒音のその低減手法
    • モータ
    • 制御
    • 機構

第3部 電動ポンプ、パワステ等からの騒音と低減技術

(13:10 – 14:10)

 地球環境に対する社会要求が高まる中、自動車はEV化などによって、これまで顕在化してこなかった騒音にまでスポットが当たるようになり、部品メーカへの低騒音化要求はより厳しいものになっている。本講ではこの低騒音化要求に対するKYBの取組みについて低騒音化技術及び事例を交えて紹介する。

  1. はじめに
    • 自己紹介、この講座の概要と目的
  2. 低騒音化技術
    1. 予防的アプローチと対策的アプローチ
    2. 騒音発生のメカニズム
    3. KYBにおける騒音対策の流れ
  3. 低騒音化事例 (予防的アプローチ)
    1. ポンプ内部圧力適正化による騒音低減
    2. 油路適正化によるキャビテーション音の抑制
  4. 低騒音化事例 (対策的アプローチ)
    1. 電動油圧ポンプモータの騒音低減
    2. 電動パワーステアリングの異音低減
  5. 終わりに
    • 今後の展望

第4部 音響メタマテリアルによる遮音性能向上技術

(14:20 – 15:20)

 近年、自然界に存在する均質一様な物質では実現できない音響的な性質を持つ音響メタマテリアルが注目されている。本講演では、音響メタマテリアルの基礎、これまでの先行研究事例の紹介、および当研究室で検討してきた音響透過損失を向上可能な音響メタマテリアルについて概説する。

  1. 音響メタマテリアルの基礎
  2. 研究事例および動向
  3. 遮音性能向上を目的とした一重壁音響メタマテリアル
    1. レゾネータを用いたユニットセル構造
    2. 理論モデルおよび数値解析モデル
    3. 実験検証
  4. 遮音性能向上を目的とした二重壁音響メタマテリアル
    1. レゾネータの底面を薄膜化したユニットセル構造
    2. 理論モデルおよび数値解析モデル
    3. 実験検証

第5部 快音化のための音の制御技術

(15:30 – 16:30)

 車内空間の快適性を高め、運転パフォーマンスをも向上させるサウンドデザインの取り組みを自動車メーカ様や部品メーカ様と共に行っている。今回はそのうちアクティブノイズコントロールなどの音の制御技術およびその感性面からの評価ついて解説すると共に、関連する最近の取り組みについて紹介する。紹介予定の取り組みは自動車加速音を対象とした以下である。 (1) 吸音材による感性制御、 (2) 適応制御を用いた個人の好みへの快音化

  1. いい音とは何か
  2. 音と運転パフォーマンス
  3. 能動騒音制御と受動騒音制御
  4. 適応制御の基礎
  5. 音の評価方法
    • SD法
    • 一対比較法
    • MUSHRA法
  6. 音の生理学的評価
    • 呼吸,心拍,脳波
  7. 自動車加速音の評価
    • 吸音材による感性制御
    • 適応制御を用いた個人の好みへの快音化
  8. まとめ

講師

  • 松村 修二
    群馬大学 大学院 工学研究科 次世代EV研究会幹事
    客員教授
  • 原 崇文
    株式会社 日立製作所 研究開発グループ 電動化イノベーションセンタ モビリティドライブ研究部 電動M4ユニット
    研究員
  • 鈴木 一成
    KYB株式会社 技術本部 基盤技術研究所 要素技術研究室
  • 山本 崇史 (振動工学)
    工学院大学 工学部 機械工学科
    准教授
  • 石光 俊介
    広島市立大学 大学院 情報科学研究科 システム工学専攻 サウンドデザイン研究室
    教授

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込)

案内割引・複数名同時申込割引について

S&T出版からの案内をご希望の方は、割引特典を受けられます。
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  • Eメール案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,000円(税別) / 46,200円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,000円(税別) / 73,700円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 85,182円(税別) / 93,700円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 103,364円(税別) / 113,700円(税込)
  • Eメール案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 200,000円(税別) / 220,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 250,000円(税別) / 275,000円(税込)

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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