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ポリ乳酸の高性能・高機能化材料設計と成形加工技術

ポリ乳酸の高性能・高機能化材料設計と成形加工技術

~生分解性からスマートプラスチックへ~
オンライン 開催

開催日

  • 2021年6月30日(水) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • ポリ乳酸に関連する技術者
    • 自動車分野
    • 電気・電子分野
    • スポーツ分野 など
  • ポリ乳酸に関連する分野のマーケティング担当者、事業企画担当者、経営者

修得知識

  • 地球環境保全・資源循環型社会に向けての持続可能な開発目標 (SDGs)
  • ポリ乳酸の生分解機構・制御技術や抗菌・防カビ性発現機序
  • ポリ乳酸の高性能・高機能化技術、成形加工技術と材料・製品設計指針

プログラム

 近年の地球環境・資源・廃棄物問題の中で、生分解性プラスチックの中でも既存の石油系汎用プラスチックを代替し得る中核素材としてポリ乳酸 (PLA) が一躍脚光を浴び、世界的にもPLA生産設備の新設・増設報道が相次いでいる。
 PLAは生分解性でありながら分解速度の制御により短期使用の使い捨てから長期使用の耐久性製品までの応用展開が可能で、使用後の再資源化 (バイオリサイクル) 過程では分解開始の自動スイッチオン機能が働き、生ごみと同等速度で速やかに堆肥化される分解制御機構を内包している。また、一般的に生分解性プラスチックは細菌やカビが付着・増殖し易い重大欠点を孕んでいるが、PLAは逆に卓越した抗菌・防カビ性を発現する。
 本講では、単なる生分解性プラスチックではないPLAに秘められた次世代スマートプラスチックとしての可能性を実現させるための高性能・高機能化材料設計と成形加工技術について、基礎・応用研究から技術・事業開発まで約35年間の実績を有する世界的第一人者が論説する。

  1. 持続可能な開発目標 (SDGs) としてのポリ乳酸
    …ポリ乳酸には資源枯渇も、地球温暖化も、廃棄物問題も存在しない
    1. 地球環境・資源・愛器物問題と生分解性プラスチック
      1. 20世紀の石油を原料とする合成高分子化学工業が内包するパラドックス
      2. 海洋プラスチック汚染問題の正しい理解と解決策
      3. 自然界の真のリサイクルシステムとしての物質循環 (炭素循環) へのリンク
      4. 植物由来生分解性プラスチックへの転換
    2. ポリ乳酸の基本特性
      1. 原料は枯渇しない植物由来の再生可能資源 (renewable resource)
      2. バイオマス由来で地球温暖化に関与しない (carbon-neutral)
      3. 自然環境 (土壌、海水・淡水) 下での完全生分解性 (biodegradable)
      4. 使用後の再資源化 (バイオリサイクル) 過程での
      5. 好気性発酵による堆肥化可能 (compostable)
      6. 嫌気性メタン発酵による生ごみ発電 (garbage power generation) 可能
  2. スマートプラスチックとしてのポリ乳酸
    …石油系プラスチックと同様に長期使用が可能で、使用後の再資源化過程では生ごみと同等速度で速やかに堆肥化されるメカニズムとは?また、抗菌・防カビ性の発現機序は?
    1. ポリ乳酸の安全・衛生性と抗菌・防カビ性
      1. 天然有機酸としての乳酸の基本特性
      2. ポリ乳酸の食品衛生性
        • 厚生省告示370号
        • 米国FCN No.178
        • その他
      3. ポリ乳酸の耐食害性と抗菌・防カビ性
        • 他素材との比較試験
      4. ネズミ食害試験
      5. プラスチックのカビ抵抗性試験…JIS Z-2911
      6. 繊維の抗菌・防カビ性試験
        • 繊維製品新機能評価協議会・抗菌防臭加工新基準
      7. 消費者から届けられた声
        • ボディタオル…長期間使用しても従来品のように嫌な臭いや着色がなく清潔
        • 台所の水切りネット…長期間使用してもヌメリ形成による目詰まりがない
    2. ポリ乳酸の2段階2様式の特異的な生分解機構
      1. ポリ乳酸の生分解機構…非酵素分解型 (化学的加水分解型)
      2. ポリ乳酸が内包する分解制御機構
      3. 耐久性と生分解性の両立
      4. ガラス転移温度Tg=58℃…分解開始トリガー (自動的スイッチオン機構)
      5. ポリ乳酸中の残留ラクチド、フリーの-COOH末端基と分解速度/製品寿命
        • タイプS (残留ラクチド:多) …分解速度速い/製品寿命短い
        • タイプM (残留ラクチド:少) …中程度
        • タイプL (COOH末端基封鎖) …分解速度遅い/製品寿命長い
      6. ポリ乳酸の様々な環境下における分解挙動/製品寿命と応用展開
      7. 生体内…生体内分解吸収性医用材料 (タイプS)
      8. 自然環境 (土壌、海水) 下…農林・園芸・土木・水産資材 (タイプM)
      9. 再資源化 (バイオリサイクル) 過程…容器・包装、生活・雑貨 (タイプM)
      10. 高温・高湿環境下…リターナブル食器、耐久性構造材料 (タイプL)
  3. ポリ乳酸の高性能・高機能化材料設計技術
    …ポリ乳酸はすでに既存の石油系汎用プラスチックと同等以上のレベル!
    1. 高L組成ポリ乳酸 (High L PLA) …D体共重合比:%D<0.5
      1. D体共重合比が結晶化速度や結晶化度に及ぼす影響
      2. 成形品の耐熱性、成形加工性、寸法安定性の向上
    2. 添加剤による熱的・力学的特性の改良 (到達レベル)
      1. 耐衝撃性…可塑剤又は耐衝撃性改良剤、PLA+PBATブレンド体
      2. 電気・電子機器筐体、部品…9.6 kJ/cm2 (シャルピー衝撃強度)
      3. シート成形品…落球法 (100gの重りを50㎝の高さから)
      4. 耐熱性 (透明耐熱性) …分散型核剤 (溶解型核剤) 、結晶化促進剤
      5. 電気・電子機器筐体、部品…150 ℃/低荷重下 (0.45MPa)
      6. 食品容器…120~130℃ x 5分/電子レンジ加熱
      7. ティバッグ、飲用カップ…5~100℃/熱湯注入
      8. 耐熱性と耐衝撃性の同時付与…マルチ機能改質剤
      9. 耐久性 (耐湿熱性) …加水分解抑制剤
    3. 結晶化速度促進技術…耐熱性、寸法安定性、成形加工性の向上
      1. 成形加工工程における結晶化の分類…Melt Crystal.とCold Crystal.
      2. 結晶化速度支配的因子
      3. 一次構造 (共重合比、%D)
      4. 分子量
      5. 造核剤や結晶化促進剤
  4. ポリ乳酸の成形加工と製品・市場開発動向
    …既存の石油系プラスチックと同等の成形加工性と広範な製品展開!
    1. 成形加工の物理的意味
    2. 成形加工法と成形加工性支配因子
      1. 溶融押出過程
        • 溶融粘度
        • 溶融張力⇔分子量
        • 架橋密度依存性
      2. 冷却固化過程
        • Tg又は結晶化速度⇔冷却速度
        • 変形速度依存性
    3. 成形加工性の改良添加剤
      • 溶融押出過程と冷却固化過程
    4. 成形加工分野
      • 繊維・不織布
      • フィルム
      • 真空成形
      • 射出成形
      • 発泡成形
      • ブロー成形
    5. 用途・製品・市場開発動向 <多数の製品写真で説明>
      1. 食品容器・包装資材
        • 青果物容器
        • 使い捨て食器具
        • ティーバッグ
        • 生ゴミ袋
      2. 農林・土木・園芸・水産資材
        • 農業用マルチフィルム
        • 防草・植栽シート
      3. 生活雑貨
        • レジ袋
        • エコバッグ
        • タオル
        • ワイパー
        • インテリア
      4. 耐久性構造材料
        • リターナブル食器
        • 電子機器筐体・部品
        • 3Dプリンター

講師

主催

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